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海神  作者: 葉月 優奈
四話:女スパイ
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マッシュルームカットで、一番背の低い女。

システムエンジニアの彼女は、おどろくほど冷静だった。

冷めた目で、俺の方をじっと見ていた。


「なんの冗談ですか?」

「君が、二人を殺した」

「言っている意味が、よく分かりません」

「成沢と柚乃には、アリバイがない。

ついでに言うと、印南にもアリバイがない。

それならば、君にもアリバイがないんだよ」

「私にはあります。ベンチのそばで仕事をしていました」

彼女のアリバイは、ベンチのそばで仕事をしていたということ。


それも、俺は迷っていない。

ラウンジに向かい、植え込みを薬栗に見せていた。

ラウンジには、ベンチと植え込みが置かれていた。

奥には、大きなガラス張りの窓が見えて海と神戸市街がお一望できた。

俺は、一つの植え込みを指さした。


「この植え込みを、動かした跡がある。

植え込みを君が動かして、君を見えなくさせた」

「でも、私は一階にいたんですよ。殺害現場は、二階です。

一階にいた私は、どうやっていくのですか?」

「それはこのコードだ」

持っていたのは、キナが探してくれた電源コード。

自販機のそばに隠されたコードを、俺は手袋越しに持っていた。


「なんですか?」

「これを使用して、君は上に上った」

「どうやってですか?」

「植え込みに、傷があった」

スマホの写真には、植え込みの傷。

時刻は22:25。俺が見つけた傷は、とても新しい。


「この傷は、5分前に撮ったものだ。

なんなら、今もこの植え込みに傷はある。そして、この傷はとても新しい。

一時間以内に、この傷はできた証拠になる」

「爪のような傷ですね」

「上るときに、このコードに金具をつけた。

金具の傷だ、全ては調べてみればわかる。

その金具の一つは、カフェで見つかっている」

俺は、砂川が持ち主を探したワイヤーフックを俺は突き出した。


俺は、薬栗を言葉で突き止めた。

それでも、薬栗は冷静だった。冷めた顔で、ずっと俺を見ていた。


「俺の推理が確かなら、君は反対側の金具を持っている。

そのポーチを調べてもらっていいかな?」

俺は、最後にはっきりと薬栗に言い放っていた。



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