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海神  作者: 葉月 優奈
四話:女スパイ
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俺は一人の人間を、そばに呼んでいた。

それは意外な人物だ。

黄色の派手なシャツの女が、俺の目の前に姿を見せた。


「よお、キナ」

「あなたが、本当に知り合いなの?」

「ああ、間違いない」

キナは、実在する動画配信者だ。

俺はそのことを、下の警察から調べさせていた。

彼女は、間違いなく白だと思った。

だから、俺はある提案を一つしていた。


「伝説の刑事、国木」

「俺がいる警察署に、国木先輩はいる。

彼の関わった事件を調査したい、そういうことだな」

「うん、あなたも刑事なんでしょ」

「そうだ」ちらりと警察手帳を見せた俺。


「事件の話は、やはり十年前の殺人事件か?」

「うん、それ。うちはそれが知りたいねん」

「その協力は、このタワーを無事に下りたらやるとしよう」

「ほんまに、おおきに」

「それよりも、自販機の近くを調べたか?」

「せや、これやろ」

キナが取り出したのは、電源ケーブルだ。

緑色の電気ケーブルは、かなり長い。3メートルはあるだろうか。

だけど、プラグ部分は破損していた。


「どこにあった?」

「二階の自販機のそばや」

「なるほどな。それを使って、移動した。だからこそ、あんまり素手で扱うなよ。

そこには犯人の指紋が、ついてある可能性が高い」

「おおこわ」

キナが、慌ててケーブルを手放そうとした。

でも、そのケーブルを急いで丁寧に拾っていく。


「これで、一人のアリバイが崩れたわけだ」

「なるほど、初めから怪しいと思ってたん?」

「少なくとも、成沢と柚乃は外していた。

初めから俺の容疑の中には、二人は入っていない。

成沢は動機以前に、彼は殺せる精神状態にない。

柚乃も、祖母に対する怒りや憎しみが感じられない」

「それにあんたに協力している印南も違うということは、全員容疑者ではないということやん」

「だから、誰かが嘘をついている人間を探す必要があった。

アリバイがあるようで、実はない人間。

それこそ、バーコイが成りすました人間だ。

あとは、バーコイが俺の思っている通りの人間なら証拠があるはずだ。

『エノシガイオス』を持った、一人の人間を」

俺には、はっきりとその名を口にした。


エノシガイオスは、ラビーネ病院の悲劇の時は爆弾だった。

巨大な設置式の爆弾は、かなりの大きさだ。1メートルほどの爆弾を持ち込んでいる人間はいない。

唯一いるとすれば、成沢だろうけど、今回の凶器は設置型の爆弾ではない。


そもそも爆弾を仕掛けたら、自分の身も危ない。

ここには、力を示して取引をしに来ているのだから


「波多野の動きは?」

「今のところ、接触はあらへん」

「そうか、あとはこちらも準備をするとしようか」

「準備?」

「スマホを出して」俺はキナに、電話をしていた。


「俺の連絡先を教える。それから、もう一人連絡先を」

「メールの方がええんちゃう?」

「いや、電話で。俺よりもあの人の連絡先を、今から教えるから」

「ちょっと誰のよ?」

「伝説の刑事だ」

俺は、キナにそう言い続けていた。

その言葉を聞いて、キナは驚きの顔を見せていた。



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