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海神  作者: 葉月 優奈
四話:女スパイ
42/56

042

(BACOI‘S EYES)

現在22:25。エレベーターの封鎖解除まであと5分。

私は、全てを知っていた。


私の取引相手が、『波多野 蔵人』であることを。

そんな彼だけど、通信が一時解除された時から動きが悪い。


(何かがおかしい)

波多野、いやジョンソンは反乱軍だ。

私とは、もとは敵同士で殺しあった。


それでも、カシチェイの交渉もあり今回の取引の席が設けられた。

私たちボルシュニクは、国に従っているわけではない。

戦争の魔術師と言われた、カシチェイに従っているのだ。


(それともう一つ気になるのが、警察の状況だ)

警察の第一候補は、警備員の印南。

だけど、彼は刑事でないことがすぐにわかった。


(進行はもとより、彼は冷静さを欠いている)

見た目は大きな人間。何やら武道をしている様子だ。

だけど、私はそんな彼の精神的弱さを見抜いていた。


(推理も稚拙だし、警備員を警察にする理由はわからない。

もしかして、彼は協力者か?)

ならば、彼は刑事が誰なのかを知っているかもしれない。


そんな中、私はもう一人怪しい人間を目で追っていた。

(波多野とほぼ同時期に、一緒に男子トイレに行った人物。

それと、女子トイレにも一緒に行った男性の中の一人)


私の視界にとらえたのは、茶色のスーツの男性。

苗字は上原、貿易会社の営業の人間らしい。

それでも彼に疑惑を向けたのは、男子トイレに行った時だけ。


(確かあの頃は、通信障害が一時的に解除された時間帯。

警察もそのことを察知して、波多野をマークしたということか?)

いずれにしても、刑事は抹殺しないといけない。


(殺すべき刑事は、若杉ではなかった。

だから、刑事はまだこの展望台にいる。

でも、取引相手もいる。取引相手もいるが、なんだか嫌な予感がする)


私はまだ、迷っていた。

迷っている私の目の前で、私が疑心を抱く男が動き出していた。

上原が動画配信者の女キナと一言会話を、かけて二階の広場から背中を向けて離れていった。

私は、それを見て目の前に見える印南に向けて手を挙げていた。


(やはり、まずは刑事を始末するしかない)

私はそう思いながら、行動に移していた。



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