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海神  作者: 葉月 優奈
プロローグ
1/56

001

――1か月前――

(???‘S EYES)

銃弾飛び交うここは、紛れもない戦場だ。

町の風景は、すっかり廃墟だ。

どこでも銃弾が飛びかい、多くの人間が屍になっていた。

若きも、兵士も、子供でさえも。


外の銃弾が聞こえる中、私たちがいたのは病院……の廃墟。

戦場にあるこの病院もまた、戦場だ。

多くの負傷者と、攻め込む兵隊。


軍の関係者でも、私は壊れた病院の中にいた。

私は軍人ではない、だけど私は白衣を着ていた。

それでもズボンのあたりは、裾を切った。


一般人の服で紛れて、少し汚れた格好の私はこの病院に潜入していた。

病院の名は、『ラビーネ病院』。首都にある巨大病院。

様々な病院は、とにかく戦場の中でもひときわ大きな建物だった。


(ここに本当の秘密基地があるのか?)

ラビーネ病院は、外観からして大きいだけに中も当然広い。

七階建ての建物に、横もかなり広い敷地。

国内一の病院で、様々な治療に対応していた。

そのラビーネ病院に、沸き上がった一つの噂。


(反乱軍の秘密基地の本部が、病院の中に隠されてある)

戦争の基本は、司令部を叩くこと。

そのためには、秘密基地をつぶすのは効率がいい。

だけどじっくり調べている暇もないので、私は任務を全うするだけ。


私の国は反乱軍と、戦時中だ。

この病院には、負傷した兵士やけがを負った一般人も運ばれていた。

当然のことながら、ここを襲撃すると国際的に糾弾されるだろう。


表向きは、多くの患者は普通の負傷者を治療しているように見えた。

それでも私は、潜入をしていく。

病院の地図は、すでに頭の中に入っていた。

腰には、小型の設置型の爆弾を持っていた。


(でもやるしかないんだ、私の任務はこの国の未来につながる)

私は通路に身をひそめて、敵をやり過ごした。

長く暗い通路に、多くに兵士がこの病院に駐在していた。


(顔を見られた瞬間、奴を殺す)

殺さなければ、弱い私たちは皆殺し。

兵士は幸いにも、私から離れていった。

壁に隠れて、私は奥に進んでいく。


そして病院の地下に、やってきた。

薄暗い地下は、電気もほとんど通っていない。

確かに噂通り秘密基地が作られても、不思議ではない。


(目指すべき場所は、はっきりしている)

静だけど確実に進む私。向かったのは、地下一階の倉庫だ。

背中には小さな体に合わない大きなリュックサックを、背負っていた。


背中にあるのは、一つの爆弾。

私の命令は、背中にある爆弾を設置する作戦だ。


(この爆弾が起動すれば、ここにいる人間は全員殺人ガスで死ぬ)

それでも、私は助かる可能性があった。

この爆弾に対する耐性は、任務前の注射でしっかり抗体が体の中にあった。


(唯一巻き込まれるのは、爆風と倒壊)

地下に設置した爆弾が、爆発で建物を倒す。

それにより、地下にガスが充満して地下の秘密基地にある人間を皆殺しにする。

生物兵器海神(エノシガイオス)はそういう兵器だ。


(でも、任務失敗したら、国に帰ることは許されない。

私は、まだ死にたくはない。やりたいこともできた。

生きていくためには、成功させるしかない)

恐怖が、私を動かす。闇に潜みながら、通路の奥にどんどん進む。


広い通路の先に、一つのドアが見えた。

重い扉を開けると、そこは私の目的地だ。


(ここが、地下倉庫)

指令にあったとおり、この場所は倉庫だ。

それでも感情を表に出すことはなく、迅速に行動に移す。

そのまま背中にある重そうなリュックを、床に下した。

リュックの中から、爆弾を取り出した。

1メートルほどの大きな爆弾を、倉庫の床に置いた。

そして、爆弾のセーフティを解除していく。


(落ち着け、落ち着け)

薄暗い倉庫は、私しかいない。

だけど、遠くから微かに聞こえる物音が聞こえていた。

遠くだけど確実に大きくなる音が、私を焦らせた。


(焦らずに、急げ。ここの解除をして)

私は、爆弾の起爆に……少しだけ手こずった。

だけど、私は冷静に起爆をこなしていく。


(この爆弾が爆発すれば……私の命はつながる)

だが、失敗すれば命があっても粛清だ。私の国は、そういう国だ。

起爆の操作をして、ロックが解除された。


(とりあえず、時限爆弾は起動した)

解除をするとタイマーが、動き始めた。

生物兵器の爆弾は、無事に起動できた。


起動しながらも足音が、徐々に近づいていた。

私は倉庫を出て、通路を覗いた。

だが、その足音は除いた瞬間途絶えた。


(あれ?)次に私は気づいたときには、すでに一人の人間が私に近づいてきた。


(誰だ?)

私には、唯一隠し持っていたナイフを手にした。

軍用ナイフだけど、私にはこれしか武器はない。


ここは戦場のど真ん中。

私は、周囲に神経をとがらせて気を配った。

だけど、すぐに私の後ろに人がいた。


「なあ、バーコイよ」

「その声は、司令官カシチェイ様。

それは髭だらけの男性が、白衣を着て小さな私に接触していた。



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