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タイトル未定2024/08/05 19:56

やばい、金がない。

財布の中からはネットカフェの会員カードと、くしゃくしゃになったクーポン券が出てきた。

一人暮らしは何かと金がかかる。どう考えても人1人生きるのも、このご時世容易で無い。

親からの仕送りも今月は底をついたため、とうとう最後の手段を取ることに決めた。

バイトしよう。


一通りの求人アプリをスマホにインストールし、片っ端から条件で検索していく。

交通費支給、週3回からでOK、まかない付き、時給1200円以上。。。

当然そんな好条件の求人など見つかるはずもなく、気づくと飽きてSNSを開いていた。

適当にスクロールしていると、気になる投稿を見つけた。


日当1万円、誰でも応募可、続きはこちらのリンクから。


世間でよく問題になっている闇バイトか。流石にこれに応募するほど落ちちゃいない。

どんなに金に困っても犯罪に手を染めるのはごめんだ。


暫くネットサーフィンを楽しんだ後、買い溜めしたゼリー飲料を勢いよく飲んだ。

食わずに生きていける体になれたらと常々思う。

とりあえずこの間の日雇いのバイトで食いつなごう。

アプリを立ち上げ、過去の履歴から希望日を打ち込んだ。


気分転換に夜の道を散歩していると、1組のカップルが熱い抱擁を交わしていた。

どうしてこうも周りのことを気にしないで馬鹿ができるのだろう。

確かに恋に盲目になるとつい楽しくなるのは経験上わかる。だが人目を気にしなくなるほど見えなくなったことはない。

ましてや楽しいのは最初の数ヶ月ぐらいであとの付き合いは惰性だ。

別れるとそれまでの金や時間の浪費を無駄にしてしまうような気がして、ついズルズルと付き合い続けてしまう。

人間は得をするための行動よりも、損を避けるための行動に重きを置いているものだ。


抱き合うカップルの横を通る際、わざと大きな咳をしてその場を去った。

スマホには通知が届いていた。日雇いバイトの案内だ。

勤務日が決まった。明後日だ。

今回は優しくて可愛い子が一緒だといいなぁ。

そんな甘い理想を抱きながら夜風と虫の音を楽しみながら帰路についた。


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