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必見!1ヶ月で6億金貨稼ぐ方法!トロールと呼ばれたNPCである俺はバグって村社会から追放されたが肝臓検査で成り上がる!〜個人的には味噌汁にはなめこ×アサリが最適解だと思う〜。P.S魔王討伐します  作者: 出版社に渾身の力作持ち込むも編集者とやらにズタボロにこき下ろされて精神崩壊し隔離病棟に10年ぶち込まれた俺、しかし夢で練り上げた全力の力作をなろうに載せて大大大逆転する〜いまさら後悔してももう遅いぜ〜


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永遠とも思えるほど長く拷問かと思うほど厳しい武者修行の始まり

気づいてないかもしれないが、君たちは実は魔虚羅だった、だから急展開にも対応出来る、ガコン

右手に殺虫剤、左手に携帯ライトを構えて無機質な廊下をジリジリと進んでいく、どちらも人間には理解できない科学を用いて作られた得体の知れない道具であり普段なら死んでも使わない代物だが状況は深刻であり私情を挟んでいる場合では無いのだ。


「…今居たか…?…いや居なかったか…」

25は地上から地下世界に侵入したGOKIBURIの駆除任務のために指定されたエリアに来ていた、この危険で恐ろしい任務に遣わされるくらいならまだパーフェクトプラネットでレベルを上げたり金貨を稼ぐ作業の方がマシというものだ、だがやらねばならない、地下を守るのは管理人として果たさねばならない使命なのだから。


右手に持ったライトはAIの開発によって生まれた特殊なもので360度に光を照射するランタンのような形状になっているのだが、25が既に確認した場所は自動的に照らされなくなる、25は光の当たっている部分を見て行けばすれ違いが起こるリスクがなくエリアの安全を確保できるということになる。


「エリア685387の安全を確保した」

ライトの光が届いていない場所、そこは既に確認した場所だからGが居ないことは間違いない、頭ではそう分かっているのだ、だがそれでも25は人間であり、その脳は恐怖か緊張か、何らかの感情の作用で見えない敵を暗闇に映し出してしまう、錯覚して脳が見せてしまうのだ、視界の隅を走る()()()()()()を。

「クソ!こんなんじゃダメだ!俺は機械、俺は人間じゃない、俺は人間じゃない…」


地下を守る使命を与えられた100人の管理者には感情も人間性も必要ない、機械のようにただ任務を全うする、それがかつて過去の84から学んだ在り方だ、やつへの恐怖を振り払い、次のエリアへ進むと同時にただ光にのみ集中する。


「!!いやがった!クズ虫が!」

潜伏するGが壁に張り付いているのを確認し殺虫剤をありったけ散布する、そいつが逃れようと高速で動き回っても決して逃がさない、殺虫剤とは名ばかりのそれの正体はオーバーテクノロジーによって生み出された兵器、その粉末は体内に侵入した瞬間生き物の主要な臓器をたこ焼きに変換することにより体内から火傷させて殺すのだ、もはや毒ガスまがいのそれを吸い込んだ壁に張り付いたコックローチは、しかし残された時間を使って俺に攻撃を仕掛けてくる、羽を広げて飛翔、その速度は秒速30m、空中での機動性にも優れている、クズ虫は空間を割く気分の悪くなる羽音と共に顎をガチガチとならして向かってきた、それに噛み付かれたが最後、やつの卵を肉に植え付けられる、それは一瞬で孵化し被害者の人間は数千匹の幼体の餌になることになる。


「くたばり損ないが!さっさと死にやがれ!!」

俺は飛び上がり、壁を蹴って空中に踊り出す、天井と壁に手を付き張り付いて上から見下ろす、黒虫は力を失って床にひっくり返ってのたうちまわり、しばらくして動かなくなった。


「はァ…はぁ、1匹処分した!」

俺は床におりてAIに連絡を飛ばす、殺虫剤は空気より重く役割を果たせば硬定物質を触媒に自己反応して毒性が無くなるため、危険性はなくなるので心配はいらない。


「確認しました、そこに清掃隊を派遣します、残りのゴキブリは4体ですが、疲弊したなら任務を終了することを許可します」

ゴキブリ対策AI『亜ー巣慈ェッ捕(地球噴射)』からの通信が耳に着けた端末に届く。ゴキは27種類の感染症を有しており、奴らが通った大地は微生物すら生存できないほどに汚染される、重装備の清掃隊が適切に処分しなければならない、俺は製造された時に備え持っていた元々の抗体に加え体に抗生剤を7本打ってこの任務に挑んでいるのだ。


「了解、俺は問題ない…任務は続行する」

「任務を終了し帰還することを推し」

「黙ってろ!問題ない!」


もとならナンバー50以上の管理者を対象に出された任務だった、それもそのはずだろう、ゴミ虫達は危険な相手なだけでなく、奴らに食われれば1人の命の問題ではなく、奴らが大増殖して地下も地上のように滅びかねないのだから、だが俺に恐れは無い。


「エリアP123Klに到達した」

「そこにはあなたの他にもう1人の管理者が居ます、協力してエリアの確保に及んでください」

「了解」


次のエリアに繋がる厳重に封鎖されたドアのタッチパネルにコートを打ち込んで開くと、その先から緊張した場にそぐわない鼻歌が聞こえてきた。


「おい、誰かいるのか?」

エリアに先に入っていたのはおそらく管理者とおぼしき長身の女だった、だが俺のように何か持っているようでは無く丸腰に見える、なにやらここの雰囲気に似つかわしくない牧歌的な鼻歌を……


「んいやその鼻歌パーフェクトプラネットのBGMだなぁ!」

「ん?誰ですかアナタ?ここ危ないですよ」

「俺は管理者だ、害虫駆除に来た、お前もか?」

「ええ私もです、まァ頑張りましょうか」

「てめえ、任務中に鼻歌歌ってるとか!管理者として腑抜けた態度じゃねえか、番号を言え!番号が低いやつは上の奴の言うことを全部聞くことにするぞ!」

本来管理者が行動を共にする時でも相当大人数でもなければ番号を共有することは無い、しかし今回は特例的に番号を聞き出す。

だいたい84もそうだが最近になってこんなふうなやつが増えた、言葉遣いの適当な奴や娯楽にうつつを抜かすやつら、管理者にあるまじき態度だ。


「はァ、まあいいですけど、78です、私の番号」

「…そうか、よし行くぞ」

「アナタは?」

「…25だ」

「なんでそれで勝てると思ったんですか?」

「…うるせぇ!行くぞ!」

「言うこと全部聞くんじゃなかったんでしたっけ…ちょっと待って、前方に奴らが」

「なに!?なんも見えねえぞ」


勝負を無かったことにして歩み出そうとしたところ78に制止されるが俺には、何も見えない。

「…ホントにいるのか?」

「キてますよ、気をつけて」


緊張を振り払いただ目を凝らして観察する、しばらくそうしているとようやく俺にも対峙するGの集団が見えた、そう集団である。

「嘘だろ…!4匹もいやがる!一旦引くか!?」

「まさか、向こうから火に入ってくれたんで、逃がしませんよ」

「ちょっと待てよ!…クソ!」


78が一気に駆けだす、俺も追いかけるがあまりに速いので出遅れてしまった、クソ虫集団が一気に飛翔するGと化して彼女に襲いかかるが、それを身軽に躱してすれ違い、さらには最後尾を飛んでいたGを蹴りつけ、壁に押し付けて潰した、3びきのGが着地して78に向かい直すが、俺はようやく追いつき奴らの背後に殺虫剤を噴射する、3匹のうち1匹が十分な量の薬剤を吸い込み即死した、残りの2匹がまずは弱い方からと判断したのか俺に向かって飛び上がる、1匹ならともかく2匹は厳しい、俺は即座に判断を下した、もし奴らの攻撃を避けられなかったらこの殺虫剤の容器を破壊して飛散させて自分ごと…


「よっ!…と、気をつけてくださいよ!」

78立っていた場所からここまで目にも止まらない動きで瞬時に移動し、蹴りで1匹を弾き飛ばす。

「…!そうするぜ!」


飛んでくる1匹に集中して動きを見極め、飛びかかりを避けて殺虫剤を浴びせる。

「やったぞ!」

「いいですねーそれ、便利で」

78が俺に向けて手を出してくる、俺が殺虫剤を渡すと弾き飛ばされていった方のゴキブリをに向かって歩いていった、そいつが78に飛びかかるも彼女はひょいと避けて殺虫剤をかけて処理した。


「4匹始末したぞ!」

「ご苦労様でした25、清掃隊を向かわせます、あなたは帰還してください」

「お疲れ様でした、助かりましたよ」

そう言って78は歩き出した。

「おい、78!お前はどこに行くんだ!?そっちは宿舎じゃないだろ」

「まだ任務があるので」

「任務なら俺だってまだある、俺も行くぞ」

「…危険ですよ?」

「そうです25!あなたを対象にされた任務ではありません!」

「うるせえ」

耳に着いた端末を床に捨て、踏み潰す。


「どんな任務だ?」

「なんで一緒に来たいんですか?」

78は汚れた靴を脱ぎ、それを捨てながら聞いた、どこからか替えの靴を取り出している。

「地下の管理のためにできることはなんだってやる、それだけだ、さっさと内容を教えろ…とは言っても察しはついてるがな、ゴキブリの侵入経路の調査…だろ?」

「そうです、本来ならゴキブリ1匹通れないほど地下と地上は分断されている、それに穴が空いたということは、おそらくゼノ・テラリストの破壊工作の可能性が高い、ゴキブリ退治とはわけが違いますよ」


ゼノ・テラリスト、宇宙から訪れ突如人類を襲った敵性生物の総称だ、奴らがもたらした被害を列挙すればキリが無いが、あえて言うなら奴らは地球に1億2345万6789体のゴキブリを放った、それらは地球の在来種とはスケールの違う種であり1匹居れば大陸から生命を消し去るほどの脅威だった、それらが暴れ回った結果非常に効率的に地上からは有機物が消失したのだ。


「相手が誰だろうと関係ない、行くぞ」

「まァ行きますか」

今まで以上に周囲に注意を払い78が提示したゼノ・テラリストが手引きしたと思われる異常の発生した地区を目指して歩


チッチッチッチッ


「…なんの音だ?」

「こっちからです」

78が聞き分けたらしくずんずんと進んでいく、彼女が部屋に踏み込み、2人で音の発生源を確認する、そこには天井に破壊されて空けられたらしい穴、そして床には異彩を放つ小型の奇妙な機械、規則的に音を鳴らしている。


「これは地球破壊爆弾…!」

「なに!?説明しろ78!それはなんだ!」

「220000000000000000000000000000000ジュールの威力を持つ時限爆弾です、しかもあと45秒しか残っていない!」

「なんだと!?あぁ終わった、45秒で何が出来るって話だよな、君のことでも考えるとするか、さらば84、お前は俺の目標だった…」

「『ザイオンランサー』地球破壊爆弾が…無理?諦めるしかない?そこをなんとか…あと25秒しかないんですよ、あほんとに無理?はあい…」

なんてサクッとあきらめるAIだろうか、人類の命運がかかっているというのに、これも異常性を個性と濁した罰か、あるいは多様性という魔法の代償か、あ~あ終わった。

「zzz…」

「寝ないでください!25、アナタは完全性がありますか!?」

「うぉっ!?完全性?俺は無い…というかそれは実在するのか?一体それはなんなんだ」

完全性、俺よりはるか上の番号の管理者に付与されているという噂がまことしやかに囁かれている能力だ、その詳細は俺には知らされていない。

「ということは無いんですね…私には2%の完全性が付与されています、完全性は説明するなら『なんでも上手くいく運命』とでも言えばいいのでしょうか、その力が上手く働けばこの爆弾を止められるかもしれません」

2%、世界の命運をかけるにはあまりに低すぎる確率だ、異常性を個性と濁した罰か、あるいは多様性という魔法の代償か、俺たちは運否天賦にかけるしかない。

「確率は50分の1…やっちまえ78!当たって砕けろだ!」

「アナタに1%でもあれば合わせて3%だったんですけど…あぁぁあなんとかなれ…!」


チッチッチッチッチッチッチッチッ

爆弾の爆発までの残り時間はもう10秒も残されていない、78は急いで爆弾の分解に取り掛かった、ゼノ・テラリストの破壊兵器に対処する方法なんか人類にあるわけない、見るからに適当な運任せだ。

「これは………こう?」

「頼む…!?」

78は無難な手順を諦める観念したように正体不明の配線に手をかける、それが完全性の発露なのか、カノジョは奇妙なプレッシャーを放つ。

「止まれ!!」


78が気合十分に配線を引きちぎった次の瞬間に世界を吹き飛ばせるエネルギーが爆弾から放たれた、大爆発なんて言葉じゃあまりに生ぬるい。

はるか上空の宇宙すら照らす天文学的光量が放たれた。強烈な空気の振動とともに発生するはずの音は座標の乱れによって誰の耳にも届くことはなく星をさまよう、物質を構成する最小単位の結び付きが解かれエネルギーに変換される、そこから放たれる熱量は俺たちじゃ認識できない速度で付近の気体の超臨界点を突破させてプラズマ化させた。










【目が覚めるとそこは…】


「…!?…ここはどこだ」

真っ暗闇、と言うよりは体を動かせない程狭い場所に横たわっている、自由が効かない閉塞的な空間だ。


「棺桶…?クソ!動けねえ!おい!誰かいるか!?」

「はいはい、いますとも」

78の声が聞こえる、くぐもっていて俺を囲んでいる()()の外から聞こえるようだ。


「俺はどうなってるんだ!?」

「私たちが爆弾を爆発させた時、それが放ったエネルギーで私たちは気絶してしまったんですが、結果から見るとどうやら上方にだけ放たれた爆風が天井に大穴を開けました、それゆえ地上に繋がる穴が空いた結果…空から蛇みたいな生き物が降ってきたんですよ、それがあなたに被さっています、幸い今は眠っているようですが」

「長ぇって!3行で!」

「天井にでっかい穴空いた

そこからキモい蛇が落ちてきた

あなたに乗っかって寝ている」


78によると体を圧迫しているのは蛇らしい、相当な巨体じゃないか?試しに力を込めて動かそうとして見るが、そいつの重さや体を動かせる範囲の狭さ等から上手く行かない。


「おい!そっちで何とかできるか?」

「そう言うと思って、こいつの頭に爆弾をしかけました、これでまあ起きるでしょう」

「名案じゃねえか!頼」ピピピピ


どうやらこの女、俺の意見を一切求めていないらしい、返事を待たずにカウントがなり始めた、やめろと言ったらどうしていたんだろうか、直前に同じような音で爆発した凄まじいエネルギーの爆弾を知っているため少し落ち着かな“ボコン"思ったより早く爆発した、それと同時に俺の上で巨体が押しのけられ動けるようになる。


「助かっ…なんだこのバケモン!」

「キモイんですよねぇ」

頭が8つある巨大な蛇がそのうちの一つを粉々にされ怒り狂っている、それぞれの頭から空気の漏れ出す威嚇音が聞こえて不快感に顔を顰めてしまう。


「我が睡眠を邪魔するとはなんと無礼な連中だ!」「お前たちが何をしたのか分かっているのか!?1本の頭が生えるのに50年かかるんだぞ!イライラして1本食べた時は大変だった!」「頭1本分の仇!それぞれの頭で1回ずつ噛み裂いて八つ裂きにしてくれるわ!」「よく見たら我らが同胞をその容器に閉じ込めているのか!?許せん!」「我が顕現せし時人々は大地を離れた決断を後悔した!我こそは悪魔の生物!」「吾が手が貴様らの骨を砕く時に後悔するがいい!」「うおおおおおおおおおおおおおお!」


人は物事が分からなければ行動を起こせないが、逆に分かりすぎても行動を起こせなくなる、全て分かる、情報がいつまでたっても完結しない、そう、これが無量空処、7つの頭で同時に話すのは普通に辞めて欲しい。


「頭に爆弾をしかけたって頭一つかよ!頭8個あるんだから8つ仕掛けろよ!」

「そんな持ってきてませんて……よっと」

蛇の尻尾の殴打を飛び退いて躱す78、俺もそれについて行くように距離をとる。


「ちょこまか動きおって!」「もがいても絶望、苦しい時間が増えるだけだぞ」「立ち向かう勇気も無いか、もう後悔してもおそ」


「いっぺんに喋るのやめろよ!ていうかこういうのって頭ごとにひとつひとつキャラとか立ってるもんじゃないのかよ!」

没個性な頭の集団は一瞬動きを止め、そして一匹が恐る恐る口を開く。

「……なんで寝起きドッキリなんてしたんですよ!?」

「変なキャラですね…え、それ私の真似じゃないですよね?ぶっ飛ばしますよ?」


冗談のようなやりとりの裏でも殺気のこもった読み合いは続いている、蛇がジリジリとこちらとの距離を詰めてくるが俺たちは引かない、じっくりとタイミングを見極め、確実に可能だと確信したタイミングで切り札を切る。


「喰らえ!」

殺虫剤を容器ごと蛇に投げつける、78がそれを空中で蹴り砕き、中身の薬剤が蛇に向かって襲いかかった。

「ナイスアシスト!」


「うぐぐっ!なんと忌まわしい!」「一体これはなんなんだ!」「……なんともないぞ!」「お前たち何がしたいんですよ!」「これで終わりか?」「次はこちらの番だ」「くらえい!」


「嘘だろ!?なんで効かない!」

殺虫剤、『極極・慈越冬(ゴキジェット)』はゴキブリに対して効果の高い薬剤だがその殺傷性自体は働く相手を選ばない、唯一空気より重いために巨大な相手に多くの量を吸わせるのは難しい弱点はあるが、78が勢いよく蹴り上げたために慣性を乗せて確実に蛇に吸い込まれたそれは、理論通りならやつの内臓を全てたこ焼きに変化させて殺すはずなのだが……


「まずい!アナタは逃げて!」

「なっ!」

78が考え事をしている俺を突き飛ばす、次の瞬間には彼女が7本の蛇の頭に襲われていた。


(まずい!俺がボサっとしてたから!)

次々に飛びかかってくる蛇の頭を彼女は躱そうとしない、後ろの俺に当たるのを防ぐためだ、だがいなし続けるのは不可能だ、蛇の巨体が持つ質量に押しつぶされるように動きが制限されてあっという間に噛みつかれてしまう。


「ぐ!痛ったァ!」

「くくく、捕まえたぞ、噛み砕いてやる!」


「やめろ!」

何も出来ない、俺は無力だ、蛇が78を複数の頭で取り囲んでいき、中で何が起きているのか分からなくなる、それが閉じるまでの一瞬の間に78が叫ぶ声が聞こえた。

「考えろ!」


考える?何を?もう手札は何も無い、俺に出来ることなんて何も……

いや、78が意味の無いことをするはずがない、限られた時間でわざわざ俺に伝えたこと、考えればなにかできるはずなんだ、考えろ考えろ考えろ。


「……そうか!分かったぞ!」

「何が分かった?」「お前はもう死ぬしかない」「中の女が暴れているぞ」「無駄抵抗ですか!」「一息に潰すか!?」「あえて餓死するまで待つのも面白い」「バラバラにしたお前を見せれば大人しくなるか?」


「ふん!そんなヤワじゃねえよ!管理人はな!おい『亜ー巣慈ェッ都』!聞こえてるか!?」


俺は今回の俺の任務を担当しているAIに通信を送る、この状況を打破するためには奴らの力を借りる必要がある、個人的な意見でしのごの言っている場合では、無いのだ。


「私に出来ることはありませんよ、そのクリーチャーを討伐するのに必要なレベルの兵器を短時間で用意する方法はありません」

「大それたもんは要らねえ!槍を持ってこい!白樺で出来たやつだ!」

「了解しました」


疑問を挟むことなく即座に了承され、たった数瞬後に後方から高速で飛来する物体、それが俺のすぐ横に飛んできて、俺はそれを掴み取る。


「さあ軟体動物!!覚悟しやがれ!」

「それでどうする気だ!」「気でも狂ったか?」「お前の肉体ではどう頑張っても無理だ」「せいぜい一刺しできるくらいだろう」


「たった一刺しで殺してやるよ!こっちは頭使える人間様だからなぁ!」

敵に向かって突進する、奴の首が2本襲い来る、1本を躱すが、もう1本には組み付かれてしまう。

「くっ!オラァぁああァァァァ!!」


だが必死で押し退け前進する、俺だって普通の人間じゃないんだ、遺伝子単位でデザインされた筋組織は一般人を凌駕する膂力を持つ。

押し負けそうになったやつが78を拘束していた頭を次々こちらに向けるが、その瞬間に飛び出した78がやつの体を支える胴を崩す、そこに俺は白樺の槍を突き刺し、奴の体を抉り取る。

「喰らえぇぇぇぇ!」


「な!なんだ!何をした!?」「分からん!分からねば!」「力が抜けていく!?」「お前!何をしたんですよ!?」「うぐおおおあお」「おおおお!」「あ」


閉じ込められていた78が脱出する、相当強い力で締め付けられていたはずが傷1つ無い、頑丈なやつだ。

「気づいていなかったようですね、自分の体の中身がたこ焼きになっていたことに」

「無理もねえよ、だって()()()()なんだから、だろ?」


「くっ!?それは!」「よく気づいたですか!」「う」「あ」「い」「あ」「あ」

奴は頭が8つある蛇だと思っていた、だが実際には8の名を関する生物、オクトパスだったわけだ、だから内臓がたこ焼きになっても即死はしなかった、だが。


「タコ、抜かせてもらったぜ」

高々と掲げた槍、いや、デカ爪楊枝に突き刺さったタコの1部、つまり今のやつの内臓はタコ抜きたこ焼き、()()()()()になったんだ、内臓が焼きになっては生き物は生存できない。


「バカなー!!!!」「なー!」「なですー!」「なー!」「なー!」「なー!」「なー!」

タコは巨大な音を立てて崩れ落ちた、俺たちの勝ちだ。


「やったぞ……!」

「よく気づきましたね、奴の正体に」

「あぁ、記憶を掘り返してな、奴が殺虫剤の中に仲間が閉じ込められてるって言ったのを思い出してな、それで分かったんだ」

殺虫剤の中には当然たこ焼き成分が含まれている、それをやつは察知したんだろう、よく考えて見返すとタコっぽいことばっかいっている。

「ふふ、さあ帰りましょうか」

78が踵を返すとそこに1人の女が立ちはだかった、あまりに完璧に気配を消していたもので俺たちはいつそいつが現れたのかも気づかなかった。


「そうはいかない」

「えぇと、どなたでしょうか?ここは関係者以外立ち入り禁止で」

「大丈夫だ78、そいつは84番の管理人だ、なぁ84、任務は完了した、見てたか?俺たちの活躍を」

「見ていた、全部」

「すげぇだろ!でもまあこの穴は塞がなきゃな、それからこの怪物も処理して……やることいっぱいだな!」


2人は返事しない、心無しか78の表情が強ばっている、なぜだ?問題は解決したのに。

「……それもこれも78が完全性を発揮できなかったからだぜ!2%って!ケチ過ぎんだろ!……あ〜、面白くねえか、一旦……なぁなんだお前ら、黙りこくっ」


「任務を忘れた?25」

「え?あぁ!安心しろって!ずっと見てたけどなんもなかったよ!」

実は俺は今回のゴキブリ退治にかこつけてもうひとつの任務を任されていた、最近78という管理人が行き先を告げずに外出することがあるのだと、位置情報も上手く秘匿してこっそりと、管理人にもプライバシーはあるとはいえいくらなんでも頻度が多いということで警戒しなければならない、ということで俺は78の監視任務に付いていた、とはいえ。


「大丈夫だって!ずっと見てたけどこいつなんもなかったよ!」

「完全性は作用していた」


84が淡々と告げる事実は信じ難いもので、俺はそれを事実として受け入れるのを恐れているのを自分でも感じてしまった。

「どういう事だ?爆弾は爆発したぞ?」

「78の狙い通りに爆発した」

「なんの事でしょうか?爆弾が爆発して死にかけるために完全性を使ったとでも?」


「そうだぜ!生き残る確率たった2%に賭けるなんてやるわけねえ……ていうかなんのために!?」

「完全性は安全に地上への穴を開けるための爆弾を見つけることに使われた、あの爆弾は最初から地下を滅ぼすようなものじゃなかった」

「いやいや、そんな便利な能力なのか?完全性ってのは」

「そう、それで地上に出た」


「いやいや出てねえって!78は地上にはでてねえ!」

「君が気絶していた間、彼女が何をしていたのかを…誰も見ていないんじゃない?」

俺が気絶している間……?彼女は俺がタコに攻撃されそうになった時に突き飛ばして回避させる瞬発力を持っている、空から降ってきたタコが俺の上に落ちるのをただ見ていたわけが無い、彼女は俺より先に目を覚まして地上に出たのか?そしてここに戻ってきてタコに覆いかぶさられた俺を見つけた……


「ふっ、バレてしまっては仕方ないですね」

「おい冗談はやめろって!そんなことやってねえよな!」

「やりました、それもこれも私の野望のため…」


冗談だと言ってくれよ、地上への穴を開けることが目的?それで何をしようと?人類を裏切ったのか?ゼノ・テラリストのスパイとして?


「もふもふ王国建設のためのね!」

「「え?」」


「見てください!虎を見つけたんですよ!本物ですよ!地下にはこういった生き物は生息していませんからね!」


のそのそと部屋の隅から虎がでてきた、体についた傷は歴戦の証と言ったところだろうか?だがなにやら申し訳なさそうな顔をしている。


「……てめぇ!何考えてんだ!そんな猛獣返してこい!」

「大丈夫ですよ、躾けたので」


よく見ると78の拳でぶん殴られた跡だった、シンプル暴力……


「そんな問題じゃねえぞ!!こんな……地下への裏切り行為は…どう考えてもまずいだろ!処分されるんだぞ!」

「その通り、3徹パーフェクトプラネットの刑」

「いやどう考えても死刑だろ、お前何言ってんだ」

「ふっ、バレてしまったからには仕方ありません、84、あなたの事をボコボコにして私は地上でもふもふ帝国を建設しますよ」


「やめろよ地上ってそんな住みやすい場所じゃねえだろ…ていうか84をボコボコにするのは無理だって、番号が上なんだから」


「えぇ、しかし2対1ならどうでしょうね」

「何言ってるの?25が裏切り者の味方をする訳ない」

そうだ、する訳…

「……いや」

俺は少し考えて結論を出した。

「するぜ」


「……なんで?」

「なんで、だと?良いかよく聞け!お前最近ちょっとたるみすぎなんだよ!いいか?昔のお前ならこいつの裏切り行為なんか絶対に許さなかったぞ!なんだ三徹パーフェクトプラネットの刑って、お前ゲームしたいだけだろ……お前ゲームしたいだけだな!こいつと!ふざけんじゃねえぞ!」


「…ゲームはしたい」

「すんなとは言わねえが…いや言う!すんな!昔のお前はそういうのやらなかっただろ!そういうお前の姿を見習って俺は日々の管理者としての姿勢をだな!」


「落ち着こう、それがなんで私と戦うことに繋がるの?」

そう、そこだ。

「これは問題提起だ、今の地下の体勢の脆弱性を指摘する、行動でな」

地下の管理が甘くなっているのは危機的な問題が起きないからだ、俺がそれになる。


「そういうことなんで、痛い目見てもらいますよ!」

俺たち2人は84に突進する!


「うおおおおおおおおおおおお!」

「てやあぁあああ!」

「えいっ」

2人ともワンパンされた。


「二人ともパープラ96時間ずつね」

最悪だ。

一旦おわり

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