致命の一矢を射掛ける私は
誰が喋ってるのか分からん問題と、俺は戦わなくちゃならないんだ
皆それぞれのグループになって村があった場所を離れていく。
カジヤとイシャがこちらに寄ってくる、少し前までこの4人でよく居たものだ、嬉しすぎる再開にグッとくるものがあるはずのシーンだが衝撃が脳を揺らしたせいでちょっと何も受け入れられてない。
「んじゃどーしよーか、村無いなったしな、一瞬で」
「カジヤお前そんな……適応力高すぎないか?俺は正直お前が戻ってきてくれただけでもいっぱいいっぱいなんだけど」
「とはいえこうしていられないのも事実だ、1番近くの安全エリアに行こう、このままではモンスターに襲われるかもしれん」
イシャの言う通り、真夜中だが寝てたら死ぬので俺たちは4人で歩き始めることに……
「ねえ本気で言ってる!?1番近くの安全エリアって前線都市でしょ!?50kmあるし!歩いてけないよ!しかもその近くはモンスターまみれだよ!?ヤバくない!?」
「いやそうだな!よく考えたらそうだ!【パーフェクトプラネット】で1番モンスターが強い街だろ!?」
テンインが慌てたように言うので俺も思わず同調
ちなみに【パーフェクトプラネット】とはこのゲームの名前である、略してパープラ、最新鋭のAIによって管理された超話題作なのである。
「そりゃお前…何とかするしかねえよ」
「ならないって!訳わかんないサイクロプスにもぐもぐされて死んじゃうよ!?」
「お前は死んでも復活できるだろ」
「いやそれは出来ないから!!!!」
カジヤとテンインがなにやら言い合っているが俺はテンインの意図を汲み取った、つまり俺が1番こいつのことを分かっているって訳だ。
「てことはテンインは何かアイディアがあるって事か?」
「…ムラビトはなぜニヤついているんだ」
「うわほんとだキモ、めちゃくちゃニチャニチャしてんじゃん」
キモは酷くない?
「分かってるなあムラビト!その通りだよ!じゃ〜ん!馬車!これで行こ!!歩くよりだんっぜん速いしいざとなったらモンスターから逃げられる!」
「お〜!いいじゃん!こんなのあるなら先に言えよな〜!」
こうして俺たちはテンインが村に置いておいた馬車で【前線都市・バロラン】に向けて出発することになった。
見渡す限りの草原が続いている、ここの名前はコタル草原、比較的安全なルート、ということで選ばれた場所で見通しが非常に良く、モンスターに気づかず奇襲される、なんてことは起きえない、反面景色が変わらないので暇だが……そんなこと言うのは贅沢というものだろう
「そういやイシャに渡したいやつがあったんだよ!ほらなんか変な紙、魔法使うのにいるんだろ?」
俺は雷王が落とした宝箱に入っていた紙を渡す、なんか変な文字っぽいやつが書かれているだけの紙なのだが。
「ありがとう、これは…第3章だな」
「読めるのか?」
「そうだな、頑張って勉強した、読めなきゃ神聖魔法は使えないし仕事も出来ないからな」
最近のゲームは遊ぶために言語習得が求められるらしい、どうりで神聖魔法の使い手が少ないわけだ。
「それでこれには何が書いてあるんだ?」
「神が天から地上に裁きを下すために使う魔法の話だな、これがあれば『パニッシュメントアロー』が使えるようになる、ありがとうな」
「へ、ムラビトに物貰ってテレテレしやがって」
「してないだろう」
「ねームラビト私にはなんかないの〜!」
御者台の方からテンインが話しかけてくる。
「いや一緒に手に入れたヤツだろ…なんも無いよ」
イシャが取り出した本に紙を挟む、表紙が中二感あってかっこいいやつだ、神聖魔法を使うのに必要な本だろうか、羨まし〜俺もぶん殴るだけじゃなくてカジヤみたいにかっこいい剣とか欲しいのになあ、アイツ真っ白の剣持ってんだよ、超かっこいいやつ。
「ピィイィィィィイイィィィィィィイ!!!!」
突然金切り声が響く、前方から聞こえたようだ。
「うわ!超マズイ!」
「大丈夫かテンイン!?…いや鳥じゃん、おりゃ、かみなりパンチ」
謎の鳥が現れてテンインに絡んでいたので御者台に上がり雷を帯びたパンチで破壊する、威勢だけやたら派手だった鳥はべちゃりと地面に落ちた。
「あぁぁぁ!!!マジでまずい!?」
「えなに?焼き鳥食べたかった?」
後ろからカジヤとイシャの声が聞こえる。
「おおい!でっっけえ鳥が!?向かってきてんだけど!?」
「今度は一緒に死のう」
「死にたくねえ!いや違う!お前と一緒が嫌って意味じゃねえ!そんな顔すんな!」
「そんなでっけえの!?生きるのを諦めるほど!?」
「今倒したのってフィールドボスの【魔鳥コタル】の幼体だよ、これからやっばいのが来る…とにかく逃げないと!」
まじかよお……
【カジヤの装備】
『ど白ー刀』カジヤが最初に作った剣、めちゃくちゃ運良く有り得ないほどいい感じに作れたがど素人鍛冶屋の剣なのでたかがしれている、でもほんっとに上手く作れたので上達した今でもこれを超える攻撃力のものが作れてない
『寒い』鍛冶屋用の作務衣、暑い作業場を快適に過ごせるように冷たくなる神聖魔法をイシャにかけてもらった、外で着ると寒くなるが脱ぐとイシャがちょっと寂しそうな顔をするせいで脱げない。
【イシャの装備】
『創造の記録』手に入れた創造の記録の断片を解読して挟むと神聖魔法が使えるようになる、空っぽの物自体はそこらで売っている、本来表紙はただ真っ白なのだがカジヤが気を利かしてかっこよくしてくれた、正直他人に見せるのが恥ずかしいと思っている
『重白衣』ただの白衣と見せかけて裏に鉄装甲が仕込んである、カジヤ渾身の力作、ただし重い、おもはくいである、おもしろいわけじゃない、正直そんな機能いらないし脱ぎたいが脱ぐとカジヤが寂しそうな顔をするせいで脱げない
【神聖魔法】
『パニッシュメントアロー』光の矢を発射する、一定の神聖属性ダメージを与える
「光の矢は暗闇に隠れた影の住民を暴き出した」




