8月4日 本番
いつの間にか、野球のことを考えている。それが俺だった。今日は、全国大会の47チームの紹介を見ていた。今年の全国大会は、優勝候補が4チームと書かれていた。めくって2ページ目に優勝予想と書かれていた。
一つ目は、有秀高校。評価はSだ。このチームは、昨年の全国大会の優勝校。エースの松戸、中継ぎの宇川、4番の筒井中心にバランスがとれたチームになっていた。今年の有秀高校は、松戸から宇川へと繋いで勝利を目指すチーム。先発の松戸は、プロ注目の左腕。最速152kmのストレートとスライダーで豪快に三振を奪っていく。中継ぎの宇川も最速150kmのストレートと落差が鋭いフォークを武器に相手打線を翻弄する。そんな最強の投手陣に加えて、プロ注目の4番である筒井を中心とした打撃陣で大量得点を取っていく。大阪予選では、6試合全てホームランを放つ偉業を達成したのだっあ。
二つ目は、群馬北高校。ここは、プロ注目の中川で勝ち進んできたチーム。そのため、B評価と低めだった。それでも、ひょっとしたらということがあればという意見なんだろう。この大会での結果次第で、ドラフト1位も見えてくると中川は、言われていた。おそらく、全国大会でも、相手チームのバッターを三振の山を築くに違いない。最速149kmを誇る最強右腕は、全国大会でどんなピッチングを見せてくれるだろうか。俺は、松戸以上にこの中川に期待していた。
三つ目は、學学園高校。ここは、船曳がいる高校だ。バランス型ということもありA評価。まさか、優勝候補にあげられているとは。投打ともに抜きん出た選手はいないが、どんなチームに対しても苦手意識がない。俺は、船曳が背番号11であることをこの雑誌で初めてわかった。本人は、スタメンか代走のどちらかでは試合に出るんじゃないかと宣言していた。チームが勝つためには、何でもすると言っている船曳は、とてもカッコよかった。俺だったら、とてもじゃないけど言えないだろうな。
四つ目は、道和高校。ここもA評価だった。俺たちの長野県代表だった。3番ショートの八乙女がキャプテンでチームを引っ張ってきた。八乙女は、予選の6試合で25打数15安打。打点15。そのうちホームランが5本。6試合全ての試合でマルチ安打と安定感抜群だ。とくに打点も一人で15点を稼ぎ出す勝負強いバッター。道和高校は、長野の代表として出場するのだから、簡単には負けてほしくなかった。
この4チームは、それぞれ別のブロックだからこの中のどこかが優勝する可能性は高かった。