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日常で世界を変える(春風編)  作者: mei


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10月13日 海美高校vs聖徳高校(引退試合Ⅶ)

 なぜが、俺は佐藤を見るとふいに反応してしまうようになっていたのだ。やはり、この前の試合の影響だろうか?思わず自分を疑いたくなってしまう。もし、これからアイツと話す機会があれば話してみようかな。


 ー10月7日ー


 どうやら、キッカーは一ノ瀬ではなく佐藤のようだ。話し合いで何が行われていたのかはわからないが、何かあったんだろうな。気がつけば、グラウンドは静寂さで包まれていた。さっきまで、声を出して鼓舞していた両校の選手たちは、黙っている。かなりの緊張感が高まっているようだった。聖徳高校のゴールキーパーは、川上という選手だ。キーパーの位置に立つ川上の顔には、覚悟が刻まれているようだった。たしかに、ここで1点を取れば再び流れが変わる。もっていけるな。すると、キックのアイズである笛の音が鳴り響いたのだった。佐藤は、ペナルティマークにボールを置き、ゆっくりと下がっていく。もう10月というのに、佐藤の額からは汗が滲み出ていた。

 聖徳高校ゴールキーパーの川上は、仁王立ちで真っ直ぐ佐藤を見ている。佐藤が下がりだすにかけて、 その眼光は鋭くなっていく。キッカーの佐藤も、獲物を狙う動物のような鋭い目線。おそらく、PKなんて練習で何千回、何万回とこれまでのサッカー人生で繰り返したルーティンのことだろう。それがどれだけ難しいことなのだろうか?勢いよく佐藤は走りだした。


 新田「決まったな」


 え?新田は、佐藤がボールを蹴る前に確信したようだった。新田の声とともにボールが当たる音がする。聖徳高校ゴールキーパーの川上は、ボールが飛んでいく方向に動き出す。なぜ、ゴールを確信できたのかわからない。しかし、ボールは明らかに川上が届かない位置に飛んでいる。それに加えて、ゴールネットの枠内だ。ゴールネットが揺れた瞬間、1点目が入った時と同じような大きな声が響きわたったのだった。ゴールを決めた佐藤は、みんなから祝福され頭を叩かれていた。そういえば、佐藤って何組なんだろうか?


 俺 「佐藤って知り合いか?」

 新田「いや、俺はあんまりだな」

 俺 「なんか、アイツオーラあるよな」

 新田「そうなんだよな。なんか、アイツ凄いんだよ」


 今まで、佐藤という名前は聞いたことがあったが、直接関わったことはなかった。どれだけ、佐藤が凄いのかわからなかったからだ。ただ、今のPKを見て確信した。コイツは、只者じゃないと。

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