9月20日 ケンカ
放課後の教室。本来だったら野球の練習に行っているはずが、まさかこうなるとはな。昨日、リレーの順番決めをサボっていた俺は、今日になってその影響を受けていた。まじで、ダルい。
一ノ瀬「お前、来るの遅いんだよ」
俺 「うるせぇよ」
一ノ瀬「は?お前ケンカうってんのか?」
俺 「うってねぇーわ」
早くも俺たちの雰囲気は悪くなっていた。
川村 「やめとけ、早く順番決めるぞ」
高橋 「そうだな」
俺たち二人と違って、川村と高橋はとてと落ち着いていた。
俺 「誰が、最初いく?」
川村 「スタートダッシュは重要だからな」
高橋 「俺がいこうか?」
一ノ瀬「いや、春風の方がいい」
急に呼ばれて俺は、驚いてしまった。
俺 「は?勝手に決めんな。俺は、アンカーがいいんだよ」
相変わらず、コイツはマジでムカつく。
一ノ瀬「アンカーは俺だ。お前は最初を走れ」
俺 「なんで、お前に指図されないといけないんだよ」
本当にイラッときてしまう。
一ノ瀬「は?お前足遅いだろ」
納得いかない。
川村 「やめろって、お前ら。どんだけケンカ好きなんだよ」
俺 「うるせぇよ」
すると、前に高橋が出てきた。
高橋 「そんなに嫌なら、走って勝った奴が順番決めたらいいんじゃない?」
川村 「いいね。それにしようよ」
たしかに、それなら文句なしだ。
高橋 「それでいいでしょ?春風?」
俺 「ああ。わかった」
ここで、白黒ハッキリつけるしかない。
川村 「一ノ瀬もいいだろ?」
一ノ瀬「‥‥」
即答しない。何かあるのか?
一ノ瀬「わかったよ、それでいい」
俺 「ちゃんと、来いよ。お前」
鬼の目で俺の方を見てきた。
一ノ瀬「当たり前だろ?バカか」
俺 「勝手にしろ」
だんだん、コイツとやりあうのがバカらしくなってきていた。
一ノ瀬「お前、次来なかったらメンバーから外すからな」
俺 「いいね。俺が勝ったら、お前をメンバーから外してやるよ」
言い返してしまった。
川村 「だから、ここで争うなって」
一ノ瀬「うるせぇ」
もう俺たちは完全に睨み合っていた。
俺 「じゃあ、俺帰るから」
一ノ瀬「さっさと帰れ」
俺は、一刻も早くこの状況から出ていきたかった。




