表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/75

9月16日 仲間に感謝し続けること

 このままでいいのか。それは、わからない。一人じゃ何もできないことは高校の野球で学んだ。だからこそ、ここでは一緒にいる野球のメンバーと仲良くしないとな。


 俺 「何をしている?」

 湯浅「これは、お前に投げる球だよ」


 湯浅の手にはボールとタオルが。そして、その横には、何十球あるかわからないボールがカゴの中に入っていた。おそらくカゴの中にある全てのボールを拭いていたんだろうな。


 俺 「わざわざ磨いてるの?」

 湯浅「ああ。お前に滑って当てたら悪いからな」


 これからも湯浅には投げてもらうけど、当たったことなんて考えたことすらなかった。


 俺 「なんでそんなことできるんだよ?」

 湯浅「なんでって言われてもな。やらなきゃ困るだろ?」

 俺 「そうか?」


 自分が困っていると言うのか?それとも、やらなきゃ自分が嫌いなのか。


 湯浅「ああ。気持ちよく野球したいからな」

 俺 「俺にはない考えだな」


 驚いていた。けど、湯浅から打つには今の実力を上げなければならない。


 湯浅「俺もそうだぜ」

 俺 「何が?」


 何を言いたいのか。


 湯浅「野球してる時以外、あんまり離さないもんな」

 俺 「そうなの?」


 意外だ。


 湯浅「そう。全然友だちもいなくてな」

 俺 「俺もいないよ」


 友だちなんて、いてもいなくてもな。


 湯浅「ホントか?怪しいな」

 俺 「そんなことないよ」


 冷静だった。


 湯浅「俺は、野球しかしてこなかったから負けたくないんだよ。他の奴には」


 他の奴って誰だよ。ていうか、コイツって、、、。


 俺 「でも、お前彼女いるんじゃないの?」

 湯浅「ああ。いるよ」


 いるのか、コイツは。


 俺 「じゃあ、友だちもいるだろ」

 湯浅「彼女は、中学生からだよ」

 俺 「中学生からなんだ」

 湯浅「そうそう」


 中学生と高校でそんなに違うのか。


 俺 「なんていう名前?」

 湯浅「名前言ったら驚くから、言わないよ」

 俺 「誰だよ?」


 言ったら驚くってことは、有名人。そんなやついるこか?俺は、いろいろ考えてしまう。


 湯浅「さぁな。俺たちは、別々の高校だし」

 俺 「言ったらわかるってことは、別々の高校でもわかるってことか?」


 よくわからないけど、負けたくなかった。仲間に感謝し続けることの重要さを、明日から理解しないといけない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ