9月16日 仲間に感謝し続けること
このままでいいのか。それは、わからない。一人じゃ何もできないことは高校の野球で学んだ。だからこそ、ここでは一緒にいる野球のメンバーと仲良くしないとな。
俺 「何をしている?」
湯浅「これは、お前に投げる球だよ」
湯浅の手にはボールとタオルが。そして、その横には、何十球あるかわからないボールがカゴの中に入っていた。おそらくカゴの中にある全てのボールを拭いていたんだろうな。
俺 「わざわざ磨いてるの?」
湯浅「ああ。お前に滑って当てたら悪いからな」
これからも湯浅には投げてもらうけど、当たったことなんて考えたことすらなかった。
俺 「なんでそんなことできるんだよ?」
湯浅「なんでって言われてもな。やらなきゃ困るだろ?」
俺 「そうか?」
自分が困っていると言うのか?それとも、やらなきゃ自分が嫌いなのか。
湯浅「ああ。気持ちよく野球したいからな」
俺 「俺にはない考えだな」
驚いていた。けど、湯浅から打つには今の実力を上げなければならない。
湯浅「俺もそうだぜ」
俺 「何が?」
何を言いたいのか。
湯浅「野球してる時以外、あんまり離さないもんな」
俺 「そうなの?」
意外だ。
湯浅「そう。全然友だちもいなくてな」
俺 「俺もいないよ」
友だちなんて、いてもいなくてもな。
湯浅「ホントか?怪しいな」
俺 「そんなことないよ」
冷静だった。
湯浅「俺は、野球しかしてこなかったから負けたくないんだよ。他の奴には」
他の奴って誰だよ。ていうか、コイツって、、、。
俺 「でも、お前彼女いるんじゃないの?」
湯浅「ああ。いるよ」
いるのか、コイツは。
俺 「じゃあ、友だちもいるだろ」
湯浅「彼女は、中学生からだよ」
俺 「中学生からなんだ」
湯浅「そうそう」
中学生と高校でそんなに違うのか。
俺 「なんていう名前?」
湯浅「名前言ったら驚くから、言わないよ」
俺 「誰だよ?」
言ったら驚くってことは、有名人。そんなやついるこか?俺は、いろいろ考えてしまう。
湯浅「さぁな。俺たちは、別々の高校だし」
俺 「言ったらわかるってことは、別々の高校でもわかるってことか?」
よくわからないけど、負けたくなかった。仲間に感謝し続けることの重要さを、明日から理解しないといけない。




