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9月12日 考えたことを試し続けること


 俺 「どうも」

 湯浅「あっ!はじめまして!湯浅です」  


 カバンを下ろして、ゆっくりお辞儀をした。


 俺 「はじめまして。春風っす」

 湯浅「もしかして、怪我ですか?」


 俺が怪我だということを理解しているみたいだ。


 俺 「ああ。今は、投げられないんだ」

 湯浅「そうなんですね」  


 まだ、敬語だった。


 俺 「だから、バッターとして頑張るよ」

 湯浅「なるほど」


 俺は、ピッチャーとして頑張る。けど、その道のりにバッターというものがあってもいいと考えていた。


 俺 「よかったら、投げてくれない?」

 湯浅「えっ?」  


 昨日考えたことをすぐさま伝えた。これは、野球ノートに書かれていた"考えたことを試し続けること"に該当するだろう。


 俺 「俺、打ちたいんだけどさすがに他のピッチャーにお願いすることできなくて」

 湯浅「ああ。いいね。してあげる」

 俺 「よし」


 さすがだ。コイツに頼んでよかった。


 湯浅「じゃあ、早速明日投げたるよ」

 俺 「打ちたいから、頼むよ」


 明日、投げてくれるなんて俺にはラッキーだった。


 湯浅「任せろ。ストレート中心に投げるわ」  

 俺 「変化球何がある?」


 コイツの変化球は、何となくしか知らない。


 湯浅「カーブ、スライダー、チェンジアップかな」

 俺 「もう一個変化球覚えたら、左バッターにやりやすいんじゃないかな」


 いつの間にかアドバイスをしている自分がいた。


 湯浅「そうかもな。どんな変化球がいい?」  

 俺 「今、流行りのツーシームとかカットボールはどうだ?」


 横に曲がるボール。そのボールがあれば、もう少し打ち取りやすくなるんじゃないかというのが俺の意見だった。


 湯浅「なるほどな。打ちとるにはいい球だな」

 俺 「ああ。お前も投げてみろよ」


 なぜか、偉そうにしていた。本来、そんなに偉そうにできる立場じゃないのに。


 湯浅「どんな握りか?」  

 俺 「えっーとな」


 ボールの縫い目を見してみた。


 湯浅「あー、これね」

 俺 「キャッチボールで試してみたらいいよ」

 湯浅「どれくらいの曲がり幅?」  


 ボールを持ちながらシャードピッチングをしてみた。


 俺 「うーん。俺は、手元で曲げたいから、あまり曲がり幅は狭いかな」

 湯浅「なるほど」


 まだ、ピッチャーとして湯浅は未完成な気がしていた。

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