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9月7日 意味

 今日は、朝から苦手な数学と英語の授業があった。そして、今は、古典の授業。相変わらず退屈な時間だった。今どき、古典の授業なんてやる意味あるのだろうか?AIだのチャットGTPだの言ってるくせして、昔のことをこんなに時間かけて。俺には、ぜんぜん理解できなかった。先生は、黒板に字を書き終え俺たちの方を向いた。何やら、黒板に書いてある文章の意味を説明している様子だった。俺にこの授業を聞く意味はない。そう思った俺は、教科書を机の上に置いた。

 先生が喋っている間、こっそり野球ノートを机の中から出した。監督からもらった野球ノートには、あまり練習メニューは書かれていなかった。よく見ると、5日間のみ。あとは、全て長い文章が書かれていたのだった。あんな長文読めないと思いながら、ノートを見返していた。全て、監督が考えた文章ではないみたいだが、本に書かれている文言も全て手書きだった。コピーすればとても速いのに、、、。そう思ってしまった。監督が書いた10ヶ条を思い出した。

 

 1.目標を立て続けること

 2.目標と現在地を把握し続けること

 3.目標に向かって努力し続けること

 4.目標達成に必要なものを考え続けること

 5.考えたことを試し続けること

 6.仲間を作り続けること

 7.自分を理解し続けること

 8.他者を受け入れ続けること

 9.仲間に感謝し続けること

 10.仲間に夢を見させ続けること


 10ヶ条全て語尾が「続けること」となっていた。おそらく、そこに監督の意図があるのだろう。現段階では、10ヶ条の一つも達成できてないけど、高校生を卒業するくらいまでには、一つは達成していたいと思っていた。けど、どれも俺に取っては高すぎる目標で簡単に達成できるものではなかった。8以降の目標は、俺がいくら努力しても、自分では何とかしようがないものがほとんどだった。

 先生が歩いて来た。めんどくせぇな。見えない様にさらっと、机の中にしまう。そして、先生が写す様に言われた黒板をノートに書くことにした。こんなもん、写したとしても勉強にならないのにな。筆箱からシャーペンと消しゴムを取り、テキトウに書き始めた。黒板に書いてあるのは、約4行くらいか。先生は、俺をチラリと見て、横に曲がっていく。巡回しながら、生徒がきちんと板書しているかを計っている様だった。こういう監視は好きじゃない。監督が過ぎ去ると、ふたたびシャーペンを開いたのだった。

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