表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/74

7月31日 イメージ

 野球が終わった俺は、これからどうするか悩むことになっていた。今日も、長野県予選の結果をスマホで見ている。現在、ベスト4までの4校が勝ち残っていた。道和高校、純新学園、白峰工業高校、淮南高校。淮南高校以外は、どこも甲子園出場経験があった。

 これまで応援していた聖徳高校は、淮南高校にやぶれ、その淮南高校が明日、白峰工業高校に挑もうとしていた。おそらく、白峰工業高校が勝つのだろうけど、ここまで来たら淮南高校を応援したくなる。明日の対決は、見に行こうと思っていた。

 そして、もう一つの試合が道和高校と純新学園。道和高校は、3番八乙女、4番黒木のプロ注目のバッター中心に打撃陣が好調だった。おそらく、こっちのブロックからは、道和高校が勝ち上がってくるだろうと考えていた。

 やっぱり、いつになっても野球のことしか考えられない自分がいた。さっきも、道和高校の黒木を自分だったらどうやって抑えるかを想像してしまう。怪我する前の自分だったら、4球で抑えれる自信があった。

 2球ほどストレートを真ん中からアウトコースに投げこむ。ここのコントロールはアバウトでいい。それよりも強く速い球を投げこむ。その球で、空振りかファールを取れれば。追いこんだ後は、カーブで外に外す。そして、ワンボールツーストライクとなった4球目に、インサイドにストレートで内野ゴロを打たすという算段だった。

 プロ注目のバッターだから、そう簡単に打ち取ることは難しいのだろうけど、自信がないわけではなかった。こうして、ピッチングのことを考えている時が一番楽しかった。どうやら、今日は、野球のことを考えてしまう。よくない。

 怪我をした後、言われた。手術して、完全復活したボールを投げるには、約1年かかると。当時は、後3ヶ月後に迫った大会があったのに、そんなことを受け入れれるはずがなかった。先生から突きつけられた現実が受け入れられず、今みたいになってしまったのだった。いつか、この現実を受け入れられたら前にも進める気がしていた。

 もし、大学で野球をするんだったら、完全なるリハビリが必要になる。その道を選ぶかもう野球はやらないか。ある意味、究極の選択だった。

 大学で野球をすることがどれだけ大変なことなのかはわからない。俺は、楽しみながら野球をするつもりはない。やるのであれば、誰よりも本気で野球に撃ちこみたかった。スマホを置き、立ち上がった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ