8月26日 夏休み
明日から二学期が始まる。太陽の輝きが煌めく青い空が窓から見える。俺は、憂鬱な気持ちを抱きながら机に向かっていた。夏休みの宿題を終えるには、果てしない道のりに感じた。勉強をしているうちに、俺の手は汗ばんできていた。俺の手の先にはプリントとノートが広がっている。俺は、図書館だと人が多いから、いつものように自宅で勉強することを選んだ。
最初の20分くらいは、集中することができていたが、だんだん切れてしまったのだ。窓の外からは、とても楽しい声が聞こえている。何かしているのだろうか?俺は、手を止め窓を開けて覗き込んだ。そこには、太陽に誘われるように子供たちが外で遊んでいたのだった。とても楽しそうだ。テーブルの上には、ガスコンロやお肉、野菜などが置かれていた。子どもの家族であろう人たちは、バーベキューの準備に追われているみたいだ。
俺は、再びシャーペンをとり、勉強をし始めた。思ったより終わらない宿題に対してどうしようかと迷っていた。何か聞こえる。どこかで音が鳴っているのだろうか?俺は、辺りを見渡した。あっ、、、、。それがスマホであることがわかった。スマホに手を伸ばして、タップすると電話が開始した。"もしもし"。声の主は、船曳だった。
俺 「なに?」
船曳「元気か?」
スピーカーに変えて、スマホを置いた。元気かどうかと言われたら、、、、。返答に困る質問だ。
俺 「元気じゃねえよ。宿題が終わらないんだよ」
船曳「いつから、学校?」
俺 「明日からだよ」
船曳「早いな」
どうやら、船曳の学校は、もう少し後みたいだ。そりゃあ、そうだろうな。先日まで野球をしていたんだから。
俺 「だから、忙しいんだよ」
船曳「まぁ、そう言うなよ。それより、明日時間あるか?」
俺 「放課後なら」
何を企んでいるんだろうか。コイツは。
船曳「お前、長野エフォーターズ行ったんだろ?」
俺 「ああ」
なんでバレてるんだよ。
船曳「もしよかったら、もう一回行こうぜ」
俺がもう行ってないことも知ってるのか?
俺 「監督には来るなって言われるんだよ」
船曳「俺が頼んでやるからよ」
俺 「お前、知り合いなのか?」
船曳「それは、秘密だよ」
笑い声が聞こえてきた。
俺 「なんだよ、それ」
船曳「明日、5時。グラウンドで待ってるわ」
俺 「おい」
次の瞬間、電話は切れてしまった。




