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8月25日 大会21日目

 午後14時が過ぎたところ。野球場のグラウンドには、10人ほどの男がたちながら動いていた。彼らは細身で少し痩せている人が多く、一生懸命に動く姿勢はまさにプロの整備士そのもののように感じた。ベンチにいた選手たちは、グローブを手に取ったり、バットを握りしめながらグラウンドを見つめながら眺めていた。選手たちの瞳には、情熱と野球への愛がたくさん宿っているように感じた。

 テレビのスポットライトは、群馬北高校の八乙女に当たっている様子だった。彼は手袋に力を込め、片手で地面を叩く。その辺りの土の粒々が宙を舞い選手たちと談笑している。おそらく、彼なりに何か考えてその仕草をしたんじゃないかと考えさせられた。彼が望むことと言えば優勝しかない。まるで優勝を祈るかのような仕草に見えて仕方がなかった。グラウンド整備の中心人物の男性は声を出し、次の道具を手に取るように指示を出した。それと同時に電光掲示板からは、前半のハイライトが映し出されていた。キレイな映像で選手や観客たちは、一斉に視線を向けた。

 俺は、お腹が空いたので横にあったチョコレートを食べることにした。野球をしている間は、こうした甘い食べ物はほとんど食べなかったなぁ。別に食事制限をしていたわけではないけど、甘いものを食べるくらいなら、もう少しボリュームが多くて塩辛いものが欲しいと思っていた。

 試合を見ていた解説者たちは、両チームの様子やこれからの展開を予想していた。どちらも言っていることは正しい様に感じたが、どこか納得にかける。そんなに試合を見ていないんだろうなと思っていた。一流の指導者だし、そんなに暇ではない。けど、解説しにくらいならもう少し勉強してこいよと勝手にツッコミを入れたくなっていた。そんな解説者には気にせず、これからの様子を考えていた。

 群馬北高校と有秀高校との一戦は、5回を終わって、0対0という展開だった。群馬北高校のエース中川は、5回までノーヒットピッチング。一方、有秀高校のピッチャー松戸も1安打のみ許す展開。ここから、どうなるかと見ている俺までドキドキしていた。群馬北高校は、エース中川がどこまで今のピッチングを維持できるか、打線の中心である八乙女と黒木にどう繋ぐかがポイントだ。有秀高校は、松戸から宇川にどのタイミングで継投するかによって試合が左右される気がする。グラウンド整備が終わり、いよいよ試合が再開される。試合の結末はいかに、、、、、、?

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