8月22日 大会18日目
大会18日目。大会も終盤に向かうとともに、夏休みも終わりを告げようとしていた。
ー8月20日ー
私 「いろいろあるんだよ」
中田「そうか?野球部辞めたの後悔してんのか?」
私 「多少は」
意外と触れるんだな。そういう話題に対して。
中田「らしくねぇな」
私 「そうか?」
中田「ああ。お前らしくねぇよ」
自分がどういう人間なんかなんてもうわからなかった。
私 「お前だって、俺が辞めた方がやりやすかっただろ
中田「それは、やりやすかったな。ハハハハ」
笑いながら、テレビを見つめた。
私 「‥‥‥」
俺は、何も言えずうつむいてしまった。
中田「でも、お前がいないと面白くないんだよ」
私 「なんだよ、それ」
中田「俺もさ、お前が抜けたあと、いろいろ部員も説得したんだけどな。やっぱ無理でな」
そうなんだ。そんなことがあったなんて知らなかった。
私 「そらそうだろう。俺も好き勝手やってきたし」
中田「そういう自覚はあるんだ」
私 「まぁな」
今さら、過去のことをふりかえっても何も変わらない。だったら、今を受け入れるしかない。
中田「もっと、尖っていけよ」
私 「ん?」
中田「トラブル起こすのがお前のいいところだろ?」
試合がもうすぐで終わりそうだ。
私 「は?」
何が言いたいのだろうか?
中田「俺は、お前が嫌だと思ったことはねぇよ」
私 「それは、褒められてるのか?」
中田「ああ。多少はな」
私 「ハハハハ」
中田の一言で俺は、救われた気持ちになった。
中田「今度、引退試合するんだ、顔出せよ」
引退試合かぁ。たしかに、毎年そんなことをしていた気がする。
私 「いいよ、俺は辞めた人間だし」
中田「いいのか?お前は?」
俺が行く場ではない。
私 「どういうことだよ?」
中田「なめられたまんまだぜ?」
そう言われてもな、、、、、、。
私 「‥‥‥」
試合も終わるし、俺は帰る準備をした。
中田「待ってるから、またバッテリー組もうぜ」
私 「気分がのったらな」
中田「来ること確定で組んどくからな」
素直にそう言ってもらえることは、嬉しかった。
私 「じゃあ、俺は行くわ」
中田「おう。また、学校でな」
私 「ああ」
中田「じゃあな」
俺は、中田を見ずに歩き出した。




