8月21日 大会17日目
俺は、昨日、中田と話していた内容を思い出しながらこれからどうしようかと迷っていた。
ー8月20日ー
中田は、平然と俺と話をしていた。コイツくらいだろうな。俺のこと気にしてないのは。
中田「負けてんな」
私 「ああ」
俺たちは、テレビに映る高校野球を見ながら話をしていた。
中田「どうした?」
私 「いや、なんでもないよ」
中田「久しぶりに会ったんだから、もっと喜べよ」
私 「なんでだよ」
いつものように、冗談混じりで話をしていた。
中田「お前には、もっと楽しみとかねぇのかよ」
私 「ねぇよ」
中田「相変わらずだな」
ニヤニヤしたか顔がムカつく。
私 「……」
一瞬、黙ってしまった。
中田「あっ、お前セレクション受けたんだろ?」
私 「なんで知ってんだ?」
なんで知ってるのか?
中田「噂だよ、噂」
私 「誰から聞いたんだよ」
中田「誰だろうな?ハハハハ」
少し伸びた髪の毛を触りながら、俺の方を向いた。
私 「なんだよ、それ」
中田「どうだったんだ、結果は?」
私 「受かったよ」
驚いた様子はなかった。
中田「じゃあ、入るのか?」
私 「それが、、、、、、」
中田「どうした?」
私 「受かったんだけど、監督との面接でな」
これ以上、言うか迷った。
中田「また、なんかやらかしたのか?ハハハハ」
私 「やらかしたわけじゃねぇけど」
中田「何があったんだ?」
私 「バッターでは無理だって言われてな」
気がつけば、口が開いていた。
中田「あー。ピッチャーの方がいいって言われたんだ」
私 「言われたっていうより、俺投げれないからな」
中田「たしかに、そうだな」
私 「だから、わざわざうちに来なくてもいいんじゃないかって言われてな」
あの日、俺は何かを感じていた。
中田「それは、大変だな」
私 「だから、どうしようかなって」
中田「なるほどね」
私 「そんな感じだよ」
一応、話すことは話した。
中田「で、どうするんだよ?」
私 「迷ってるよ」
中田「てっきり辞めるのかと思ったよ」
そうだ。自分でもそう思っていた。
私 「辞めてもいいんだけどな」
中田「なんだ?」
私 「なんかここで辞めたら、後悔するかなって思ってな」
今日の自分は、やけに素直だと思った。




