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8月20日 大会16日目

 俺は、テレビをつけながら、道和高校と群馬北高校の試合を見守っていた。複雑な気持ちだった。昨日、中田から連絡が来ていて、今日、17時から会うことになった。正直、野球部の中でも、一番中田に会うことが嫌だ。中田のことは嫌いじゃないけど、あの日以来、気まずくなっていた。あの時、余計なことを言わなければ、今みたいなことには、なっていなかったんだろうなと思ってしまう。

 試合は、1回表ツーアウトまできていた。そして、プロ注目の八乙女がバッターボックスに入った。バッターボックスに入るだけで迫力がある。ピッチャーマウンドには1年生の矢上が上がっていたが、なかなかストライクが入らない。これでノーツーか。ツーアウトとは言え、八乙女にビビってしまっている。ボール!!!。これでノースリーか。次の黒木との勝負になりそうだ。でも、黒木もパワーがあるからな。

 そんなことを考えた次の瞬間、打球はレフト方向へ飛んでいってしまった。あんな速い打球は見たことがない。これがプロレベルか。悠々とベースを回っていく八乙女の姿は、慣れている様子だ。打たれた矢上は、次の黒木にも二者連続のホームランを浴びてしまったのだ。そして、次の打者を打ち取りチェンジとなった。1回裏、群馬北高校の攻撃が始まった。

 道和高校の髙橋は、いきなり1番の牟田にレフト前ヒットを浴びてしまう。2番の山本が送りバントを決めたかと思ったら、そのボールを取り損ねて、ノーアウトランナー1.2塁で3番和泉が打席に入ることになってしまった。道和高校としては、かなり痛い。打席に入る和泉もプロ注目の選手だ。八乙女ほどパワーがあるわけではないが、綺麗な構えから、左右に打球を飛ばしていく。なんだか、打たれそうな気がしていた。おそらく、右側に打ってランナーを進めるバッティングをしてきそうだ。

 今日、中田と会う時間を再確認していた。17時かぁ。夕食時だから、あまり会いたくないな。そんな想いが勝手に先行していた。なぜ、会うのかはよくわかなかったが、断ることはできなかった。解説者のボリュームが一気に上がった。テレビを見ると、2塁ランナーと1塁ランナーが一気にホームベースへと返ってきて、バッターの和泉も一塁ベースで喜んでいたのだった。この試合は、どうなるかわからないな。最初は、道和高校のペースで試合が進んでいたけど、さっきのバント処理のミスから流れが変わったみたいだ。

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