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日常で世界を変える(春風編)  作者: mei


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8月17日 大会13日目

 頭を触っていると、髪がボサボサであることがわかった。朝、8時の町は、まだまだ眠りに包まれているかのようだった。俺は、テレビの電源をつけ、いつものように高校野球を見ようとした。寝床から出たばかりの俺は、頬をゆっくりと撫でながら、画面の向こうにいる選手を眺めていた。

 眠たそうな俺とは、真反対の選手たちは、キリッとした顔をしながらバットを振っている。本来であれば、俺もああいう感じが理想なんだろうな。理想と現実のギャップに戸惑ってしまっていた。瞳からは、まだ一部だけが目覚めているかのように見える。テレビの画面より、その奥にある窓からの光が強く感じる。明るくなってきた窓を見つめられながら、俺も目を開けようとしていた。

 今日の第一試合は、一回戦に勝利した道和高校が戦っていた。大会初日に見たメンバーとほぼ変わっていない様子だった。注目は、3番ショートの八乙女だった。彼を超えられる選手が出てくるのだろうか?一回戦は、八乙女のタイムリーヒットを3投手の継投で守り抜いた。その八乙女が初回の打席に入った。前回と同じように、大きな声援が聞こえてくる。

 バットを長くもった八乙女は、相手ピッチャーを見下すような鋭い目つきをしていた。大きく足をあげ、初球を見送った。ボール!!打席を外し、何度かスイングする。ビビっているんだろうな。バッターの八乙女を見ながら思った。こんなプロ野球選手級の選手はなかなかいないだろう。

 徐々に歓声が大きくなっていく。それに伴い、俺の目に映るたびまばたきが増えていく。まるで、朝を迎えることへの喜びとともに、意識も少しずつ覚醒し始めていた。しかし、まだまだ眠気が残っているのか、再び、ベットに戻りたくなっていた。打席に入った八乙女を見つめる。ピッチャーとバッターで明らかに格差があるように感じた。

 すると、次の瞬間、打球は左中間へと飛んでいく。あんなにも簡単にボールは飛んでいくものなのだろうか?バッターの八乙女は一塁を蹴って二塁へと向かっていく。レフト、センターがもたついている間に、二塁も蹴っていく。なんだ、あのスピードは。バッティングだけでなく足も速いみたいだ。ボールが内野に帰った頃には、悠々サードベースに辿り着いたのだった。ただ、野球が凄いとかではない。おそらく、運動神経が抜群に秀でている気がした。俺は、ゆっくりとベッドに戻っいく。枕元に置かれた目覚まし時計をどけ、再び眠りについたのだった。

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