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8月16日 大会11日目

 今日は、1試合目から3試合目まで、見れていなかっただけに初めての試合観戦だった。4試合目まてまがどんな試合だったか気になる。スマホを見ずにテレビの画面を眺めていた。試合を見れなかったのも朝から宿題におわれていたからだ。もっと早く終わると思っていたが、全然終わらない。数学、英語、国語。とりあえず、終わりそうな科目から進めることにした。2学期まで、10日を切ったこともあり、焦ってしまう。第4試合が始まるまで、ずっとやり続けたけど終わったのは数学4ページだけだった。全然進まなかったが、なんとか心を落ち着かせようとしていた。

 気持ち穏やかではなかったが、ずっとしていても終わらない。気分転換にと、大会12日目の第4試合目を見ることにした。一回戦最後の登場となる木ノ上高校と一回戦に勝利した群馬北高校との試合かが行われていた。試合は、群馬北高校が点を重ねていく。そして、2試合連続の先発ピッチャーとなった中川が相手打線を翻弄していく。木ノ上高校の選手は、中川のストレートとスライダーに手も足も出ないみたいだ。それは、仕方がない。見ていても、中川は、ワンランク上の選手なのがわかっていた。

 一回戦の曽根高校戦は、MAX「152km」。9回無失点で20奪三振の力投。解説者の人も、次元が違うと表現していた。テレビから大きな声が聞こえてくる。どうやら、6者連続三振に仕留めたようだ。こんな大舞台で、6人連続なんて考えられない。俺は、呆気にとられていた。ちょうどその頃、お母さんからご飯の準備ができたことを告げられた。ちょうどいい頃ではあったが、ほぼ試合は、決まったものだった。

 4回を終わって6対0。木ノ上高校は、中川から6点も取る必要があったのだ。群馬北高校のブルペンは、川上と池田が投球練習を開始していた。ピッチャーが変わったらまだ点の取りようもあるけど、今のままだと厳しいんじゃないかと思っている。川上も池田も決して悪いピッチャーではない。むしろ、別の高校ではエースピッチャーでもおかしくないと思っていた。しかし、このチームには、絶対的エースの中川がいる。

 こんな中川がいるにも関わらず、努力をし続けられる川上たちもいいピッチャーであると考えてしまうのは俺だけだろうか。そんな中川が7連続目の三振を奪ったところでテレビを見るのをやめた。俺は、得点をとることは難しいと考え、さっさとご飯を食べにいくことにした。

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