7月29日 聖徳高校
室内にいたが、こんなに暑いとはな。リモコンで25度から1度下げた。一気に涼しい風が俺の上から吹いてくる。ヒンヤリとした風で自分の腕に鳥肌が立っていることがわかった。時計を見ると、もう13時。そろそろ動かないと。すると、野球のことを考えてしまった。
今日は、聖徳高校の初戦だった。スマホをとり、検索を始めた。スクロールをしていると、地方予選トーナメント表を見つけた。対戦相手は、河野高校というところだった。どこかは知らないけど、アイツらだったら勝てるだろう。聖徳高校には、定本健太郎がいた。
試合に出てるのかは知らないけど、アイツは面白い奴だった。健太郎に出会ったのは、小学生の時。夏休みの時には、ずっと野球をしていた。俺と健太郎の1対1の勝負だった。あの時も、今日みたいな天気だったのかなぁ。
親の影響で引っ越してしまったから、健太郎たちと同じことチームで野球をすることはなかった。しかし、健太郎が高校までまだ野球をしていると信じていた。
そんなことを証明するかのように、今年の3月に春季大会で試合を初めてしたのだった。俺たちは、4対0で勝利したのだった。聖徳高校相手に、俺は、9回3安打14奪三振に抑えていた。幼なじみの健太郎との対戦とはならなかった。ベンチにはいたから、怪我で出ていないということはないだろう。おそらく、調子よくなかったんだろう。
ただ、試合終わりに俺のところまでまで、やってきてくれたのは嬉しかった。聖徳高校がまだ、試合があったので1分ほどしか話せなかったけど、俺にとっては昔に戻ったような気持ちにさせてくれたのだった。
あの時も、聖徳高校とは力差はあった。しかし、今年の夏に負けたのは俺たちの方だった。たしか、淮南高校にも勝ったとかで、ここら辺じゃそこそこの実力があるんじゃないかと思っていた。俺たちの夏があっけなく終わってしまったことに虚しさでいっぱいだった。"俺たち"という言い方は違うのかもしれないが、、、、。部活に行かなくなった後も、トレーニングは続けていた。ただ、あの輪に入るのが怖かったのかもしれない。
自分が止まってしまうと、いろんなことを考えてしまう。とにかく動かないと。俺は、真夏の外に向かうことにした。自分の部屋から窓を見ると、明らかに暑そうな景色が見える。これは、ヤバいだろう。でも、家にいたくなかった。とりあえず、リビングに行って水を飲みに行くことにした。