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8月11日 大会6日目

 気がつけば、セレクションに合格していたことがメールでわかった。合格になってもイマイチ嬉しいのか嬉しくないのか理解できなかった。たしかに、あれだけのメンバーのやつらと野球ができるのは嬉しい。ただ、この投げられない体でどうやって野球をするというのだろう。

 メールには、明日から来る様に言われた。初日は、監督との面談が中心になるらしい。だから、ユニフォームやグローブも自由と書いてあった。体が完治していない俺は、野球道具は、もたずに行こうと思っていた。一つ気になっていたのは、どんな監督かということだ。俺がセレクションを受けていた時には、バックネット裏から見ていた人の中にいたのはわかるが、それがどの人かはわからない。

 けど、あれだけの選手が集まっているのだから、何かしらがある人なんだろうとは思っていた。セレクションの話をしてくれたのは病院の先生がきっかけだった。もし、まだ野球がやりたいなら行ってたらと俺の背中を推してくれたのだった。そこの先生は、チームというより、環境が俺に合っているんじゃないかと思ったらしい。先生は、俺がどうして野球をしなくなったのかも知っていたし俺のことをよく理解してくれていたように思っていた。

 大会6日目の試合時間は、かなり伸びていた。当初、4試合目は、18時までには終わるだろうとされていたが、18時から4試合目がスタートするという展開になってしまったのだ。というのも、1試合目と3試合目がともに延長戦までにもつれこんでしまったから。テレビから見る分には構わないけど、実際にやる選手や応援する人からしたら大きな迷惑だろうなと勝手に想像してしまう。

 俺は、明日のセレクションのことを考えながら、第4試合の開始を待っていた。明日の面談に関しては、対策のうちようがない。とりあえず、行ってみてから考えるしかないと思っていた。おそらく、同じ高校生もいるのだから、最悪困ったら聞くこともできる。それくらい余裕がなければこの先、続かないと思う。

 合格したことをお母さんに伝えたが、あまり興味がなさそうな様子だった。俺も、なんとなく想定していた反応だったから、特別何か思うことはなかった。でも、興味もってもらいたいというのが子どもの気持ちなのか?なんで、お母さんにセレクションのことを言ったのかすら覚えていなかった。心のどこかでは見にきて欲しいという想いがあったから、そうしたんじゃないか?それすらわからない。

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