8月9日 大会4日目
大会4日目。今日も朝から、熱戦が繰り広げられていた。とにかく、野球に飢えていた俺は、セレクションチームというのがあるらしく、そこにテストしに行くことに決めた。
これは、この前、道和高校にいる八乙女も所属しているセレクションチームらしい。どうやら、高校生から大学生までの選手で合格できたら入れるという構造らしい。とりあえず、ネット検索をしたら、明日そのテストがあることがわかった。
当然、怪我をしているから受かる確率は、低いと思うが試しに行ってみることにした。セレクションチームには、八乙女以外にも様々な選手がいることがわかった。白峰工業高校の梅澤、純新学園の新座。豪海大学の本多、海浜公苑大学の花崎などプロ注目の選手もいるみたいだ。
今は、投げられないから試合とかはできないと思うけど打つだけならそこそこやれる。その自信だけはあった。電話ですでに、投げれないことは伝えた。電話の相手は、誰だかわからないけど、投げられないから合格しないとかというのはないと教えられた。ただ、アピール機会が減るということだけだった。
明日のセレクションは、3打席のみ。俺は、その3打席で目に留まればチャンスがあるというわけだ。おそらく、投げてくるのは、もうすでに所属している選手だと思っていた。特に、豪海大学の本多なんかは投げてくる可能性が高いと思っていた。本多は、大学3年生の本格派右腕。MAX155kmのストレートと曲がりが大きいスライダーが武器だった。俺は、名前しか聞いたことがなかったので、この回が終わったら、動画で見ようと思った。
ちょうど、バッターがセンターフライを打ち上げ、チェンジとなった。俺は、「豪海大学 本多」と入力して検索をかけた。すると、20本ほどの動画が一気に出てきた。一番再生数が多い二番目の動画をクリックした。すると、ピッチング練習をした本多が出てくる。動画時間が10分。ということは、一人のバッターの様子は観れるか。
しかし、一人どころではなかった。一人目が三球三振をすると二人目も三球三振となった。もしかして、、、、、。打席に立つ前から、こんな完璧な映像を見せられるとな。三人目のバッターも三球三振となったのだ。しかも、これ投げた球は全てストレート。こんなに打てないものなんだな。ここまで凄いと逆に感嘆としてしまう。ただ、イメージは頭の中にすりこんだ。明日、もし、本多が出てきたらストレートだけを狙って振ることにした。




