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カミツキ!  作者: .png
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其の伍

「明日は女装見に来る。」


湊が昨日そう言った。そして


「やあ、兄さん。」


今、湊の言葉が実現した。




  カミツキ! 其の伍 「学園祭 二日目」




ふむ、少し状況を整理しようじゃないかワトスン君。

まず俺は昨日と同じく喫茶店で大変不本意だが女装をさせられて働いていた。うんここまではまったく・・・やや問題はあるが良いとしよう。

ここからが問題なんだな、うん。今まで通り接客をしていたら


「やあ、兄さん。」


昨日の宣告どおり湊が喫茶店に訪れたのだ。


「ちょ、湊・・・。」


「何、兄さん?昨日言ったはずだけど?」


うん、言ったね。確かに言った。

その現実から目をそらしていたのは俺だしな。


「で、兄さんはウェイターじゃなかったウェイトレスなんでしょ、案内。」


ウェイターは男性だもんな、今、女装してんだもんな俺、ウェイトレスなんだな。


「はいはい、こちらです、お客様。」


「65点。」


妹よ、なんなんだその点数は・・・


「ところで兄さん、これを見てくれ、こいつをどう思う?」


どこでそんな台詞を覚えた湊よ。

で、彼女が見せてきたのは・・・


「しゃ、写真?」


そう、彼女が見せてきたのは俺が女装をしている写真だった。


「昨日撮っておいた、もしもして、嬉しい?」


彼女は笑いながら問う。決して良い笑いじゃない、嫌味な笑いだ。

それにしても昨日来ていたのか・・・何故昨日冷やかさなかったのだろうか?まさかわざわざ写真を撮るためだけに昨日来たのだろうか?


「嬉しいわけないよ。

 ではここになります。」


彼女を案内し、とっとと退散することにした。





「ふぅ、やっと終わった。」


担当の時間が終わり更衣室で着替え終わったので更衣室から出てきたときに


「兄さん、終わった?」


すると湊が待っていた。


「湊どうした?」


「姉さんが消えた。」


「は?」


「一緒に来たはずなんだけど、気づいたらどこかに行ってた。」


またか・・・昨日もそんな話を聞いた気がする。


「で、探せと?」


「うん。」


即答かよ。


「はいはい、手伝いますよ。」


こんなに早く承諾したのには理由がある。湊が例の写真を笑いながら見せ付けてきたのだ。脅しだ・・・


「おい、姉さんって、会長か?」


勇が来た、俺の姉さんという言葉に反応したのだろうか。て言うかこいつもファンの一人だったんだ。


「お前には関係ない。」


「何故!?」


「そう、兄さん行く。」


「分かったよ。」


湊がとっとと行ってしまったので追いかけないといけない。何か後ろでバカが叫んでいるが無視しようか。


「けーーーーーーーいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


無視しよう。



「で、どの辺にいると思うんだ?」


「んー、生徒会室にでも居るかな?」


「何でそう思うんだ?」


「姉さんがまだ生徒会にいたころ仲良かった後輩が生徒会にまだ居るんだって。」


「成るほど。」


それならおかしくないな。楽しく話してるんだろう。


「じゃあ兄さん案内お願いね。」


そりゃそうだ。まあ俺は何度か足を運んでいるから場所は分かってるからいいけどね。




ということで今生徒会室の前です。中から姉さんの声が聞こえてきて湊の推理は的中していたことが分かる。

もう一人・・・現会長かな、まあいいや。


――コンコン・・・

扉を叩く・・・だが返事がない。どうせ話していて気づかないだけだろうな。

ならこういうときは

――コン・・・コンコン・・・コン・・・

このリズムなら気づくだろう。


「あ、景君か。入ってきていいよ。」


案の定分かってもらえたようだ。


「兄さん、どういうこと?」


「簡単に言うと一部の人だけに教えられるノックの仕方だよ。」


分かりにくかったか?


「要するに向こうで誰か分かるノックの仕方ってこと?」


「まあ、そういうことだな。」


そういうことをいいながら生徒会室に入る。


「やあ、景君。いらっしゃい。」


そう言って迎えてくれたのは生徒会長の渡瀬康祐わたらせこうすけ先輩、仲良くさせてもらっている先輩の一人だ。


「あの、姉さん居ますよね。」


「姉さん・・・ああ、梓さんのことね。そこにいるよ。」


先輩の目線の先を見ると成るほど、姉さんが優雅に紅茶を飲んでいた。まったくこっちには気づいていないかのように。


「あんなところに・・・姉さん!」


「ん、あら湊じゃない。」


「姉さんいきなり居なくなって・・・帰るよ。」


「え、もう帰るの?」


「うん。」


そういうと湊は姉さんの腕を掴みこっちに戻ってきた。

パワフルだなぁ・・・


「ということで私と姉さんはかえりますので。」


「ちょっと、湊ちゃん、痛いから〜」


妹はそう言って姉さんと帰っていってしまった。


「それでは先輩、俺も帰ります。」


「ああ、分かった。」


先輩と二人ってどうも話が盛り上がらないんだよな。

生徒会室から出たところで一人の女性と会った。


「あら、景君じゃない。どうしたの?」


彼女は生徒会の副会長の木下美紀きのしたみき先輩。ちなみに渡瀬先輩とは付き合っているらしい。


「妹と姉さんを回収しに来ました。」


「梓さんね。景君も大変ね。」


まったくである。


「ええ、まったくですよ。」


「それじゃあね。」


そういって彼女は生徒会室に入っていく。

さて、これからどうしようか・・・。

すると


「そうだ兄さん、この写真もういらないから。」


湊が戻ってきた。どうやら例の写真を返しに来てくれたようだ。


「それじゃ。」


そういって湊はスタスタ帰っていった。

あ、あいつ写真の元のデータはまだ持ってるよな。だから昨日来ていたのか。

まったく佐倉さんよりたちが悪い。

珍しく二日連続投稿。

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