其の参拾四
拝啓
前略誰か様
家に帰ると幼女がいました
敬具
清浦景
カミツキ! 其の参拾四 「弟夫婦?」
目の前にいるのは見知らぬ女の子とアマだ。彼女たちは仲良さそうに遊んでいて俺のことには気が付いていないようだ。
それにしても彼女は誰なんだろうか。別に俺の知り合いにあんな子はいなかったし始めてみた顔でもある。じゃあアマの知り合いか?近所の子だとか。・・・違う、近所であんな子は見たことが無い。じゃあ誰?
流石に誘拐なんてことはないだろう。
「おーい、アマ?」
「あれ、景帰ってたの?」
「ああ。ところでこの子は誰だ?」
家に帰ったら幼女がいました、しかも知らない子です。だなんて状態にあったら誰でもこんな疑問は持つだろう。持たないのは間違いなく馬鹿か変態だ。
「あ、景が知ってる訳無いか。ほら、自己紹介して。」
「はい、お姉ちゃんっ!」
・・・お姉ちゃん、アマが?
「初めまして、櫛名田ですっ!今日旦那様と103号室に引っ越してきましたっ!」
「ああ、よろしく。」
そういえば小宮さんが今日引っ越してくる人がいるんだとか言ってたかな、それがこの子か。
でも旦那様?そいつはロリ○ンか?
「ねえ、櫛ちゃん。」
「どうしたの?お姉ちゃん。」
「須佐ちゃんはどうしたの?」
「旦那様なら、友達のところに出掛け――『おーい!フェンリルッ!!』・・・た、らしいんですが。」
下で誰か叫ばなかったか?
「でも今、下から須佐ちゃんの声が――『何だ須佐之男!』・・・したんだけど。」
「多分お友達がそこに――『兄さん!また新しい彼氏ですかっ!?』・・・いるんだとおもうよ?」
「今、疑問形にならなかったか?」
なったよな、絶対に。
「ちょっと、お姉ちゃん。下に様子見に行ってくるよ。」
「あ、うん。行ってらっしゃい。」
そう言って一階へと歩いていってしまう櫛名田ちゃん。
「なあアマ。あの声が――『旦那様っ!ここにいるんですか?』・・・彼女の言う旦那様か?」
「うん、須佐ちゃん――『あーっ!!兄さん今度はこんな小さな子まで浮気ですかっ!?』・・・須佐之男命だよ。」
「ああ成程。」
なんとなく理解はできたのだがどうも下から聞こえる声がうるさい。
しかもその中でも一際うるさいのがヘルさんの声だ。あなたの妄想内のフェンリルさんは一体何股してるんだよって話だ。
「それじゃあ一応アマの弟夫婦?」
「うーん、一応そうなるね。」
「高校生の弟が結婚しているって言うのも変な話だよな。」
「そうだよねー。」
うんうん、と頷くアマ。
ここで補足、須佐之男命は天照大御神の弟だから弟夫婦だ。以上。
「おーい、姉貴いるのか?」
「あ、須佐ちゃん。」
「須佐ちゃんって言うな。」
扉が開いて入ってきたのはフェンリルさんと同じような背格好の男の人だった。唯一違うのは風貌、フェンリルさんは異国人の風貌があるがこの人、恐らく須佐之男さんには日本人独特の風貌がある。
「いーじゃない。それで何の用?」
「いや、姉貴がここにいるって聞いたから来てみただけだ。」
「ふーん。」
「それと103号室に引っ越してきたからよろしく。と、君は誰?」
「一応ここに住んでいる清浦景です。」
「俺は須佐之男だ。よろしくな。」
「よろしくお願いします。」
彼がロ○コン疑惑のかかっている須佐之男さんか。
その疑惑についてはあとからアマに聞いておくとしようか。
「それじゃあ、櫛名田。そろそろ帰るか?」
「そうしましょう旦那様!」
「それじゃあ、二人とも邪魔したな。」
そう言って今度こそ帰っていく二人・・・夫婦というか親子にしか見えないのは気のせいなんだろうか。
これで転がり込んでくる厄介ごとが増えなければ良いんだけど・・・無理かな。
ちなみにやっぱりアマから見ても彼はロリコ○らしい。甚だ残念だ。
最近週一投稿に成り果てている。そんな気がします。




