「優れた小説」は存在しないという願望のもとで小説家になろうに異世界でない作品を投稿して二年二ヶ月たった私の感想
つちのこうやです。現実恋愛、童話、ヒューマンドラマを書いております。
ただの自分語りと、自分の思うことを書いたものです。でもどうしても書きたくなったので初エッセイを投稿します。
私が初めて書いた小説は小学生の時にノートに書いたミステリーなのですが、ただ書きたくなったから書いてみただけで、小説家になりたいという気持ちはありませんでした。
小説家になりたいと思ったのは、高校で落ちこぼれた時です。
友人に私の完全上位互換のような人が何人かいて、なんというか、もともと成績が下がっているのに勉強がほぼ手につかなくなってしまって、毎日が辛くなりました。
で落ちこぼれた私の逃避先は、アニメやラノベや漫画と、小説執筆でした。
かなり心の支えになっていて、学校に通うことができていました。
そんな中、アニメ好きの友人と私が二人で下校していたときのこと。
アニメの話が盛り上がり、好きなアニメベスト10を互いにあげようということになりました。
でも結局、二人とも好きなアニメを言いまくったものの、細かい順位にして並べるのはできなくて、なぜならアニメに優劣はつけられないからだね、となりました。
この会話をきっかけに、私の小説執筆のモチベーションは格段に向上したように思います。
現実逃避のために書いていたのが、完全下位互換を脱却するために書くのに変わったからです。
つまり、小説を含む物語に優劣はなく、私も小説を書くことで、誰かの劣化版ではなくなるという願望を抱いたのです。
それから受験勉強もしたりしながら時は過ぎ、私は公募の一次選考落ちを三回経験し、そして小説家になろうに投稿を始めました。
たまにですが、読者としても楽しませていただいておりました。
しかし、始めてすぐにビビりました。
なぜなら、ランキング、小説の新着ページにはポイントが添えてあり、私の願望が崩れ去ってしまいそうだったからです。
小説に優劣があるようにしか見えない。
ただ自分が小説に変な憧れを当てはめていただけでこれが現実かと思いかけました。
しかし、ある日、ゼロポイントだった私の小説にポイントが入りました。
また別の日、ゼロポイントだったけど面白そうな小説を見かけて読んでみたら、とても面白い話でした。
ここのあたりで私の意見は固まりました。
小説に優劣がないな、という意見で固まったわけではありません。優れた小説などないという意見は今でも持ち続けてはいますが、私には証明できないのです。
固まったのは、小説家になろうという場所が、いかに良い場所であるか、ということです。
好きなものを投稿でき、それを読んでくださる方がいる。
このことが、私が投稿している、異世界でないジャンルで、ちゃんと起こっています。
どこかで小説家になろうは異世界ものばかりのところ、というイメージがあったので、驚きました。
しかし、流行りのジャンル・要素の方が圧倒的に読まれる場であるのも間違い無いと思います。
だとすれば、流行りのジャンル・要素の作品数が増え、さらに流行りのジャンル・要素が偏り……となって、人がいないジャンルが生まれてしまうのではないかと心配になります。
しかし、誰もいない、ということにはなっていません。
そしてこれこそが、私には決して証明できない、「優れた小説」は存在しないということを証明しにかかっているのではないかと思います。誰かが証明しているのではなく、現象が証明しているというか、みんなで証明している感じです。
たとえ一人だとしても、誰かが読んで何かを感じたことは、日間総合一位が日間10000ptくらいもらってようが、超人気作が何億PVだろうが、唯一無二の想いのやり取りです。
比較されたところで唯一無二な時点で、ほぼほぼ、優劣の世界ではない、と言えるのではないかと思います。
☆ ○ ☆
私がWEB小説の世界に入って一番思うのは、みんなカッコよすぎるということです。
もちろん、カッコいいというのは、現実恋愛もびっくりなくらいモテるとかそういう意味ではないです。
自分が全力で描いたものを全力で伝えに行く人も、それを全力で受け止めに行く人も、めちゃくちゃカッコいいと思います。
いやこれはほとんどの人に共感されないだろうし、WEB小説の世界にいる陰キャらしい思考だと思います。というか今までの内容全部そうか。
でも少なくとも私は、二年ちょっとやってきて、そう思いました。
それをとりあえず、この小説家になろうのエッセイという場所に、綴らせていただこうと思いまして、投稿させていただきました。
もし読んでくださった方がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございます。
これからも全力で書いて読んで行けたらな、と思います。