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カミサマは管理人  作者: なーちん
8/9

月曜日(6)




 ーーーーーーデータ管理室


 ここはその名の通りデータ関係を取り扱う部屋である

 室内は『解析・移行』『モニター』『分析』など、作業内容によってエリア分けされている

 現在2班は『解析・移行』エリアで預かった魂を人口空間(メル)へと移行する作業中だ



 「おはようございます」

 「おはようございます、すみません遅くなりました」

 これから担当する休息者(レスト)の詳細な情報共有を行わなければならない

 柚木(ゆずき)さんと手分けして、人数分の資料を机に並べる



 「今日の休息者(レスト)は3人だけだから問題ないさ」

 木沼(きぬま)さんが頭をぽりぽり掻きながら資料を一部取り席につく

「ありがとうございます」

 


 僕たち2班のメンバーは全員で6人

 班長の僕と副班長の児玉さん、国見(くにみ)さん、冨永くんに新人の柚木(ゆずき)さん

 アドバイザーとして前班長の木沼さんが2班の補佐をしてくれている

 今日は国見(くにみ)さんはおやすみ、児玉さんは出張だ



 

 「木沼さん優しーっすね!俺はもー疲れちゃいました」

 にやにやと笑いながら冨永くんが席につく

 冨永くんは班のムードメーカーだ

 なんだかんだ仕事はしっかりこなしてくれる



 「ごめんごめん!さて資料は全部で3セット3枚ずつです、足りない人はいませんか?」

 「それでは資料の読み合わせを始めます」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 【No.62 こばやし ゆか 25歳 女性】

 

 ・事象:自転車で走行中、急に飛び出してきたトラックに()ねられ頭を強く打って即死


 ・病歴:なし


 ・家族構成:父・母・妹の4人家族 家族仲は良好


 ・職業:アパレル関係、転職したいと周囲に漏らしていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 資料には死因、家族構成、職業の他本人の生前の写真や交友関係、病歴など

 種々の情報が記載されている

 それらの情報を頭に叩き込み、僕たちは休息者(レスト)人口空間(メル)へと導くのだ

 


 (僕の一生もたった3枚の紙で語れるのだろうか・・・)

 いつもそう考えてしまう



 「ーーーということで、No.62から64までを午後人口空間(メル)に送ります」



 「はんちょー、今日のカミサマは誰でいくんですかー?」

 「冨永さん以外がいいと思います」

 「柚木(ゆずき)ちゃんなんでそんなこと言うのー!?」


 

 暗くなってしまった思考が引き戻される

 (楽しそうでなによりだ)



 「じゃぁ今日は冨永くんがメインで、柚木(ゆずき)さんは補佐についてもらおうかな」

 綿蜜な調整はもう少し続く・・・



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