月曜日(5)
ーーーーAM9:00
カンファレンスルームで朝礼をする
朝礼は村田室長が進行を勤める
室長は57歳のナイスミドルだ
「おはよう、じゃぁ土日の休息者から報告をどうぞ」
ーーー無駄に美声である
「土日の休息者は3人でした 資料を配布します」
僕の合図で柚木さんが資料を配ってくれる
柚木さんは23歳 期待の新人だ
「資料1枚目«No.62» 女性、接触事故、即死です・・・」
朝礼ではその日『保護者』から送り届けられた魂の確認をする
事案が発生した順にNo1、2、3・・・と通し番号がつけられ
新年になるとまたNo.1から始まる
氏名や年齢などの詳細な個人情報はわかっている
・・・が、僕たちは住まいも担当も関東だ
つまり、僕らの知り合いや家族が休息者になるかもしれない
もし、関係者の知り合いが休息者になった場合
通し番号とは別のアルファベットが割り振られ秘密裏にどこかの班に託される
そして知らされることなく亜空間に送られるのだ
「・・・以上3名の休息者お預かりしました」
「大家君ありがとう、それにしても事故が多いね!みんなも気をつけてください」
「・・・じゃぁ次は進捗をどうぞ」
当日の報告が終わると、各班からチームが担当する休息者の進捗状況の共有がある
「1班の 羽鳥です、現在担当中の14名はいずれも回復中です」
「2班大家です、17名中3名は今週亜空間へ移動できると思います」
「3班安田、15名中2名移動可能です」
「4班です・・・」
ーーーー報告が続く
「じゃぁ今日もよろしくね!解散!」
この後は2班で今日の休息者の情報開示だ
柚木さんと班員の待つデータ管理室に向おうとした
「おい、3名も移動なんて早すぎるんじゃないか?」
ーーーー3班 班長の安田先輩だ
「3名とも副室長に移動可能だと確認済みです、ありがとうございます」
「ふぅん、班長になったからってトバシ過ぎんなよ」
そう言うと、ジロリとこちらを睨めつけ去っていった
「安田先輩って大家さんにちょっとトゲトゲしくないですか?」
柚木さんがそっと呟いた
「うーん、そうだねーーー」
安田先輩は僕より3つ年上だ
自分にも他人にも厳しいが、頼りになると班員からは慕われている
「まぁ僕は班長になったばかりだから心配してくれてるんだよ」
「そぅですかねぇ・・・」
眉をひそめる柚木さんを宥めながら
今度こそデータ管理室へと歩き出した