月曜日(2)
少し短めです。
「おはようございます」
「大家さんおはよう」
僕の会社は自宅から徒歩10分の小さな会社【株式会社 小松】
・・・ということになっている
受付のおじさんに声をかけ、薄暗い階段を降りていく
【株式会社 小松】に出社するのだが、そこには隠された地下道がある
地下道に設置された水平型エスカレーターで移動した場所が本来の職場だ
この水平型エスカレーターには特殊な技術が使われており
時間の進みが歪められているらしい
水平型エスカレーターに乗っている時間を職場の人に聞くと
皆だいたい5分前後と言うが住まいは東京、千葉、埼玉・・・
到底5分で出社できるとは思えない距離だ
(知らない方が良いことなんだろう)
僕はあまり考えないようにしている
『ファーーーン』
(・・・ついた)
水平型エスカレーターを降りて進むと
ピカピカに磨き上げられた重厚な扉が見えてきた
扉の脇にあるプレートに右手を置くと、天井から青い光が降り注ぎ全身を包む
『職員番号5−6980 大家大地さん、おはようございます』
「おはようございます」
『声紋確認しました。扉が開きます。』
大袈裟すぎるほど厳重なセキュリティーを完備したこの場所
【関東総合管理センター】が僕の本当の職場なのだ