16 精霊へのお願い
お待たせいたしました。
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
ウォルトさんとルルに「助けて」って言ったんだけど二人とも固まったまま、こっちを見てる。
ックシュ
冬じゃないけど、頭から思い切り水を被ったから寒い・・・・。
精霊たちが気を配ってくれたみたいで、水がすごく冷たかった。
一瞬の出来事だけど、気持的には滝修行した感じだよ。(滝修行したことないけど・・・)
「「のあ~。お水まだいる~?」」
冷静に自分の状況を判断していたら精霊たちからまたとんでもない提案があった。
「・・・・ありがとう。もう大丈夫、それとお願いがあるんだけどね?」
「「「なになに?」」」
さっきまで見えていた二人(一人と一匹)の姿が見えなくなるぐらい精霊たちが近寄ってきた。
「ちかいちかい!」と思ったけどそれよりも優先しないといけないことがあるのでここは我慢。
「今度から何かしてくれるときは、必要かどうか私に聞いてくれる?」
「お水必要なかった~??」
さっきまでニコニコしていた精霊たちの表情が急に泣き出しそうな表情に変わった。
罪悪感を感じるけど、このままにしておくと身の危険を感じるのでここは心を鬼にして!
「水は欲しかったんだけど、皆が出してくれた量はちょっと多すぎかな。少し飲むぐらいの量・・ックシ
ュ、だけでよかったんだよ。後、できればコップに入れて飲みたいから皆がわざわざ出してくれる必要はなかったかなぁ・・・ックシュ。」
「・・・ごめんねぇ。こんどからちゃんと聞く!」
「わかった!」
「気を付けるの!」
皆わかってくれたみたいだから、さっきみたいなことはもう起きないかなって一安心したころ、ようやく固まっていた二人が動き出したみたいで私のところに駆け寄ってきた。
ックシュ・・・「大丈夫か?」と心配しながら駆け寄ってきてくれてるけど、もう手遅れかも・・・・
びしょ濡れになった私はウォルトさんが取ってきてくれたタオルで水を拭きながら部屋の中に入って着替えをすませた。
髪の毛もウォルトさんが魔法で乾かしてくれたからもう濡れてないけどやっぱり手遅れみたい、風邪ひいたかな・・・?
う~ん、伝えるのは熱がでたらでいっか。
とりあえず喉の渇きが限界だから水を飲みに行こう、ウォルトさんにさっきのことを詳しく聞きたいって言われたし。
水を飲みにリビングに行くとウォルトさんがお茶の用意をして待っていてくれた。
ちなみにルルは机の上で果物を絞った飲み物が入っている小さなコップを器用に両手で持って飲んでる。
ルルってホント器用だよね・・・・。
「のあ、お茶いるか?」
「ほしい。ウォルトさんありがとう。」
席についた私はウォルトさんからお茶を受け取ってお茶を一気に飲み干し、おかわりを数回した。
ふぅ~、ちょっと落ち着いた。
お腹がポチャッと音がするぐらいお茶を飲んだころようやく落ち着いた私をルルがあきれた顔で見ている。
仕方ないでしょ、喉渇いてたんだから。
ルルのおでこを手でツン!っとつついた後、ずっと私が落ち着くのを待ってくれていたウォルトさんに目を向けた。
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