11 この世界で生きていきますのために 2
お待たせしました。
あの後、私は夕食の時間までウォルトさんに今いる里について教わっていた。
この里はエルフの王が住まう城から一番近く、森に張られた結界の監視を任されている。
ちなみに、エルフの城は1本の大樹を空間魔法で人が住めるようにしてある。自然を愛する種族なのに大樹を住居にしてもいいの?と思ったがそれは良いらしい。
大樹は、神からエルフの一代目の王に授けられた樹木らしく、エルフが住むことで、大樹は生きていくことが出来る、世界で最も変わった木として人間以外の生き物に知られている。
ちなみに人間が知らないのは、「人間がこの樹木のことを知れば、手に入れたがり戦いが生まれるのではないか」という危険性を感じたエルフの一代目の王が、城の周りに不可視魔法が施し人には見えないようしたためである。
さらに、城の周りの森にも人除けの結界が張られており、人は森には入れるがいつのまにか入り口に戻ってしまうため、人間の間ではエルフの城がある森は「迷宮の森」と名付けられている。
世界的には、「エルフの森」と名付けられている。
この里は人除けの結界と城の結界の間にあり、人除けの結界を監視し、もし侵入者を見つけたら捕らえるという任がある。
侵入者を捕らえる任務があるが、普通の人間なら入ってこれないため、普段は魔物狩りと森のパトロールが主である。
そんな日常の中で、侵入できないはずの人間が結界内を歩き、里の近くまで侵入してきたことに若いエルフ達は警戒して、今に至ったとのことらしい。
なぜ、私が結界の中を歩けたかというと、最初から結界の中に転送されており、かつこの世界の人間ではなく精霊に愛されているため、人除けの結界は効かないようである。
はなしを聞いたことにより、疑問だったことが一つ解決した。それは、捕らえられる前にエルフに言われた「結界があるのにどうやって侵入してきたのか」という問についてである。
エルフの森は世界で5本の指に入るぐらいの広さがあり、多くの集落がある。そのため、場所によって食べる物が少し違うらしい。
食べ物の話を聞いて、私の中で一つこの世界での目標ができた瞬間である。
その目標は、それぞれのエルフの里の特産品を食べること。
この世界について、もっと常識が身について、一人と一匹で旅ができるようになったらまずは、冬弥を探しがてらエルフの里の食べ物を見てまわろうと心に決めた。
話を聞いた後は、ウォルトさんの夕食づくりを手伝いながら、食材について少し学びご飯を食べ、ウォルトさん家で空いている部屋を借りて眠りについた。
ちなみに、ルルは話の間は爆睡しており、ご飯の用意を始めた瞬間に目を覚まして食べ物をウォルトさんからもらっていた。
食べ物は、クルミのような大きさの食べ物で頬袋に詰めていた。
その食べ物を持って、私のカバンの中に詰め込んでいた。
別に貯めなくても、クルミならまだあるのになっと思いながらルルの様子を見ていた。
その後は、昼と同じ果物をもらって、私達と一緒に食べ枕の横で丸まって眠りについた。