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待ち合わせ

作者: 坂田 福

 突然の北風が私のなけなしの体温を奪う。彼との待ち合わせの時間まであと5分。辺りを見渡しても、彼の姿はまだ見えない。また時計を見ると、あと4分15秒だった。

 

 辺りを見渡す、時計を見る、あと3分45秒、

辺りを見渡す、時計を見る、あと3分20秒、

辺りを見渡す、時計を見る、あと3分10秒、・・・・・

 

 何百回繰り返したのだろう。途方もない時間を過ごした気分だ。時計を見ると、待ち合わせの時間を10秒も過ぎていたが、彼の姿はまだ見えない。15秒過ぎた、20秒過ぎた、21、22、23、・・・・・


 こんなに寒い中、これだけ待たされたのだから、彼が来たら何か文句を言ってやろう。それからご飯の後にデザートを奢らせよう。何がいいかな。どうせなら、二人で一緒に食べられるものがいい。

 

 そんなことを考えているうちに、彼が来た。私の方へ走ってきた。それを見た私も、すぐに彼の方へ走った。私はしかめっ面で、いかにも怒っている雰囲気を出していたつもりだったが、彼によると、その時の私はこれ以上ないというくらいの笑顔だったそうだ。





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