蚊取り線香?
次回1月16日夜。 謎のお客様。
真夏の暑いさなか、当店は冷房完備だが、店の広さとエアコンの数が比例してないので、メチャクチャ暑い。私はいつものようにレジで作業をしていると、何処からともなく、煙がただよってくる。
現われたのは、煙を背負ったおじいちゃん。
私はこのおじいちゃんをみると『また来た。』と思う。
だが、私の中だけの名物おじいちゃんである。
煙を背負いながらいつも本を買いに来る。
ただ、買うときが問題なのだ。
とにかく、耳が遠い。
この時、いつもサッカー台で本を袋づめするのが、古沢ちゃん。
毎回、煙を背負ったおじいちゃんに、『スタンプカードありますか?』と聞いている。
私は一生懸命笑いを堪えながらレジを打つ。
当店はスタンプカードと言うものがある。色々面倒臭いカードなのだが、煙を背負ったおじいちゃんは、いつも持っていないと答えるのである。
『あ〜。ないみたいだなぁ〜。作ってもらおうか。』この言葉にまた笑いが込み上げてきた。
実はこのおじいちゃん、お客さまとして、来るたびにカードを作っているのだ。多分、家には何十枚と、置いてあるはず。
それなのに、毎回、古沢ちゃんが、このおじいちゃんに同じように、薦めるから笑えてしょうがない。
古沢ちゃんは変に、おもったのか、私に聞いてきた。『さっきから笑ってるけどどうしたの?』私はいままでの事を、話して聞かせた。古沢ちゃんも、笑っていたが、毎回、スタンプカードを薦めるのが、当店の仕事。
煙を背負ったおじいちゃんの、煙は蚊取り線香。
今日も蚊取り線香背負ったおじいちゃんが現れ、スタンプカードを薦めている。あの、おじいちゃんが歩けば、煙も動く。
ある意味、夏の風物詩である。