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14話:転生ルール

幼神ミコットが空けた地面の大穴を埋めるには1時間を要した。


「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」


 と言いながら穴埋めの手伝いを強要されたのだ。理由を聞くとこんな穴を空けた事がバレたら近所の人に怒られるとか、そんな理由だった。テンションが上がると無茶する所は俺に似ているらしい。

 一通り穴を埋め終わると俺は用事があるので、とミコットに告げてその場を立ち去ろうとした。


「ニーたん。ブラッシーを何と交換するつもりなんじゃ?」

「は? いや別にまだ交換するなんて一言も……」

「嘘をつくでない」


俺の考えを見透かしたかのようにミコットが話しかけてくる。仰る通り俺はこれからブラッシーをとある物に交換しようとしていた。今日池先輩と話して、そしてミコットから10倍価値のルールは必ずしも値段ではないという事を確認した上での判断だ。


「……鋭いっすね。そんなにバレバレでしたか?」

「当然じゃ。お前は嘘をつく時必ず勃起するからのぉ」

「ド変態じゃないですか!」

「しかしニーたんのナニは服の上からでも分かるほど小さいからのぉ。チン・コンプレックスを隠すのであればブリーフは控えたほうがいいぞ」

(分かるのか!? 本当に!?)

「それに男たるもの虚勢も大事じゃ。トンガリコーンなどを装着し長さを水増しするのも一つの手じゃぞ」

「ド変態じゃないですか!」


 ケタケタと笑うミコット。わらしべの神とは透視能力もあるのだろうか? そんな事を考えながら今日が俺のブリーフ卒業日になったのは言うまでもない。

ミコットは「これでブラッシーともお別れかのぉ」と名残惜しそうに便器ブラシに手を振りながら俺を見送るのだった。



 交換のあてはあった。お金に例えると500円程度の価値しかないブラッシーは5000円札とは交換はできるが10000円札と交換はできない理屈だ。しかしお金ではなく仮に汚さでいうならばどうだろう。

 紙幣の細菌の数は大よそ26000個と言われている。よく利用する歯ブラシで1億個、そして俺が手に持っているトイレブラシの細菌は8億個とも言われている。つまり汚さという観点でみれば10000円札の3万倍もの価値がこのトイレブラシにはあると言えるのだ。


 しかし汚さの価値が3万倍あってもやはり10000円札とこのブラッシーは交換できない。それは「お金」という点でみると20分の1の価値しかなく交換ができないし「汚さ」という点で見ると3万倍の価値があるもののグレードダウンはできない為やはり交換できないのだ。



 そう俺はまさしくこの「汚さ」をブラッシーからよりグレードアップさせる事を目的として転生交換を行おうとしているのだ。


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