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第2話 藤沢佑磨(ふじさわ ゆうま)

『藤沢佑磨』


俺は考えていた。

この空虚な毎日は何の意味があるのか。そして、俺はどうしてここにいて、何故生きているのか。


「なぁ、俺たちって何でここに生きてるんだろうな?」


俺は恋人の彩香に何気ない質問を投げた。


「何でって言われてもなぁ。私、そんな事考えた事ないしなぁ。あっ!? もしかしたら、皆んな楽しくなる為じゃない? ほら、人生は楽しく生きないとって皆んな言うし」


まぁ、彩香の言う事もあってはいるのだろう。しかし、俺の求めている答えではない。


「じゃあさ、今が楽しくない人はどうしたらいいと思う?」

「それは楽しくなる様に趣味とか生きがいを見つけるとかかな?」

「趣味に生きがいかぁ」


趣味ってほどじゃないが、俺にも好きな事くらいはある。でも、それが楽しいと思った事はない。むしろ、俺が生きる中で必要だと思って学んだ事の延長上で好きだと思っているだけだ。


「なぁ、彩香は俺のどこが好きなんだ?」

「な、なによ、いきなり!?」


彩香は驚いて恥ずかしそうにして言った。


「え、えっと、その、や、優しいところかな……」

「俺が優しい!? それはない、ない!」


俺は彩香の答えに笑って返答した。


「え〜、そんな事ないもん。ゆうくんは優しいよ」

「そうなのか? 自分ではわからないけどなぁ。まぁ、少なくとも俺は俺の事を優しいと思った事はないよ。むしろ、優しさとは逆さ。俺はそんなに良い人間じゃないよ」

「もう、ゆうくんはいつもそうやって自分の事になるとネガティヴになるんだから。めっ! だよ」


彩香は俺のおデコをペシッと軽く叩いて、いつもの様に笑って叱ってくれた。


「悪い悪い」

「もう……」

「それより、あっちに行ってみようよ」

「!?」


その時、いきなり、正面から俺にぶち当たって来た奴がいた。


「いって〜〜……なんなんだよ!?」


倒れていたのは、金髪で長髪のヤンキーっぽいニイちゃんだった。


「う、うわぁ!? く、来るな!?」

「な、なんだ!?」


そう言うと、金髪のニイちゃんは起き上がって、鬼気迫る顔で走り去っていった。

その直後、無表情と言ってしまえば簡単だが、その男からは何か別のモノを感じた。

男はその冷たい目で俺を見下ろして言った。


「お前もこの世に生まれた事を悩み、もがくモノか。ならば、与えよう、お前の生きる意味を」


そう言って、男は紙を俺に投げた。


「い、いきなり、何のつもりだ!?」


俺が顔を上げると、男は金髪のニイちゃんが走って言った方にかけて行った。


「ゆ、ゆうくん、大丈夫?」


彩香が俺に駆け寄って話しかけてきた。


「大丈夫だ。それより、彩香は先に帰ってろ。俺はちょっと用が出来た」

「ゆうくん!?」


俺は彩香の方を振り返らずに、あの男の後を追った。


「くっ、くそ、何処に……」

「や、止めろ! ぐあぁぁぁぁぁぁ!?」

「!?」


声が下のはビルとビルの間の通路の様な裏道からだった。

俺は恐る恐る声のした場所に向かった。

そこには血みどろになって倒れている金髪のニイちゃんがいた。


「た、助けて……」


最後にそう言って体から力が無くなった。


「し、死んじまったのか?」

「そうだ」

「!?」


俺は背後からした声に驚いて、慌てて後ろに飛んで距離をとった。そして、改めて声のした方を見ると、先ほどあった無表情の男が立っていた。


「その男はゲームに負けたから死んだ」

「ゲーム?」


まじか!?

ゲームなんかで人が死ぬわけない。きっとこの男が何かしたに違いない。

俺は男に対して厳戒体制を取っていた。


「信じるも信じないもお前次第だ。だが、お前は必ずこちら側に来る。必ず」


男はそう言うと立ち去っていった。

俺は手に握りしめた男のメモを開いた。


「何かのサイトのURLか? それと、パスワード?」


そして、俺は自宅でパソコンを使って男のメモに書かれたURLを開き、パスワードでページの中にアクセスした。


「こ、これは……」


初めて見た時は胡散臭いの一言だったページが読んでいく内に惹かれている自分がいるのを感じた。


そして、俺はその道具を申請した。

男の言った通りの道を歩き始めた。

次回の話より禁断のゲームがスタートします。

景はゲームに参加するのか?

佑磨と景の運命は……

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