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作者: 霧雲

 マグロ

 なぜ泳ぐ

 なぜ食べる

 なぜ生きる

 鮪よ

 一匹でなぜ泳ぐ

 一匹でなぜ食べる

 一匹でなぜ生きる

 鮪よ

 孤独のなかで一体何をおもふ

 いつまでもぐるぐるとまるでメリーゴーランドのようにぐるぐると 狭い水槽で何を得る

 かわいそうかわいそうと同情の嵐のなかで何を覚える

 連れてこられた怒りか

 産まれた時からその身にはあまりにも小さすぎる狭い海で学んだ虚無感か

 すべては悲しみに満ちた水槽のなかにある

 大海を知らない鮪

 すべては人の目には眩しいライトに照らされた水槽のなかにある

 すべては一匹の鮪の巨大な体躯と裏腹に子供よりも小さな瞳のなかにある 

 「鮪よ僕はどんな目で君を見ている?」

 すべては狭い海の底に沈む

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― 新着の感想 ―
[良い点] 寂しい気持ちになります。魚らしい無表情が想像できます。 [一言] お疲れ様です。 以前、「マダガスカルの朝」というエッセイに感想を書いてもらったニット帽と申します。 水族館や養殖場で見る魚…
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