ロリ巨乳少女、登場
「ベルちゃん、何食べたい?」
ベルちゃんの柔らかい手を繋いで、洋服屋に囲まれたショッピングモールを歩いて行く。俺より少し身長の低いベルちゃんの横顔はすっごいかわいくて、ふわっと石鹸の香りがした。
通りがかりのクラスメイトが、すっごい羨ましそうな顔をして俺を見ていた。いや、ベルちゃんの胸を見ていた。
こんなかわいい上に巨乳の彼女、栃木中の草の根を分けて探したって見つからないかもわからない。
「キヨくんが食べたいものなら、なんでもいいよ」
なんていい子なんだ!!!!
食べたいものを俺に任せてくれるなんて、すっごい優しい。
でもでも、女の子ってデートでラーメンとか無理じゃん。サイゼとかも無理じゃん。
逆にどこ行けばいいの?
ならば聞けばいい。
だって俺達、カップルだから。
「お、俺も、カニならなんでもいいかなぁ」
あ、カニなんだ。カニ食べたいの全力で伝えちゃったや。
「うふふ、キヨくんおもしろいね」
ぺたりと、ベルちゃんの肌が俺の腕にくっつく。
今、俺はすっごいだらしない顔をしていると思う。
満たされてる俺の優越感や、脱童貞への達成感が、満たされてる。
クラスメイト達は唖然として俺を見ている。
いつの間にか、場面は教室に移っていた。
「キヨくんは……なんでもいいんだね」
いつのまにか、ベルちゃんは俺の一歩前に、後ろ姿で立っていた。
長いブロンドの髪をふわっと揺らし、彼女は振り返る。その顔は――
「可愛い女の子なら誰でもいいんだ」
ホシくんかよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
ガバァ、と物凄い勢いで起き上がった。
硬いベッド、汗の臭い、そして、視界に映るレース。ヒラヒラしたスカート。
そっか、夢。
一気に現実に引き戻される。
そっか。俺、異世界にいるんだ。
異世界でしかも女装なうなんだ。
最っ高に傑作な状況じゃん。
なにそれ、うける。
っていうか一人でうけた所で、そんな事を呟く事すらできないんだ。やっば、うける。
「おっはよーーー!!!」
バターーーーーーーーーーーンと、信じられない位やかましい音でドアが破られた。鼓膜も破られかけた。
ドアの方は、本当に破られた。現に、床からは埃が舞っている。散り散りになった木片がカツンと壁に当たった。
「ななななな、なんだ!?」
当然俺は訳がわからない。
思わずホシくん口調になる程度には訳がわからない。
「アーニキーーー!!」
次に飛び出してきたのは猿のように小柄な子供。えっと、名前は……デイジー。デイジーだ。
デイジーはジャンプした。信じられない跳躍力に俺はぎょっとする。何、コイツの身体能力。天井付近まで飛んでるんだけど……!
右に結んだサイドテールがぶおんと揺れる。
昨日と変わらない踊り子風の衣装に見を包んで――包みきれてねぇよ!!
相変わらず露出が高い。申し訳程度に肌を隠すオレンジのチューブトップから、瑞々しい肌が見える。
「グホッ」
それが俺の腹の上に乗っかった。
乗っかった、なんて表現は生ぬるい。
子供って30キロ弱はある訳で。それが2m上から落ちてきたわけで。
俺の腹の上に乗っかった、否。
俺の腹の上で殺しにかかってきた、という方がきっと正しい。
「らめえええええええ。で、で出ちゃうううううううう。しゅごいの出ちゃううううう。しゅごい胃がでちゃううううう!!!!!!」
昨日から俺の胃はボロボロだ。
異世界なんて訳わからない寄り道なんてせずに、予定通り夕食を終えて満腹だったら間違いなく出ていた。カニが。
ああ、カニ……。
「アーニキーッ」
俺が全力で吐き気と痛みに戦ってる時、遅れて高くて柔らかい声がした。
そこから女の子が遅れてやってくる。
ふわりと花の香りがし、膝丈の襟だけ白の紺色のシャツワンピースがヒラッと揺れた。左に結んだサイドテールがぴょん、と揺れる。
特徴的なのはその胸。幼くてあどけない顔とくらべてやけに豊満だ。目測E。すっごいアンバランスな身体をしている。正直、そそる。
「もー、ブロッサム。だめだって言ったでしょー」
俺の上に乗ったままのデイジーがむーっと顔を膨らませ、少し戸惑っている様子の女の子を見る。
って、ブロッサムって。俺の今の服を貸してくれた子か。
お礼言わなくちゃ。
いや、女の服くれたのは、ありがたくないんだけどさ。
「ブロッサムもこっち来なよ。アニキの上に乗っかろう? ほら、デイジーはどくから」
「へ!?」
俺は一瞬意味がわからなかった。
俺の身体を支配していた重みが徐々になくなっていく。デイジーは身軽にぴょいっとベッドから床に着地をした。
デイジーは子供だからいいけど、ブロッサムって。
今からそのおっぱいの子が俺の上に乗るって事でしょ?
いやいやいやいや、そんなのいけないよ! 教育委員会に怒られちゃうよ! あ、ここ異世界だった。




