表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

「ダルコミートの小窟②」




「きえぇぇぇぇぇぃい!!」


ズガァーーーーン!!


ダンジョン内に奇声が響き渡る。

ガイコツのモンスターは雷に打たれ、エフェクトと共に消滅。


「さすがはキジョウ様!!」

「さすがはキジョウ様!!」


「ぬほほほほ!!

我の前では物の数ではない!魔の者、打ち取ったりいぃぃ!!」


キジョウのパーティーは

ダンジョン内にいる他のパーティーからの注目を一身に浴びていた。

ジェイのエレパーティー他部隊は

キジョウたちとは少し距離をあけ、戦っている。


「えーと……………

とりあえず他人のフリ他人のフリと…」


「ガァァァァァアア!!!」


ズシャッ!


「おっと!いかん!」


ガイコツモンスターの剣撃がジェイをかすめる。


「エ・ムト・フィル!!」


「ガァァァァァアア!!!」

呪文と同時に、ガイコツは炎に包まれ消滅した。


「おーう、すげえ。ソイルも案外やるじゃねえか!」

(普通に声出るじゃねえか…)


「…ぁ、…」

ソイルは何かをボソボソ言っているが、音量が小さくまったく聞き取れない。


「エア・ヒール!」


回復魔法の詠唱と共に、ジェイのHPが回復する。


「すまねえサクラ!このメンバー、意外と様になってるな!この調子だ!」


「はい!ジェイさん。頑張りましょう!」


他所でも、モンスター玉砕のエフェクト音が聞こえる。


「お、俺の身内の奴らもしっかりやってんな!こりゃあいけるぞ!

しっかし、何よりも驚いたのは、あいつらだな…」


「ケイズさんたちですね」


「ああ…。

ケイズ、ザリア、ガルヴァ、あの三人。

レベルは俺らと大して違わないと思ったんだが。


もうかなり先の方に行ってるみたいだな。

基本的に、殆どのモブモンスターはあのパーティーが一掃してくれてるおかげで

俺らはせいぜい、取りこぼし程度で済んでる。

経験値はワリカンだ、俺らももっと頑張らねーとな!」


「…そ…ぅ…」

ソイルの声はまったく聞き取れない。





「ゼェゼェゼェ…

も、もう限界だぜ…スタミナが…

あの二人、ぜってーおかしいだろ…。チート使ってんじゃねーのか…ゼェゼェ…」


ダンジョンの中盤で1人、息が上がっているのはガルヴァだ。

岩場に腰掛け、剣を杖代わりにもたれ掛っている。


「無理して付いていくからだ」

カルヴァの横を、フェルローデが涼しい顔で通り過ぎる。


「ハァハァ…だってよ…

ゼェゼェ…フェルローデ、回復を…」


「貴様に名で呼ばれる筋合いはない。本来、貴様とは二度と会わないところだが…

それに、HPとスタミナは別だ。しばらく休んでいろ」


「ゼェゼェ…」


フェルローデは、構わず先に進んでいった。





「ガァァァァァアア!!!」


ダンジョン最深部。エフェクトと共にモンスターが消え去る。


「お前、絶対に張り合ってんだろ!!」


「…何のことだ」


ケイズとザリアは剣を構えている。

あたりは大量のモンスターで溢れかえっていた。


「ガァァァァァアア!!!」

「ガァァァァァアア!!!」

「ガァァァァァアア!!!」

「ガァァァァァアア!!!」


モンスターが次々と襲い掛かる。


ガキィイイン!!

ザッ!ガキィイイン!!

ザッ!ガキィイイン!!


戦闘はしばらく続いたが、モンスターは次々と二人によって倒されていく。


ザッ!

「ガァァァァァアアアアア!!!」


最後の一匹もザリアの一撃により倒され

ついに、辺りにモンスターの姿は見えなくなってしまった。


カチン


二人は剣を鞘に納める。


「フン、ぬるいな」


「いやいやいや。

ファーストダンジョンでこの難易度って、どう見てもおかしいだろ。

この先、一体どうなるんだよ…」


「ちなみに俺が36、お前が34だ」


「…やっぱり張り合ってんじゃねーか…」


パーティー、もしくはエレパーティー同士が見られる共用ウインドウ。

そのウインドウ内には

それぞれ全員の残りライフやステータス異常の有無などと共に、

現在進行中のダンジョンにて、誰が何体モンスターを仕留めたか、という情報も

一覧で見る事ができる仕組みになっている。




「…終わったようだな」


「ハァハァ…、ゲホゲホ…

さすが、伊達に前作を極めてねぇな…本当に二人だけで一層しちまうとはよ…

まいったぜ…ハァハァ…」

フェルローデとガルヴァが二人に追いついた。


「おーい!待たせたなー!」

少し間を置き、

ジェイのパーティーと、ジェイの知り合いパーティーも合流。


「すっげーなあ!

こっちは取りこぼしだけでもやっとだっつうのに

しかし、おかげでだいぶ温存できた。あとは…」


「ああ、この扉の先だ」


「いよいよ噂のデカブツとご対面ってわけか」


ケイズとジェイは、目の前の扉に視線をやった。


「カーッ!テンション上がるなあ!さっさと突撃しちまおうぜ!」

ガルヴァは、いても立ってもいられないという様子だ。



「無礼千万!!」

声で後ろを振り向くと、キジョウのパーティーも追いついているようだった。


「おぬしら、我の指示を無視して無謀にも先ん駆けるとは、なんという愚行か!」


キジョウは、持っている剣をケイズに突きつける。


「ま、まあまあ、キジョウさん。

ここでのエレパーティーの目的は、他でもないボス戦だ。

それに、彼らのおかげで俺たちもここまですんなり来られた。

結果オーライじゃないか」


ジェイがフォローに入る。


「ぬう!聞き捨てならんな。

では、こやつらの助け無しでは我はここまで来られなかったと、そう申すか!?」


「いや、そうは言ってないでしょう…」


「キジョウさん。無視して突っ走った事はすまなかった。

だが、今ここであまり時間をとるのはよくない。ほら、あれ」


ケイズが指した先は、後方やや奥。

消滅したモンスターが再出現しようとしている。


「………………。

………そのようであるな。

だが、ここからは我の指揮のもと、動いてもらおう」


キジョウは剣を納め、話を続ける。


「先駆けた情報からして、ボスが単体であるという事は間違いがなかろう。

とすれば、戦法はこうじゃ。全ての前衛で敵を足止めし、魔法使いは後方で攻撃、

ヒーラーは回復に専念。

そして、ひとしきり弱らせたところで、我の大魔法で止めじゃ!!

者共、よいな?」


(戦法っていうのか、それ??

……しかも自分はドロップ狙いかよ…)


ジェイは心の中で突っ込む。

しかし、それを表立って憂慮している時間はなかった。


「よし行こう。みんな、準備はいいか!?」


ジェイは扉に手をかける。

場にいるプレイヤーは、静かに頷く。



ギギギギ…



扉がゆっくりと開かれた。


「よし、入ろう。気を付けろよ!!」


全員が場に入ると、ドアは自然と閉じ、次第に視野が開けてくる。

闇に眼光が赤く鋭く光り、荒々しい息づかいが聞こえてきた。




「ゴァガァァァァァアア!!!!!!」




空気が震えるような凄まじい咆哮のあと、ボスモンスターのHPゲージが現れる。



<< BOSS エギドラル・オーク Lv20 >>



「ガハハ!!出た出た出やがった!さあて、いっちょ揉んでやるかあ!

…っと!?…なんだこりゃあ!?」


ガルヴァが先陣で飛び込もうとするが、とっさに足を止めた。



<< ゴレ・オーク Lv15 >>

<< ゴレ・オーク Lv15 >>

<< ゴレ・オーク Lv15 >>



「おい、嘘だろ……」

ジェイが脱力したような声を上げる。


そこにはボスを含め、4体の巨大なモンスターが待ち構えていた。





最初のダンジョンでこんな話数と時間くってていいんだろうか!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ