第1話 「ずっと一緒だったから・・・・・ね」
第1話「ずっと一緒だったから・・・・・ね」
――――――小6の春
いつものように騒がしい1日が始まりだした
「奏~~~~~~!!」
佐野 葵の大きな声が当たりに響く
「なんじゃ?せっかく漫画読んでたのに・・・」
市川 奏が耳を人さし指でおさえながらベランダから出てきた
「『なんだよ』じゃない!!今日は奏の部屋片付ける約束してたでしょ!?」
葵は奏を見上げて言った
「あ・・・忘れとった」
頭を掻きながら苦笑いして答えた
「ったく、とりあえず片付けしようや」
怒り気味に葵が言い返した
「・・・・・うっ・・・急に腹が~・・」
奏はそういいながらお腹をおさえて葵のほうチラッとみた
「ぁれ?おらんし」
ベランダの下のほうにいたはずの葵がいなくなっていた
ガチャ
奏の部屋のドアが開く
「仮病を使うな!!」
葵の声がいつも以上に響きわたった
*――掃除中――*
「相変わらず汚いなぁ、奏の部屋は・・・」
笑いながら言った
「ほっとけ!!」
顔を真っ赤にして言い返した
葵はそんなことは聞かずアルバムをみていた
「あ・・・アルバムじゃがぁ!そんなとこにあったんヵぁ~」
奏は『そこにあったんじゃ?』と思いながらもアルバムに顔を突っ込んだ
葵は「アルバムぐらいちゃんとしまっとけぇや」とヵいいながらも
アルバムをパラパラとめくり笑顔で見てた
「ぁ・・・!!ここなつかしい^^」
その写真に指をさしながら奏にみせる
「ぁ、そこって桜がめっちゃ咲くとこじゃぁ」
奏はニコニコしながら言った
「ぅん、で大きな桜の前でうちと奏が2人で一緒にとったんじゃ!!」
『やっと思い出せた』と思ってるみたいに葵が笑顔でいった
「てヵ。俺と葵が2人で写ってんのしヵないで?」
そう言った奏を一瞬見て
「ずっと一緒じゃったから・・・・・ね」
ちょっとうれしそうに葵が言った