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10首
冬こもり春に思ひを寄するとき 気持ち逸りて歌詠みにけり
かの人に寄せし想ひに応へせば 我の心はのどけからまし
小雪降る足並を疾く町をゆく 友らの灯すあかりに向ふ
童らや雪降りやまぬ如月に 野に出で立ちて駆け遊ぶなる
如月や寒さ続きて春遠し 寝所の窓に白きを見たる
白雪の重きに耐へて寒風に 震えし枝のあはれなるかな
白妙の雪抱へたる細枝の 間に差す光に見ゆる小春
如月に空より舞ひし雪花や 古歌にある気色覚ゆる
街中の陽射し当たらぬその角に 足滑らかす冬ぞのこれる
春浅し時は過ぎしが空の色 風の冷たき冬の名残か




