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10首
春来ぬと寒風避けて暮らすうち 言祝ぎのとき過ぎ去りにけり
年立ちて集ひ餅搗く童らの 駆けゆくさまに目離しえぬ
午のとき清けきひざしにめくるめく かすかに聴こゆる春のいななき
夜されば風吹きゆきて星明る 気澄みたるにふと驚きぬ
あなたまで濁りし雲の覆ひたる 空をいづこで眺めたりや
冬ざれや野原も河も広く見ゆ 閑歩せむにもあはれとや見む
指先に宿る黄色と甘い香に 季節覚ゆる旅先の宿
富士の山天より見れば身繕い 雪を戴き雲を纏ひて
清げなる気色を見つけ目を留む 思ひを刻みし歌詠まむ
冬こもり春数へる日しばしあり 睦月はとく終わり告げたり




