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飽和する世界の夜明けから  作者: takenosougenn
第一節 世界の果てまで
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4話 異世界生活開始!!

 リヌイとの模擬戦?を終えた朔はクロエともう2人の使用人と一緒に冬支度と朔の異世界生活の準備をするために街へと来ていた。



「まずは冒険者登録をしましょう。冒険者になるためには冒険者組合というところに登録しないといけません。


 昔は数多くの冒険者組合があったのですが没落や吸収を繰り返してきたことによって、「エルメスギルド」「アナスタシアギルド」「ケルデリエムギルド」の3つの組合に分かれました。


 りぬ様筆頭とする私たちはアナスタシアギルドに所属しています。基本的にはどのギルドでも協定を結んでいるので同じなのですが、ギルド内でしか得られない特典やギルド同士の大会が開催されますので、好きなギルドにしていいですよ。


ギルドによって依頼なども少し変わってきて、エルメスギルドでは身辺警護や対人を想定する依頼が、アナスタシアギルドでは素材の回収や魔獣討伐などの対魔物、ケルデリエムギルドでは低ランクの依頼が多いです。


また3組合合同の依頼が下りることもあり、その場合は先に解決したところの報酬となる場合が多いです。ですがどのギルドに参加しても身分証明書にはなるしランクも同じですよ。」




 きのうと同じように、人で溢れている街の中で、クロエさんが詳しく説明してくれる。

それを聞いた朔は日本人の性質が出たのか、皆と同じようにアナスタシアギルドにすることを決めた。

朔とクロエ以外の2人の使用人は今日の買い出しに街の市場に向かった。


 クロエがいい天気だと言って上を見る。

前の世界と変わらない透き通るような青い空が広がっている。


 朔が合わせるように上を向いて同意していると、二人の上を大きな影が通り過ぎて行った。

大きな翼に長い尻尾、武骨な顔である。


「ドラゴンですよ、あんな巨体でも飛べるのはスキルが関係しているんです。」


 クロエがすぐに朔に教える。

朔は、そのドラゴンを見ながら前の世界のドラゴン伝説は、こんなドラゴンが世界を渡ってきたのかもしれないとひそかに考えてた。


 ギルドに着くと街以上の人口密度でギルドの中は騒がしかった。

こんな朝早くから飲んでる人もいるのか微かにお酒の匂いもする。


 ここまで混んでると登録するには時間がかかりそうだなぁと朔が考えていると、受付であろう所までさっと人が分かれて道が開いた。


「「クロエさん、おはようございます!!」」


 数人のガタイのいいおっさんがクロエに挨拶しながら勢いよく腰を90度に折った。

なんでこうなってるんだろうと朔が疑問に思いながらクロエと受付に行くと、その理由が受付嬢によってすぐ明かされた。


 「はじめましてー受付嬢のラスネルと言います。さっきはびっくりしたでしょ?あれーあまりにも態度がひどい客が前いてそれをクロエさんが絞めたんだけど、元々Aランクだったこともあってああやって冒険者には畏怖されるようになったんですよ、でも愛想がいいから街の人には慕われているんですよ。」 


 受付嬢のラスネルはしゃべりながらも手早く書類や道具を引っ張り出し切ったりして準備を進めていく。準備が終わるとラスネルはハンドボール程度の大きさの水晶を朔の目の前に差し出した。


 「この水晶に手をかざしてください、あなたの魔力を登録してギルドカードを発行します。あとは冒険者名を登録しないといけないので何か考えていてください。」


 朔が水晶に手をかざすと水晶が淡くひかった。

光が収まるとラスネルは一旦水晶を手にもって奥へと向かった。


 ラスネルが戻るまで名前を考えることになった2人はどんな名前がいいか話し合っていた。

クロエの話によると、斥宮朔という名前はこの地域ではだいぶ珍しい名前なのでたぶん目立つだろうという意見だった。


 なかなかまとまらずに話していると後ろが騒がしくなった。ざわざわとした落ち着かないような騒ぎだ。

朔とクロエが後ろを向くとそこにいたのはリヌイだった。

特Sランクのリヌイが来たことによる騒ぎだ。


 当のリヌイは朔の冒険者名を決めると聞いた瞬間目を輝かせて、自分が考えると言い出した。

手元から手帳を取り出し書きながら、あーでもないこーでもないと言っている。


 少しの時間がたってリヌイの書く手が止まる。

そこに書かれていたのは「フィリム=エヴァーローズ」の文字だった。


「いい名前ですね。」


 クロエは気に入った様子で頷く。

朔もまんざらでもなさそうにもらった紙を眺める。名前がよかったからうれしいのではなくリヌイが一生懸命考えてくれたのがうれしかったのだ。


 そうしていると受付嬢のラスネルが帰ってきた。


「できたわよ、ギルドカード。 あとは冒険者名を登録すればおわりだけど......」


 ラスネルは朔から差し出された名前が書かれたメモ紙と朔のギルドカードをじっと見つめる、

そしてメモ紙と一緒にギルドカードを燃やすと、燃えたギルドカードは灰色から白色に変化した。


「はい! あなたのギルドカード、今は一番下のG級ランクだから今度開催される昇級試験を受けに来てちょうだい。 Gだと役職も選べないけど、E級になったら役職が選べるようになるから。」


 朔とクロエはギルドカードを受け取りギルドを出る。リヌイはというと、今日は特S級の業務に追われているらしく朔の名前をきめた後すぐにどっかに行ってしまった。


 「やっとギルドカードの登録が終わりましたねー。とりあえずはこれで市民権のない朔様がこの世界で生きている存在としてしっかりと認可が下りたわけです。


 次は服を買いに行きましょう昨日家でリヌイ様の洋服を試し着てもらいましたが、大きさが合いませんでしたからね。

それと戦闘用の装備も買わないといけませんし、自前の武器も一つ決めてもらわないといけません。」


 そう言ってクロエは足早に人込みをかき分けて進んでいく、たまに少しはぐれた時にチンピラに声をかけられたりしたが戸惑っている朔を見つけたクロエの顔を見るとたん逃げ出していく。


 途中の屋台などから揚げ物の良い匂いがして朔がそれに気をひかれていると、それに気づいたクロエが「秘密ですよ、」と言っておごってあげたりした。


 洋服屋、寝具屋、小道具屋、二人は色々な店を転々としていき朝早くに出たはずだったがお昼を食べる暇もなく、おやつの時間が過ぎるころにやっと最後の武具屋へとたどり着いた。



 店内は広く、朔が小人に見えるような程、大きなおじさんが大きな手で武器を摘みきれいに磨き上げていた。優に3メートルを超えているであろうムキムキのおじさんが丁寧に小さな武具を手入れしている様子はどこか不釣り合いでユーモアを感じる。


 だが考えてみればその巨体だからこそ気を付けて作業しているのであろう、その様子からこの店が一級品のお店であることが伺えた。



「ん。お客様か。マルティネス家の執事のクロエ=フローレスと連れの兄ちゃんだな。クロエ様は知っていると思うが一応自己紹介だ、ここの店主をしているデルデアという。種族は亜巨人族だこの獣人の国ではでかいだろ。」


「斥宮朔です。昨日からマルティネス家にお世話になることになりました。種族?は人間です。」


「セキミヤサク..か。奇妙な名前に黒目黒髪ときて、おまけに昨日から世話になってますか......そういえばこんなことが2年前にもあったな、ということは異世界人だな。その名前はこれから隠しといたほうがいい、こっちらしい偽名を使うんだな厄介ごとに巻き込まれるぞ。まぁあの嬢ちゃんくらい強ければ隠す必要もないだろうがな。まずは防具の採寸からするか.......」



 デルデアは大きな手で朔と握手をしながら助言を口にする。朔は感謝しながらおじさんの採寸を受ける。

どうやら金属でできたアーマーではなく動物の皮を使った防具を見繕ってくれるらしい。



「今回作るんは、Sランクの妖天虎の毛皮を使った特注の防具だ。性能でいえば圧倒的な魔術耐性があることと動きやすさと点での防御に強さがある、剣で切られても傷がつかん。


あと魔力を流せば自動で修復してくれるいい素材だ。あまり高いものに見えないように偽装もしておこう、値は加工するときにかかるだけでいい、あんたのリヌ様が持ってきてくれた素材だからな、まぁこれほど魔術耐性のある素材を加工するのにだいぶ消費するからそれでも値を張るがな。明日には届けよう。」



 採寸が終わり、クロエさんが代金を支払う。

朔が値を張ると聞いてすごい勢いで頭を下げると、クロエは笑って「マルティネス家として安い物を装備してもらうわけにはいかないですし簡単に消耗するものを何度も買い替えるのも、もったいものですから。」と笑った。そして次はクロエと一緒に武器を選ぶことになった。



「ちなみに、デルデア様は大陸の名誉鍛冶師としても称号をもらっているんですよ、小国の王様でも頭が上がらない存在です。では武器の説明をしましょうか、武器にはEからSSS+までの等級があります。

等級の決め方は武器の保有魔力や特殊スキル、魔力強化率、素材などの要素によって総合的に判断されます。」



 朔が短剣と拳あてと刃渡り1.2メートルくらいある大太刀を頼もうとしたがデルデアは大太刀の存在を知らなかった。朔はデルデアとともに30分ほどの時間をかけて図面を完成させる。


 デルデアにとっても難しい仕事のようでデルデアの目には確かにやる気が満ちていた。

デルデアは大太刀の作成は恐らく一か月以上かかるだろうと見立てを立てた、出来次第デルデア本人がマルティネス家にまで持ってくるといった。


 結局、朔とクロエが短剣と拳あてを買って外に出るころには既に外は橙色に染まっていた。

そんな時間でも、否、だからこそ昼間よりも街がにぎわっていた。




名誉鍛冶師デルデア

マルティネス家が所有する領地に大きな店を構えている鍛冶師

亜巨人族であり体長は3mを超える、だがその巨体に似合わない繊細な作業を得意としており武器以外にも装飾品や贈呈品なども手掛けていて、面倒見も多いので弟子も多い。

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クロエさん、、推せる。 この小説みんな推せる説出てきました。 最初の牛とかは除く。
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