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Episode.1 「夢か現実か」

 初めまして、結城千鈴と申します!

千鈴という名前は、「ちすず」ではなく、「せんり」です!お間違いなく!!


さて、今回初投稿である「夢の中でサヨナラ」は、私が勉強合間に作った作品です!(笑)

初めてなので話の構成や文体などおかしな点があるかとは思いますが、大目に見てもらえれば幸いです!


それでは、「夢の中でサヨナラ」をお楽しみください!

  気が付けば、母さんが死んでから3年が経っていた。

俺の母さんは俺が中学2年生の頃、仕事から車で帰宅している道中、交通事故で死んだ。対向車線を走っていた車が衝突してきて即死だったと後から聞いた。


母さんの命日は不運なことに、母の日だった。俺は母さんが仕事から帰ってくるのを妹の美波と赤いカーネーションを持ってずっと待っていた。


でも…母さんを待ち望んだ赤いカーネーションは母さんの手に渡ることなく、惜別の花として散ってしまった―――



―――――――――――――――――――――――――



「ミーンミンミーン…ジージジ―――……」


 8月真っ只中。夏休みも半分が終わり、俺の長期休みは終わりが近づいてきている。

高校2年になって4カ月が経ち、学校では進路の事ばかりでつまらない。

そんなことを考えながら、柳田海陽は今日もうたた寝をする。


「――――……ろ……。…きろ……起きろ!少年!」


何だ、何の声だ。誰なんだ俺の昼寝を邪魔する奴は…。

「んだよ、うるっせーな!昼寝の邪魔すんじゃね………え?」


俺の目の前には白い鳥がいた。

何だこいつ…?カラス…にしたら黒くねえし…何の鳥だ?

それになんだここは、真っ黒な部屋…?まだ夢の中か?


「やっと起きたか…少年。」


「…………え、ああ、割とファンタジーな夢なんだな、鳥がしゃべってるし。」


「私はただの鳥ではない。白い羽を持った特別なカラスでもあり、君たちの案内鳥だ。」


「は、はあ……。ってか何の案内だ?」

ここの真っ暗な部屋には何もないし…どこを案内するっつーんだよ?


「君たちは未来のヒーローに選ばれた。”夢技”を使って明日に起こる事件や事故を防ぐことが君たちの任務だ。」

 海陽は何言ってんだこの鳥、と呆れた顔をしながら夢だから何でもありなのかと考えていた。


「これから他に4人のヒーローたちと出会うことになるだろう。まあ、近々夢の中で会うさ。その時は喧嘩せずに協力して、任務に全うしてくれたまえ、柳田海陽…」


「え…なんで俺の名前知って……?」

その瞬間、俺の体がぐわんと宙を舞い、景色が変わって床に倒れ込んだ。


―――――――――――――――――――――


「いっってええ…!!ほんとになんなんだよ!?」

俺は見慣れた住宅街のど真ん中で倒れ込んでいた。

見慣れたはずの住宅街だったが、俺は少し違和感を覚えた。なぜか町の人たちは叫び声をあげながらどこかへ逃げていく。


「きゃあああああ!火事よ!急いで逃げて!」

「ママ…!!どこにいるの…??ママ……!!」

「消防隊員はまだ来ないのか!?人がまだ家の中にいるんだぞ!?」


混乱と不安に満ちた大人たちと子供たちが必死にとあるところから逃げている。

俺は逃げている人達をかき分けてその現場を目の当りにした。


その光景は…………まさに地獄絵図だった―――――


住宅街の家を10棟ほども焼き焦がす大火事が発生していた。

「なんだ……これ……?こんな大火事見たことねえぞ…」


そして最も異様だったのは、消防車や警察、救急車すら見当たらなかったことだ。

燃え続ける家屋を鎮火させられる存在がいないためか、炎が一層勢いを増しながら空高く火の粉が舞っている。


俺はとっさに建物内の窓に目を向ける。そこには燃える建物内から必死に助けを呼ぶ子どもを見つけた。

子どもの顔は煤だらけになって泣きながら必死に叫んでいる。


俺はその時、ふと思い出した。母さんが死んだあの日の朝、俺は小さなことで母さんと喧嘩をした。

学校から帰った俺は、母さんにひどいことを言ったことを後悔して、赤いカーネーションとともに謝罪と日頃の感謝と伝えようと思っていた。


でも……俺は母さんと仲直りができないまま、母さんと別れることになってしまった。

俺はその日のことをずっと後悔している。なぜあんな小さなことで喧嘩してしまったのか。しかも、母の日に喧嘩なんかしなけらばよかった…、これでお別れすることになるなんて思わなかった…。


俺は、あの時感じた後悔と自分への憎悪の気持ちを思い出していた。

火事の中、必死に助けを求めるあの子どもも、誰かの大切な人で誰かに伝えたかった気持ちがあったのだろうか……。


そんなことを考えていた俺は…自分でも気が付かない間に炎が燃え滾る建物を目指して全速力で走っていた。

火の粉が何度も飛んできて、俺の腕や足、頬に火傷をさせる。

それも俺は夢中になって走る。全速力で、今までにないほどに一生懸命に、走り続けた。

なぜか疲れなかった。相当距離があったはずなのに、助けを求める子どものもとにすぐにたどり着けた。


「もう大丈夫だ。俺と一緒にここから出るぞ!」

俺は子供に手を差し伸べた。でも子ども俺の手を取ろうとしない。


「どうした…?早く俺の手をつかめ!ここから早く出ねえと……」

「お兄ちゃん……僕、足が動かないの……」


俺は子どもの足元に視線を向けると…子どもの足には大きな本棚がかぶさっており、何度も足を抜こうともがいたのか、足から大量の出血をしていた。


俺は混乱した。こんなの…助からないじゃないか…。この本棚を俺一人が動かせられるほどの大きさじゃない…。どうしよう。どうしよう。助けられない…。


俺には……何の力もない…。誰も助けられない……。俺には…俺には………。


ふと、頬に冷たい結晶が落ちてきた。俺はとっさに顔を上げる。

「こんな真夏に…雪……?」


その瞬間、火事で燃え滾っていた建物が一瞬にして凍り付いた。

そして、窓に目を向けると黒髪ストレートの女の子が立っていた。


俺は驚いて言葉が出なかった。

俺が話しかける前に俺と同い年くらいの女の子が独り言のようにつぶやいた。


「え…建物には7歳くらいの男の子が一人いるって聞いてたのに……誰?」




―――――――――――――――――――――――――――















いやー、突然の事件勃発ですね~!

海陽くんの辛い過去と後悔、見どころでしたね~

そして、最後に登場した女の子は誰なんでしょうか!?

次回に続きます!お楽しみに!!

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