他の宇宙から来た聖女8
「賢者様、どうして物質が消えてなくなるのかしら?」
「私にそんな事を聞かれてもわかりませんよ。」
「練習から始めてよかったわ、全て消えていたところよ。」
「不純物が多く混ざりすぎなのかもしれません。1回、物質の精錬から始めてみたらいかがでしょう」
「なによそれ、貴方そんな事できるの?」
「そんなのできるはずないじゃないですか、人を化け物扱いはやめてください」
「じゃ~その化け物の私ならできるとでも?」
「称号に物質の支配者があります。意味が分かりませんが、できるはずです。」
「わかったわ、やってみるからミスリルとか持ってないの?」
「それならあります。こちらのメダルがミスリルです。」
「お借りするわね、「鑑定!構成解析を開始します。解析進行率80%、90%、100%。解析が完了しました。変更対象物の原子配列をミスリルに変換します。ミスリルへの物質変換が成功しました。不純物は一切検出されませんでした。」
「出来たわよ」
「先生!怖いです。いつもの先生と違いました。」
「仕方がないわよ、もう一人の私が錬金術をしているみたいなのだから、とやかく言わないで鑑定してみて」
「先生!すごいです。この釘ミスリルですよ。このミスリル何処から出てきたのでしょうね」
「聞いてみようか!」
「お願いします。」
錬金術における変換は、鉄からミスリルへの変換に際して、原子レベルでの等価交換が行われます。このプロセスでは、鉄の原子がミスリルの原子と置き換えられ、鉄の物理的・化学的性質がミスリルの性質に変換されます。この交換は、鉄の原子がミスリルの原子と置き換わる際に、その両者が同等のエネルギーを持つように調整されます。
「何かわからないけれど凄いよね」
「先生次はこれお願いします。」
「レンガよね?これを何に変換するの?」
「このコインと同じ物質に変えて下さい。」
「わかったわ!」
「鑑定!構成解析を開始します。解析進行率80%、90%、100%。解析が完了しました。変更対象物の原子配列を金に変換します。金への物質変換が成功しました。不純物は一切検出されませんでした。」
「先生!これ、頂いて良いですか?」
「いいわよ、それよりガラクタをミスリルに変換して付与できるか試しましょうよ」
「そうですね、じゃ~私のこのマントをミスリルに変えてみてください。」
「えっ!さすがにそれは無理じゃない?有機物を鉱物に変換は流石にできる気がしないは」
「そんなこと言わないで1回もう一人の先生に聞いてみて下さいよ」
「わかったわ!」
有機物を鉱物に変換する錬金術のプロセスはありません。錬金術は伝統的に金属や物質を変換するという概念で知られていますが、有機物から鉱物への変換は科学的に現実的ではありません。有機物は化学的には鉱物とは異なる性質を持ち、その構造や形成過程も異なります。
「だそうよ!できない物は諦めてよ、なれたら付与ぐらいはできるからさ」
「付与だけで我慢します。」
「それでは、貴方の持ってきた貴金属をミスリルに変えていきましょう。」
「これからお願いします。」
「1個1個やるのが、めんどくさいわね、纏めてやるわよ」
ガラクタのアクセサリーが高級アイテム素材に生まれ変わった。だがあまりにも味気ない、色が全てミスリル銀なのだ、これは可愛くないと思うミルフィーであった。
「これダメだわ、アクセサリーとしては、あまりにも地味よ」
「先生!誰もアクセサリーとして付けるわけではありません。そんなことは気にしなくていいです。」
「ダメよ!乙女の私としては納得いかないわ、ちょっと待って、宝石なら腐るほど所持しているから」
ミルフィーは亜空間から最高級の彼ら種族の遺産を取り出した。ルビーにサファイア、ダイヤモンドだけじゃなく希少石も沢山ある。レッドダイヤモンド、アレキサンドライト、ファイアーオパールこれらの構造分析を行い、高級アクセサリーに変換する。
「先生これは素晴らしい。これとこれ貰っていいですか?」
「ダメよ付与してからじゃないと、ただの宝石よ、価値がガタ落ちだわ!」
「いやいや、宝石の価値だけで十分です。失敗したら大損害です。」
「じゃ~欲しいのだけどけておきなさいよ」
「ありがとうございます。」
「じゃ~ファイアーオパールから行くわよ火属性付与!」
「成功しましたね、先生凄いです。」
「次行くわよ、緑のサファイアには風属性を付与してみるわね」
「希少石なのに成功ですよ」
「次はアレキサンドライト天然石じゃないから価格は落ちるけれど、この世界なら、人工も天然も変わらないからOKよ」
「全て成功していますね。すごいです。」
「まだよ!今付与したのは石だから次はリング部分に付与していくは、全てのリングに体力向上を付与」
それから二人は色々なアクセサリーに付与をしていった。石がついていなかったり、傷だらけ、錆びたり、ヒビが入ったり、鉄や銀、のアクセサリーが高級品に変貌していった。
そして付与が2~5付いている、これは持ち逃げしても十二分におつりがくる品であった。
「先生!やりすぎです。これ冒険者に貸し出すのをためらいます。」
「いいじゃないどうせ練習の品なのだから、元手もそんなに掛かってないのでしょ?」
「全てで銀貨1枚もしませんでした。」
「持って逃げられても良いじゃない、冒険者ギルドと大賢者を裏切ったと言う、恐ろしい罪でこれからビクビクして逃げる生活しなくてはいけないのだから、まともに生きられないわよ」
「ならいいのですが、冒険者はそんなに小心者ではないですよ(笑)」
「それより私の持っている宝石をお金に変えてほしいの、付与も沢山付けるわ」
「いいですが、全て国宝クラスの物ばかりでしたよね、売りさばいて良いのですか?」
「これからの活動資金が必要なの、私はお金持っていないから」
「お金なら、レンガを金に変えられたら良いじゃないですか?」
「ダメよ!これは凄いを経験してみたいのだから、」
「先生もすきですね~(笑)」
「ふぅ~やっとできたわ!大きな宝石に全て違う付与をしたよ。40個は付与したわ、これを所持すれば、永遠の命と、美貌を約束されるわよ。」
「こんな重い物を首から下げていたら、肩こりに悩まされますよ(笑)」
「それもそうよね、重さ軽減魔法も付与しようかしら?」
「それはお止めになる方が良いと思います。軽すぎるのは宝石としての価値を下げてしまいます。」
「そうだよね、安物臭さ半端ないわよね」
「それでは、ギルドから冒険者が見つかったと連絡が来ればお知らせに来ますね」
「急にどうしたの?何時も入り浸っているのに?」
「できたアイテムの検証を済ませておかないといけませんから、これだけのアイテムの組み合わせ大変なんですよ。」
「分かったわ、私は錬金術の練習をしておく。1個にどれだけ付与できるか試してみる」
「私の装備全てが、国宝クラスになるのも時間のもんだいですね。ガハハハハ」
しばらくして大賢者から、ミルフィーにオリハルコン、ヒヒイロカネ、アダマンタイン、のファンタジー鉱物が送られてきた。彼は私が何を望んでいるのかよく分かっている。
ミルフィーは教会の中の石畳を全て、純金に錬金、付与は生命力強化、病魔退散、呪い解除の付与をした。
父の銅像はオリハルコンに錬金してみた。
教会の鉄の策はアダマンタインでできている。
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奇跡の教会は大変な目に遭うのだが、今は詳細はのべないが、少しだけ触れておくことにする。
(奇跡が起きる教会は、信者の数もますます増えて行き、海外からの観光客も増えてしまう。
そこで問題が出てきてしまった。そうオーバーツーリズムだ観光客が増えすぎて地元住民の生活に障害が出始める。
悪さを働く観光客もいるのだが、不当に居座る人たちも出始める。
町の郊外に移住してきた者だけで、集落を作るありさまだ、彼らは街への愛情もない、郷に入っては郷に従えと言う、考えもない、何時か住人との争いが勃発すると、町中の人々は考えていた。
そんなある日、教会に押し入ってきた、強盗団がいた。
宗教が違う彼らは、金目の物を全て奪って行こうとした。
抵抗するシスターやブラザー達、でも強盗をたくらむ連中は荒っぽい。
殴りかかる手が消えた、剣を持つ両手が消えた。蹴り飛ばそうとする足が消えた。
悪事を働くために押し入った盗賊団の誰もが手足のどこかを欠損してしまう。
その噂は世界に広まり、あの教会に手を出すものは、あの町で悪事を働くものは天罰を食らう。
それからしばらくして、不法滞在する物は誰も居なくなった。
不法滞在者が町を離れたのか、それとも消されたのかは誰も知らない。
ただ小さな影が集落の前でうろうろしているのを目撃はされていた。)
この話はまだまだ先の話である。
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「先生お待たせしました。冒険者の準備が出来ました。明日の朝、冒険者達と顔合わせを行うつもりです。」
「どんな冒険者なの?」
「Bランクなりたての実力がある若手冒険者です。」
「性格はどんな感じなの?」
「性格までは分かりませんが、ギルドの紹介です間違いはないと思います。」
「そりゃそうよね、大賢者に変なのを紹介なんてできない物ね」
「もちろんです。先生に不愉快な事をすれば、躊躇なく消し去ります。」
「あら!私の為に怒って下さるのね、嬉しいわ」
「男5人パーティーですから、多少は許しますが、度が過ぎると流石に私も抑え込む自信がありません。」
「なにかうぬぼれていそうね(笑)」
「多少はあるかもですね。それで報告がてらに、こちらに用意した剣に付与をしていただきたい。」
「魔法剣にすればいいの?」
「彼らに貸し与えて、狩り効率を上げるつもりです。」
「今回もボロボロね幾らで買ってきたの?」
「剣5本で銀貨3枚と吹っ掛けてきたので、激怒したら、銀貨1枚に負けてくれました。安かったので後5本追加で買ったら、武器屋が泣いていました。いい買い物できました。」
「その銀貨1枚の剣を国宝に変えればいいのね?」
「それでお願いします。」
「色々な鉱物を混ぜ合わせて、剣も作ってみようか?」
「そんな事も出来る様になられたのですか?」
「うん!教会の物に色々錬金して遊んでいたら、色々出来る様になったわ」
「さすが先生凄いです。」
「それじゃ全ての剣をインゴットにするからね、それをヒヒイロカネとかオリハルコンに変えていくね」
「楽しみです。」
「見ていてね私が触るとインゴットがふにゃふにゃになるの凄いでしょ」
「これは凄い」
「こうやって引き延ばし、違う素材を重ねて幾重にも折りたたんでいくの、そして硬い素材のヒヒイロカネを鋼として使うのよ」
「どんな剣ができるのでしょうね?」
「剣の重心も考えないといけないから大変なんだからね。」
「先生は何処でそのような技術を修得されたのです?」
「睡眠学習よ、魔法と剣の世界に来たのだから全て完璧に覚えているわ」
「これで出来上がりだけれど、これまで蓄積された熱が一挙に解放されるからね、少し離れてみてちょうだい。真っ赤になった剣をオイルに入れるのだけれど、それは私の支援ロボットがやってくれるから、刃先が硬くなり、鋭い切れ味を持つようになるからね、重要な作業なのよ」
剣を入れたオイルがボコボコと沸騰して、激しい炎を上げる。
そして1本の剣が出来上がった。最後の仕上げは小型ドローンが全て行ってくれる。
「出来上がった剣は箱舟に送り、同じものをこちらに10本送り返してもらいます。1本作るのに思ったより時間が掛かりました。」
「同じものができるのですか?」
「もちろんです。ここは科学力で解決します。付与は色々な物を付けて行きましょう。少々ギミックが仕掛けてあります。それは付与してからのお楽しみです。」
「お母さん準備OKだよ、転送して」
「了解!」
そして2時間ぐらい待って剣が10本送り返されてきた。
10本の剣に属性とスキル付与を試みる。
「賢者様、付与掛けたよ、鑑定してみて」
「これには火属性と風属性、切れ味強化、自動修復、攻撃力1.5倍が付与されています。国宝級と言うかこのような剣は存在しません。」
「水属性と土属性、光属性と聖属性、魔力も1.5倍も作ってみたわ、どれを選ぶでしょうね」
「付与をすると形が変わりましたね」
「属性によって形が変わるのよ、それにより必殺技も変わるわ」
「固有スキルも付与されているのですか?」
「この剣が火と闇よ」
「炎の刃が敵を切り裂くの、凄いでしょ!」
「すごいですが!持ち逃げされたら回収が困難になりますね。渡すアイテムと剣で超人的な強さになります。狩り中に襲われたら、私でも対処できるか分かりませんよ」
「賢者様も持てばいいじゃない、付与いっぱい付けてあげるから」
「それはありがたい!」
「光、闇、火、土、聖、風の6個の付与がされているわ、魔力5倍、攻撃力2倍、スピード1.5倍、自動修復、強化、固有スキル6種類、最後に体力強化も付けておく」
「これは凄い、これなら私でも戦えるかもしれません。」
「えっ!十分すぎる付与でしょ、圧勝できるのじゃないの?」
「私は剣を所持したことが無いです。自慢じゃないですが魔法で戦えました(笑)」
「そうだったわよね、困ったわね、貴方に剣豪のスキル付与しておくね」
「剣豪とか賢者はスキルでは無いですよ、それは神から授かる称号です。」
「じゃ~お父さん~賢者様に色々な称号付与してあげて、私も称号付与できるみたいだけれど、本物のお父さんが付与してくれる方が良いわ」
「わかった。剣士、戦士、剣闘士、騎士、魔法剣士、剣豪、剣聖、御使い、大賢者、大魔導士、大聖人、守護者、の称号を付与しておく。スキルはミルちゃんが付与してあげて」
「ありがとう、お父さん」
「大賢者、大魔導士、大聖人の称号も付与しておいたから、これで本物の超越者になれる」
「賢者様!おめでと、超越者よ凄いね、これでスキル威力も上がるわ、じゃ~スキル付与していくから何が良い?」
「それでは瞬歩、斬撃、シールド、剣力、ヘイト、威圧、回避、斥候、気配察知、魔力探知、危険感知、危機感知、敵探知のスキルを下さい」
「これで立派な戦士ね、本番で使えるかは疑問だけれど」
「この剣で自分を切りつけないかが、一番心配ですよグハハハハ」
「持ち手に小さなボタンがあるでしょ、それを押してみて、装飾が変化して鋼を覆う鞘の代わりになるから、それで持ち運べるでしょ。」
「これは凄い!でも、鞘は自分のだけは作っておきます。汚したくないので」
「自動修復が付与されているから、傷ついたりはしないよ。」
「いやいや、ほこりが付くだけで嫌です。」
「明日持ってきてよね、なんか仕舞い込みそうで怖いわ(笑)」
「大丈夫です。シーツに包んで持ち運びます。」
「すきにすればいいけれど、とっさの時に戦えないわよね、ゲラゲラゲラ」
「じゃ~私はこれで帰ります。自分のだけは持ち帰りますが、後は収納して持ってきてください。10本こちらに持ち込むの大変でしたから」
「賢者様は収納魔法使えないの?」
「そんなの使えるの先生だけですよ」
「じゃ~そのマントに付与してあげる」
「それはやめてください、新品のにお願いします。」
「なら私のバックをあげるよ、この世界では使えなかったから新品よ」
「さすがにウサギの耳の付いたバックは恥ずかしい、もっと地味なのを下さい。」
「ここには無いから無理だよ」
「だったら今から行って買ってきます。」
「お父さんも称号に空間を操る物を付けておいてくれればよかったのにね」
「そのような称号は人類にはお与え下さらないと思います。それは、神の領域になりますから」
「マジックバックって市中に出回っているの?ダンジョンから出るのだったよね?」
「ダンジョンでマジックバックが出ればその冒険者パーティーは一生遊んで暮らせますよ。国中で10個あればいいぐらいです。」
「なに、その数の少なさは、ファンタジーな世界にあるまじき少なさだわ」
「ファンタジー世界の前に、剣と魔法で争っている世界なのです。自分の安全は自分で守らないといけない、野蛮な世界なのです。小鳥がさえずり、花々が咲き乱れ、妖精が飛び交う世界とは違います。」
「私の居る教会だけは奇跡がいっぱい起きているけれどね(笑)」
「あまりやりすぎると、よからぬものが湧いてきます。ほどほどにしておいてくださいね」
「教会に何かするバカも居ないでしょ?」
「信じてない者も多数いますから、まして他国では違う宗教もありますから」
「分かったわ、自重しておく、いまさら遅いけれどガハハハハ」
「じゃ~私は行きますね、カバンを買ってきます。」
「ちょっと待って、大量に買ってきて、マジックバックにして売りさばくから」
「私はお金を持っていませんが」
「もぉ~どんだけしょぼい賢者なのよ、金貨の10枚や20枚ぐらい持ち歩いていなさいよ」
「無茶を言わんでください、カバン1個買うだけで、今月のお小遣い飛んでしまうのですから」
「よくそれで、私のお家を建てたり、お風呂直せたわよね(笑)」
「ミルフィー様の事は最初は秘密にしていましたから、経理が私に女ができて、騙されているのじゃないかと疑っていました。色ボケ爺と言われていましたから(笑)」
「確かに、私にあってから莫大なお金をつぎ込んでいる物ね」
「私はそれで満足しているから良いのですが、財団の者たちはそうは行きません」
「じゃ~これから商業者ギルドに行って私の宝石を売りに行きましょう。売れば莫大な金が手に入るわ、その金でバックを買ってマジックバックにすれば大儲けよ」
「いい考えですね、早速行きましょう、これで私にもお小遣いが増えるはずです」