他の宇宙から来た聖女5
「先生、ここなら気兼ねなく魔法を使えます。」
「いい場所じゃない、魔物はいないの?」
「あの山にドラゴンが住んでいます。他の魔物はドラゴンを恐れて、この地域にはいません。」
「ドラゴン?大丈夫なの、襲ってこないの?」
「大丈夫です。めったに人前には姿を見せませんから」
「そうなのね!大賢者様はフラグが立つとか知らないのね(笑)」
「なんですか?それは」
「知らないのなら、気にしないで練習しましょう」
「まず私が魔法を見せますので、見ていてください」
「お願いします。」
大賢者は初級魔法のファイアーボールを撃ち放った。
30センチぐらいある火の玉が勢いよく飛んでいく、凄い!
「いかがですか攻撃魔法の初級です。」
「あれが初級なの?威力ありすぎじゃない、魔法、恐るべしだわ」
「長年賢者をやっていますから、人よりは初級でも威力はあります。」
「じゃ~私がやるわね!見ていてね、ファイアーボール・・・・・やった~できたわよ」
私の放った火の玉は5センチぐらいの大きさで2メートル先に落下した。
「先生それでは攻撃魔法になりません。」
「最初だからいいのよ、初めてにしては上出来よ!」
「それでは次にウォーターボールをお見せします。」
賢者の放った水球は勢いよく飛び出した。
そして私の放ったウォーターボールは手のひらから、ボトボトと水が落ちるだけであった。
「やったーできたわ、私って天才なのかしら」
「先生、それはできたとは言いません」
「何を言っているの、水が手のひらから出てくるなんて奇跡よ凄いわ、自分で使っておいて何なんだけれど、理解の範疇を遥かに超えているわ」
「先生、魔法とはそんなものなのです。深く考えないで下さい。最初は魔法を受け入れる事に努力してください。徐々に使えるようになっていきます。」
「科学を知る私としては、ハイわかりましたとは、なかなかいかないのよ。」
「先生も若返りとかできるじゃないですか、あれも立派な魔法ですよ。」
「あれは科学だからね、超化学だけれど」
「科学をあまり知らない私にとっては、若返りは大魔法です。」
私たちは初級魔法を色々試してみた。
どれもできるが威力が弱い、私は賢者様に聞いてみた。
「ねぇ~キーエンス様、私には属性が無いのじゃない?だから威力が弱いとか?」
「何を言われているのですか、聖、光、闇、火、水、風、土、時、無、空間と表示されているじゃないですか、それが属性です。多すぎるから、見落とされるのです。」
「あらこんなにあるの!火、水、風、土だけじゃないの?」
「私はそのうちの火と土と風の属性を持っています。三つある私は小さいころから大天才と呼ばれ、もてはやされました。その環境があるから、私は大賢者と呼ばれる存在になれたのです。私の両親がどれだけ喜んだか、私にどれだけの金をつぎ込んでくれたか、わかりませんよ。」
「じゃ~ご両親が私の様に属性が沢山ある娘が生まれたら、凄いことになっていたわね、グフフフフ」
「恐れて、教会に捨てたでしょうね、どちらにしろ先生は教会に捨てられる運命だったとしか、ガハハハハ」
「あら上手いこと言うわね、ゲラゲラゲラ」
「先生真面目にやりましょう。私は知らなければいけない魔法が沢山あるのですから」
「そんなの自分で調べてよパソコンあるのだから」
賢者にミルフィーのスキルが見られるように神様がしていてくれたため、何時でもみる事が可能であった。
「あっても理解できませんよ。物理学者じゃないのですから、アンチグラビティフィールド(Anti-Gravity Field)クォーク・ドミナンス(quark dominance)素粒子物理学において、陽子や中性子などのハドロンを構成する基本的な構成要素、どこの言葉ですか?読むことが出来ても理解できませんよ。」
「わざわざそんな難しいの選ばなくてももっと解りやすいの選びなさいよ」
「天使の輪、癒し系の魔法だと思ったら、何だったと思います。惑星創生魔法でした。「天使の輪」とは、惑星の北極地から南極地へと至り、全てを無に帰し、新たな命を蘇らせる創生光の輪の事でした。先生はヤバい魔法を所持しすぎです。
「議論ばかりしていても面白くないわ、何かワケワカメな魔法を使ってみましょう」
「それもそうですね、聖属性系で行ってみましょう。被害も抑えられそうですし、攻撃魔法であってもアンデッド系に効き目があるぐらいだと思いますから」
「了解!ディバイン ヴェンジャンス(Divine Vengeance)聖なる怒りを解放し、敵に神聖なる制裁を与える強力な攻撃魔法。はっしや~」
ピカ!ド~ン!バリバリバリ、ジュ、ジュジュ~
10メートルぐらい先に直径50センチぐらいの大地が焦げただけだった
「あらすごい威力ね、10メートルも飛んだわよ、これは攻撃魔法として使えるのじゃない?」
「先生私の初級魔法の方が威力あります。これじゃ広い草原に来た意味がないです。」
「あらきついこと言うわね、5歳の幼女なの忘れているでしょ、ゲラゲラゲラ」
「場所を念じて魔法を発動させてみたらいかがです?」
「そうしてみる・・・・セイント・・逆って?・・クラッシュ(Saint's Crush)」
「でもあの山と逆方向に撃ち・・・・・・・・・・あぁ~なんてことを、どこに撃ち込んでいるのですか~」
魔法詠唱中に賢者が話しかけたことにより、魔法は(あの山)の上空で破裂してしまった。
「どうするのよ竜のいる山の上空で破裂したわよ。」
「魔法使うの早すぎます。てっ!いうか、なんで今回だけあんなに威力があるのですか?」
「遠くだから安心して撃ち込めたのよ、リラックスして撃ち込むと威力出るみたい」
「どうします?賢い竜たちですが。流石にまずい!怒りで凶暴になり周辺の町村を襲いますよ。」
「えっ!どうするのよ、今の魔法で倒せなかったの?」
「ムリだと思います。洞窟の中に住んでいますから。兎も角ここも危険です。直ぐに逃げましょう。」
ユニバース・デストロイヤー・メテオシャワー・スーパーノヴァ・ブラックホール・・・・・
ぜぜぜ~「あなた何やっているのよ、貴方も早く打ち込みなさい!」
「先生落ち着いてください。もう山も消し飛びました。何も残っていません!」
「あらそう!助かったわ」
「それよりあの黒い球を直ぐに消し去って下さい。やばいです、何か全て飲み込んでいっています。」
「消し方なんか知らないわよ、お父さん~なんとかして~~~」
父親に頼み黒い球は消え去った。山は消え去り、その後には大きな穴が開いていた。
街を襲われたりしたら、とてもヤバい、小さな幼女は証拠隠滅のため惑星が崩壊する最終魔法を撃ったのであった。
ミルフィーが魔法になれていなかったから、被害が無かったが、あのままブラックホールを放置していれば、惑星は消え去っていた。
「お父さん~~山を元に戻して!あのままじゃ少しまずいと思うの」
「わかった!戻しておくよ」
「ありがとう」
「先生、焦りすぎです。少し怖かったです。あの魔法は終焉魔法だと思います。まだ慣れていないからあれぐらいの被害で済みましたが、先生の攻撃魔法は神の力の行使に近い物があると思います。もう少し大きくなるまで封印しておきましょう。」
「嫌よ!気持ちよかったわ。それにレベルも上げないと・・・・?????」
「どうされました?キョトンとして」
「私は竜を倒したのよね、レベルアップのお知らせ無いのだけれど」
「ホントだ!ステータス画面Lv1のままですね。おかしいですね」
そして二人の頭に神の言葉が響いた。
「お前たちがこの地に来た時に、竜たちは非難させておいた。竜たちも我の頼みだ、逆らうことなく転送に応じたよ。貴重な種族だからな、保護しておきたかった。すまん!」
「いいのよ助かったわ、罪もない命を奪わなくて」
「レベルを上げたければ、ダンジョンに行けばいいさ、ミルフィーがレベルが上がれば凄いことになるかもしれない、父も楽しみにしている。」
「ミル頑張るね!」
「大賢者キーエンス!レベル上げのサポートよろしく頼む!」
「はっはー御意!キーエンス思し召しのままに!」
こうして何事もなかったことに帳消しできた。
街は今頃大騒ぎになっているだろう、あれだけの轟音が響いたのだから、上空の雲は全て吸い込まれてしまって今は快晴だ」
「先生困りました。ダンジョンであのような魔法使われるわけにも行きません。何か威力の弱い魔法をマスターして頂かなければいけなくなりました。私は神様とお約束してしまいました。ダンジョンに行かないと約束を違えた事になってしまいます。」
「パーティー組んで、貴方が倒せばいいじゃない、私は観ているわ」
「レベル差がありすぎます。私は今レベル200です。」
「じゃ~ランクの低い冒険者を雇ってレベリングさせてよ、金持ちはそうしているのでしょ?」
「レベル差10開くと経験値は入ってこないのです。幾らレベルが低いFランク冒険者でもレベル15はありますよ」
「わかったわ、魔物のいる草原に行って、範囲狩りしましょう。ここでそこそこ魔法が使えるまで練習するわ」
「わかりました。先ほどの大魔法を使った事で、魔法が使えるようになっている可能性もあります。ファイアーボールから試してみましょう。」
「えっ!面白くない、もっと大魔法を使いたい」
「先生、何も反省していませんね(笑)」
「わかったわよ、ファイアーボール・・・・・・・何も変わらないじゃない、どういうこと?」
「ですね!」
「ねぇ~賢者キーエンス様、詠唱がいるのじゃない?」
「恥ずかしくなければ、やって見られたらいかがです?」
「じゃ~やってみるね、炎よ、我が意のままに燃え上がれ!火の精霊よ我が願いを叶えん!燃え盛れ、我が願いよ!焼き尽くせ、その敵を!ファイアーボール!」
「先生どうされました?」
「無理、無理、無理、考えた私が言うのも何なんだけれど、私のダメージが大きすぎる。今のは忘れてちょうだい」
「距離は少し伸びましたよ。ゲラゲラゲラ」
「こんなの誰か使っているの?」
「魔法学校に通う者はみんな使っています。みんなが使うから恥ずかしくないのでしょう」
「そんなのを聞いたら私逃げ出すわ、他人事ながら恥ずかしすぎよ」
「思春期の少年少女はそれがカッコいいと思うみたいです。黒歴史になり、学校の先生を恨んでいる連中も私の弟子の中に居ます。」
「そりゃ恨むわ(笑)」
もう大丈夫、練習再開、ファイアーボール、ファイアーボール、ファイアーボール、・・・・・ファイ・・・ファ・・・
「先生できたじゃないですか、その威力ならゴブリンぐらいは倒せますよ」
「それはパス!ゴブリンて汚く臭い魔物なのでしょ、見たくもないわ」
「それでは少し範囲魔法を練習しておきましょう。見ることなく倒せばいいだけですから。」
「それもうそうよね、ゴブリンて集落作るのでしょ?全て焼き尽くすわ」
炎の嵐、風の旋風ゴオ~ヒュ~~~~ドン!
「どおよ!すごいでしょ!」
「さすが先生これならいけます。魔法が使えるようになったと言って問題ないです。」
「後は先生をどうやって外に連れ出すかです。狩りに連れて行くとか100%教会が許してくれません。」
「そうだよね、今回でも疑われていたものね(笑)」
「ピクニックだと言って連れ出せばシスター達が必ずついてきます。断る理由が見つかりません」
「賢者様は転送魔法とか使えないのですか?」
「そんなのおとぎ話の世界です。先生は使えるみたいですが、私は遠慮したい。怖すぎます」
「私も嫌よ、壁に挟まる未来しか見えないは、だから科学の力で転送しましょう、お母さんに頼めば良いのよ」
「先生のお母様にお会いできるのでしょうか?」
「それは無理ね、直接転送してもらうから」
「わかりましたそれでは街に戻りましょう、少し遅くなりました。」
「えっ!嫌よ!まだ、ピクニックが~~~」