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異世界から来た聖女5

この世界で最高峰のエルフの魔導士、その中でもSSSクラスの魔導士が結界解除を試みてみた。


「無理だな、鑑定士何かわかるか?」

「色々試してはいるが、何も分からない、我らの知らない魔法なのかもしれない」

「司教様どうです?」

「我らの目をもってしても何も分からない。この結界は何か変だ!結界で、無いのかもしれない」


「そうですか、司教様でも分かりませんか?」


「所長、この結界を張った者を連れてきてくれ、話を聞きたい」

「彼女らは隠すつもりが感じ取れません、聞けばなんでも答えてくれると思います。」

「そうか、二人は直ぐに連れて来られるのか?」


「この階の3階で寝泊りしてもらっています。」


所長は直ぐに二人を呼んで来るように指示を出した。


二人は呼ばれて結界部屋の前まで来ると、多くのエルフが待ち構えていた。


見るからに威厳のある雰囲気を醸し出すエルフたちに、二人は怪訝な表情を浮かべた。

「この人たちは?」

「王都の鑑定士と魔導協会から上級魔導士様と帝神教会から司教様が来てくださっている」


「そうなのだ、偉い人達なんだね、じゃ~さっさと鑑定して、私達を開放してよ」

「その前に少し教えてくれないか?」

「何かな?」

「この結界について教えてくれるか?我らではこの結界が何なのか分からなかった。」

「そうなのね、結界と考えない方が良いわよ、時間凍結されているの、何をしたってもこの中には入れないわよ」

「えっ!時間魔法?」

「何を驚いているのよ、マジックバッグの中も時間凍結されているでしょ、おかしな人達」


「すまない、私達はマジックバッグの仕組みは分からない、ダンジョンから出る物を使っているだけだ」

「そうだったわね、エルフは違うと思っていたわ」


魔導士が訪ねてくる。

「そのような未知の魔法をどうやって修得したのか教えてくれないか」


「いいけれど、先に鑑定してちょうだい、なんか貴方達を見ていると鑑定にも時間かかりそうだわ」

「わかった!鑑定から進めよう、時間凍結を解除してくれ」


ミルフィー達は時間凍結を解除し部屋に入った。


「どうです鑑定できますか?」

「少し待ってくれ色々試している。我ら鑑定士、看破が使えるのだが、我らの鑑定レベルを上回った隠蔽だ、今は一切みる事が出来ていない、5名で一挙に看破魔法を掛けてみる」


「司教様、神剣の方は何かわかりましたか?」

「こちらも無理だ、このオーラが何なのかもわからない」


「魔導士様どうにかなりませんか?」

「無理だ、すまない」


ミルフィーはイライラしてきた。エルフの能力なら何でもできると思っていたのに人類とそんなに変わらない。

「もぉ~幻滅させないでよ、エルフの能力はそんな物じゃないでしょ、もっと私達を驚かせてよ」

「無茶を言うな、俺たちはハイエルフではないのだから、そんなに突出した能力は無いよ」

「????????????ハイ・エルフ!」

「なんだ!どうした?」


「ハイ・エルフがいるの?」

「女王とか大長老がハイエルフだな、身分が高い人達だ、我らとは次元が違う」




少し時間がさかのぼり、エルフ国、王城では王女が定例報告を受けていた。


「神器を沢山所持していると思われる、人類族の少女二人がラーレヌ王国テレシア王女殿下の書簡を所持して、入管管理局で足止めをされています。今朝、鑑定士と魔導士、司教様が魔導飛行船で向かわれました。」


「えっ!その話は何時の情報が来たのです?」

「昨日の17時頃です。」


「私はラーレヌ王国の事なら、どのような些細な事でも1番に知らせなさいと言っておいたはずですが、どうして今の時間になるのです。」


「それについてですが、女王陛下には詳細が不明だったため、大臣がわざわざお耳に入れる必要はないとおっしゃいました。報告は定時報告の際で十分であると。」


「そうですか!その大臣の首を刎ねなさい、それと高速魔導船ラピダスを用意してください、私も現地に赴きます。」


挿絵(By みてみん)


「陛下自らですか?それは予言に準じる事なのでしょうか?」

「分かりません、でも王が自ら出向かなくてはいけない気がします」

「ラピダスの起動は直ぐに行えます。お着替えをなさいますか?」


「直ぐに出ます。」


高速魔導船ラピダスはエルフ族の秘匿兵器、それを使うと言う王女殿下、それは予言がまだ終わっていないと言う証なのかもしれない。


王女は直ぐに現地に向かった。


挿絵(By みてみん)



時は戻る


ミルフィーはハイ・エルフに会ってみたくて、ワクワクしていた。

「ねぇ~私達もハイ・エルフに会ってみたいのですけれど」

「それは無理だな、一般人が会えるようなお方ではないよ、他国の王であっても、そう簡単にお会え出来ない」


「そんなこと言われるとますます会いたいわ、何とかしてよ」

「その前にこれらの品を鑑定しないことにはどうにもならない」


「わかったわ、そこの指輪をはめて鑑定してみなさいよ、能力アップの付与もされているから、鑑定能力上がるわよ」


「ちなみにその指輪はあまり高そうには見えないが?」

「付与に特化した超神器よ、沢山あるから、みんなで付けてみたら?」


「付ける前にどのような付与がされているか教えてくれないか?なんか付けると呪われそうで怖いのだが(笑)」


「私も覚えていないわ、不老不死から収納魔法まで沢山の付与と称号がされているわ、指輪を付ければ自分で鑑定できるから」


「不老不死?」

「エルフが驚く事でもないでしょ、貴方達は長生きなのですから」

「確かに他種族と比べると長生きだが、不老不死の様な化け物ではない、死は訪れるし老化もする。」


「千年も二千年も生きるのでしょ、不老と変わりないわ!」

「我らを何だと思って入る。三百年生きられたら良い方だ、我らはハイエルフではないのだから」

「あら!また出たわよ、ハイ・エルフ、凄いじゃない」


「会えないからな、城に押しかけたりするなよ!」


「わかったから早く鑑定して自由にして」


誰もが、1番に指輪をはめるのを躊躇っている。

ミルフィー達がイライラしだしたとき、一人の魔導士が業を煮やし名乗り出た。


「我がはめてみる。この指輪どれをはめても一緒なのか?」

「どれも一緒、はめればわかるわ」


魔導士が名乗り出ても、誰も止めない、じっと成り行きを見つめている。


「うを~なんだ!この指輪は、生命力があふれてくる。力がみなぎる。足の痛みが取れた。目の視力が戻った気がする。」


「貴方の能力も大幅アップしているわよ、早く鑑定してちょうだい」


魔導士は大丈夫だからみんなに付けろと促す。

あまりの歓喜に促され、鑑定士5名も、司教様と司教様3名も付けてみる。魔導士4名も流れに押されて付けてみた。


「何なのだこのアイテムは、凄い!我らの生命のランクが上がったのじゃないのか?」

「我の能力も爆上がりしているようだ、隠蔽看破も付与されているようだ、これならここにいるみんなが鑑定できそうだ。」


「誰か俺を鑑定してみてくれ、」


「そうだな、みんなで自分達の能力を確認してみよう。これ我らもハイエルフの領域に踏み込んだのじゃないのか?」


「そうだな、我らから凄まじいオーラが出ている。」

「まだ能力が上がっていくのか!魔力の上昇も感じ取れる。」


「あらゆる病や呪い、魔法や打撃からも身を守る女神の庇護までもこの指輪には付与されているじゃないか?」


「肉体の強靭化や魔力の増大、回復魔法の実行、敵の隠蔽の看破、知性の向上といった恩恵まで付与されている。いやいや、まだまだ付与がされている。どれだけ付与されているのだよ」


「みんな聞いてくれ、この宝玉には称号までもが沢山付けられている。『女神の宴』や『神々の宝玉』、あるいは『覇者の名』それとだ『美の女神ヤヌスの加護』『武神アルマの加護』『知識神ドリルの加護』

『地の神アースの加護』『デリスの加護』これはネームドアイテムとかの次元の話ではない、神々の宝玉だ、こんなもの我らが所持していい物ではない」


「そうか、何て凄い神器なのだ、こんなものを授かるとは!」



「そんな感想いらないから早く鑑定してよ」

「ちょっと待て、まだ能力の上昇が終わっていない、もう少し体になじむまで待ってくれ」


「えっ!そんな馴染まなくても鑑定位できるでしょ。」

「そうはいかない、スキルが体になじまないと、誤った鑑定をしてしまうかもしれない。」


「みんなで鑑定すれば誤りも少なくなるでしょ、早くしてよね」


それから彼らは、理屈をこねては、鑑定を遅らす。

彼らの頭にはこの指輪をどうすれば手に入れる事が出来るかとしか考えていない。


「これだけ鑑定が出来る者がいるのだ、始めればすぐに終わる」

「大切な指輪を貸し出ししているのです。早く鑑定してください。ハイ・エルフに会わなくてはいけないのですから」


「それは無理だと言っているだろ、諦めろ、それよりまだ入国審査も終わっていないのだ」


鬱陶しい、イライラくる。自分達はのろのろしているくせに!


「いいかげんにしてください!入国審査が終わっていないと言うのなら、先にそれを終わらせて」


「少し君に相談があるのだが、この指輪を譲ってくれないか、これだけあるのだから10個ぐらい良いだろ」

「何を言っているのですか?この中にある神器の中でけた外れの最高神器、譲るわけないでしょ」

「買い取る金貨100枚出す。13人分だ、1300金貨だ凄い金額だろ」


「国が資産を投入して買えるか買えないかの価値がある神器を金貨100枚ですか、貴方達に鑑定を任すわけには行けませんね、もういいです!指輪をお返しください」


「それなのだが、指輪が抜けなくなった。多分指輪の数多くのスキルで体に変化を及ぼしたのだろう」

「自動調整機能が完備されている指輪ですよ、抜けないとかありえません。」


「わかった。一人200金貨出す。これ以上は無理だ」

「何が無理なの?私は貴方に指輪を売る気はありません。」


「それなら、この指輪を譲ってくれるなら、入国を認可する。それならいいだろ」

「えっ!そんな事を認可していいの?特権乱用よね」


「我らも指輪を手に入れる為なら何でもするよ」

「ばれたらどうするつもりなの?」

「13人で何処かで国を作るよ、我らは無敵だからな(笑)」


指輪を返却するのを、駄々をこね嫌がるエルフ達、欲が理性を上回り抑えられなくなっている。

ミルフィー達もあまりにも理不尽な態度に、もぉ~エルフ国いいや、こんな傲慢な国あってもこの星の為にならないわ!


そんな事を思った時、部屋にエルフの女性が入ってきた。


「お前達、何をしている?」

「あっ!女王様、どうしてここに」

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