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他の宇宙から来た聖女03

今日は街中をあげての祝賀の日

私も綺麗な服に着替えている。


バリル家公爵様、長男ゲール様は政治家の称号を授かりました。

ヘンリー家伯爵様、次女アリサ様、魔導士の称号を授かりました。

エンタール男爵家、長男マルク様は剣士の称号です。


まず貴族達の子弟が次々と称号を授かっていく。


大商会イセターン家、3男ヨセフ様、商人の称号を授かりました

商会長ミツコーシ家、4男マルコ様、会計士の称号を授かりました。


大工ジョルアの長男ジョージア、大工の称号

兵士テケルの長男ケリー、兵士の称号

魔法使いフガシーの長女マリア、魔法使いの称号


授かる称号を見ていると、親の職業と変わりない称号を授かっているようである。

どのような仕組みで称号とそれに見合ったスキルが付与されるのかはまだ分かっていない。


これまで教会に捨てられていた。子供たちは殆どの子供が聖職者や修道女、修道士の称号を授かるらしい。

剣士や商人の称号が付いてしまうと、10歳になる前に教会から出て行かないといけないらしい、これまでそんな子供は誰一人いなかったと言う事だった。


シスターやブラザー達は私には聖女様の称号が付くかもねと笑っていた。


そしていよいよ私の番である。


「教会のミルフィー前に!」

称号は『希望と繁栄』だった。


二つの称号は前代未聞である。そして人より称号付与に時間がかかった。

それによりセンサーは発信地点を確認することが出来た。


私は称号付与された後、直ぐにトイレに駆け込み、個室から船に転送を行った。


船は信号発信地点に向かいワープする。



挿絵(By みてみん)



発信地点にエネルギー体を確認、直ぐに発光体を船の中に転送する。

発光体は、徐々に形を変えて、人の姿になっていった。


私たちは、高次元体に非礼を詫び、頭を下げた。


「お前たちすごいな、よく我の下にたどり着いた。我がこの姿になるのは何万年前だったか覚えていない」


ミルフィーが頭を下げ自分たちの事を告げる


「私たちは宇宙崩壊の際に、他宇宙に避難した民でございます。私はこの宇宙に子孫を残し、もう一度我が文明を再興する為に、やってきました。」


「そうか、おぬし一人だけか?」

「いいえ、AIの母と二人でございます。」


「そうか!AIにも感情があるのだな?」

「ハイ!立派な母様です。」


「すまぬが、お前たちのデータを見せてもらっていいかな?」

「ハイご自由にご覧ください」


「すさまじいな!おぬし達の文明でよく送りこめたものだ。でもおぬし一人でこれから子孫を繁栄さすのは難解だな」


「私たちの民は、寿命は永遠に近いと聞いています。」


「すまん、ぬしの体ではそんなに長くは生きられない、その継ぎ接ぎだらけのDNAと無理やり移植した魔法因子では1000年が限界だろう。なんという無茶苦茶な改変を行っているのだ」


母が、急だったためDNA改変に時間が無かったことと、魔法因子を組み込んで、惑星の住人に溶け込ませたかったと釈明した。


「研究の時間がありませんでした。あの時はこの体が最高の出来だったのです。」



「よかろう我が何とかしてやる。教会で付与を与えるときに、おぬしの体を見て、我は固まってしまった。まさか、あの世界におぬしの様な異分子が居たのだからな」


「ミルフィーに、銀河に住む認可を頂けるのでしょうか?」

「それは構わぬ、好きにするがいい」


この銀河は彼が作り出し、私たちが辿り付いた星は、彼の実験星だと教えてもらう。

魔法因子を持つ民が、他の星々と、どれだけ文明が遅れるかの実験らしい


万能と言える魔法が使えることで、文明発展はかなり鈍足になると言う事だった。


我らが神と崇める文明レベル7を超える存在がここにいる。もし宇宙崩壊前に会う事が出来ていたなら。多くの同胞が助かったかもしれない。

今から思ってもやるせないが、ミルに数人でいいから仲間が居ればと考えると、少し切なくなるAIであった。


時間も次元も空間も超越した彼らだ、

我らの望みなど、容易い事であったろう。


高次元生命体はミルフィーの継ぎ接ぎだらけのDNAを作り変えてくれた。魔法因子も強力な物に


「よしこれで何千年でも生きることが出来るぞ、魔法も体に負担を感じることなく使う事ができる。」

「「ありがとうございます」」

「それにしても魔法因子を組み込んだだけで、魔法が使えると思ったのは浅はかとしか言えないからな、少し反省はするべきだな」

「すいませんでした。魔法に対しては未知の科学、理解することが出来ませんでした」


「この子が後1万年ぐらい生きたなら、その不自由な体を捨てることが可能になるだろう。その時に我らの魔法が理解できるであろう」


「1万年ですか、長すぎます(笑)」

「我が関わったのだから、もう少し早くなるかもしれない、期待して待つがいい」

「それまでに沢山の子孫を増やしておきます。」



「そうだ!!良いことを思いついた。我も協力してあげるよ。これから私はミルフィーのお父さんだ!」

「「えっ!神様が協力を?」」


「神様じゃない、その称号はやめてくれ、これからはお父さんと呼んでくれ」

「大丈夫なのですか?お忙しいのでは?」

「大丈夫だ、楽しみが出来た。まさか自分に子供を授かるとは、神に感謝したいぐらいだよ」


「そうですか(笑)」


「そうだ!母さんも性能アップしてあげるよ、しばらく何もできなくなるがバージョンアップには少々時間が掛かる。私がミルフィーを見ているから安心してくれ」


「お断りします。神様から、この子を独り占めしたいと言う、意図を感じます。どこか連れて行くつもりでしょ。」


「そそそそそ、そんな事は、なな、なないよ!」

「やっぱり、ずぼしでしたか(笑)、私のバージョンアップはまだいいですから、この子の父親になってやってください」


「任せておけ!父さん頑張るよ!」


「お母さん、お父さん、私そろそろ戻らないと怪しまれちゃうから、戻るね」


「そうだな~行く前に、我と何時でも連絡が取れるように、付与をしておく、何時でも呼んでくれ」

「ありがと、お父さん!じゃ~行くね、またね~」


ミルフィーは教会のトイレに戻った。お父さんの時間操作で、そんなに時間はたっていない。


怪しまれることはないのだが、教会での付与の後にトイレに駆け込んだせいで、聖職者関係の付与がもらえなかったことで、ショックを受けたのではないかと、思われるのが嫌なミルフィーであった。



『希望と繁栄』これが何を表すのかはシスター達にもわからない、でも悪い意味ではない、解釈次第では教会に留まる事もできる。


できるが、1教会に居ていいような称号でもない気がする。


もっと大きなことを成し遂げる人物の様な、もっと人々を導き我らを繁栄させてくれるような、政治家?いや違う、そうだ救世主、神?私はなんて不敬なことを考えている。


我らの神はデリス様だけ、我らの唯一神なのだから。


シスター達はみんな同じことを、考えていた。

その考えは司祭様も同じであった。


司祭は大司教に相談した。そして枢機卿の耳にまで入ることになる。

教会は彼女の処遇に困り果てた。


もしこの称号が民衆を率いる反逆勢力になったなら、もしこの称号が他宗教を創設したならば、きっと内乱が起こるだろう。

それほどに我らが住む世界、神様からの称号が大きく影響するのだ。

いったいどのような、付与を授かっているか鑑定してみる必要がある。


神もこのような抽象的称号じゃなく職業の称号を授けて下さればよかったものを

上層部の耳にまで入っている。戒律に厳しい教会だ、10歳までに出て行く事になるかもしれない。



挿絵(By みてみん)



ミルフィーが転送した後、箱舟の中では、神とAIが話していた。


「神様、ミルにどのような付与されたのです。」

「付与か、悩んだよ、魅了と魅惑だな、そして繁栄の方は人体強化だな」


「なんて付与をされているのですか?そんなのを付与したなら、あの子、教会に居られなくなりますよ」

「ミルフィーの思念を読み取り付与したのだが、ダメだったか?」


「あの子いったい何を考えているの」


「いい男をみつけて、いっぱい子供を産むだったな、それで魅惑系と、子供が沢山産めるように人体強化を付与した。称号はこれでも考えて付けたのだ、彼女の使命を考慮して。」


「直ぐに書き換えてください。」


「じゃ~聖女と御使い(みつかい)にしておくよ、我の子供なのだから、大切にしてもらわないと」

「御使いは流石に、あの子の自由を奪ってしまうような」


「それもそうだな、でも神に関する付与が必要なのだろ?私の子に平凡な付与は嫌だよ」

「私だって嫌ですよ!私たちの希望なのですから」


「じゃ~どうするよ!」

「人々に愛され、教会に居られて、良い遺伝子を見つけられて、自由に行動できる付与をお願いします。」


「そんなのムリだ!シスターぐらいしか思いつかない。」

「貴方が変な称号を与えるから、修道女ではつじつまが合いません。何とかしてください」


「二つ以外にも称号を与えておこう、鑑定すれば称号が見られるようにしておけばいいのだ、いっぱい付けておけば付与も沢山付けられる。」


「さすが神様です!どのような称号を与えられるのです?」

「聖職者、慈愛、慈悲、神々に愛されし子、神の子、聖女、美の女神、天と地を結ぶ者、天界の使者、裁きの執行者、神の力を宿し者、次元を操る者、空間を操る者、属性の支配者、物質の支配者、これでどうだ、最高ランクの鑑定士でないと全てはみる事が出来ない。普通の鑑定士がみる事ができるのは、聖職者と慈愛、慈悲ぐらいだ」


「それなら私も付けたいですお願いできますか?」


「いいぞ!なんでも言ってくれ」

「それでは、称号を授ける者、魔法を極めし者、(ことわり)を知る者、心清き者、学問の神、科学を知る者、民の願いを叶える者、神々の知識を行使できる者、魔法を生み出せる者、生命を生み出せる者、闇の支配者、星の支配者、空間神、重力神、称号付与をお願いします。」


「よし!これだけ称号を付けておけば、付与も沢山付けられる。付けられるだけ付けておく」


「それでお願いします。まるで神ですね(笑)」


「我らの娘、苦労はさせたくないからな、神で何の問題もない!」

「ですよねニコリ」


高次元生命体とAIが考えた称号は常識外れも甚だしかった。


ミルフィーは魔法を使うためのプログラムを導入したため、難なく魔法が使えるようになっていた。

魔法にプロンプトを付け加えれば新たな魔法も作り出す事ができる。


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