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他の宇宙から来た聖女2

ミルフィーは2歳の体でできることを、頑張った。


修道女たちが勉強している所に行き、見学もしているが、魔法の勉強の時は、常識が邪魔をしてしまい理解できない。


そんな世界なのだと、頭に言い聞かせるが、それを科学に置き換えてしまった時に、そんなバカなと言いたくなる。


それでも私には彼女らと同じ魔法因子が組み込まれているのだから使えるはずである。

納得できないが、溶け込むしかない


この世界に溶け込むために、教会で修道女として暮らすために


私たち種族が使える特殊パワーは念動力に近い、それを利用して細胞の活性化を図ったり、悪いところを見つけ出しているだけだ。

炎が出せたり、水が出せたりはしない。

魔法因子はあるのだ、焦らないで頑張っていこう。


私は長く生きることが出来る生命体だ、成人体までは、若干発育は遅いが、体の機能的には同世代の命体とは大差がない。

成人体になったその時に教会を抜け出し、男探しの旅に出ればいい


私は教会にお世話になって、早速やらかしてしまった。

私の体は常に栄養を欲している。脳が糖分を欲しがる。

教会の質素な料理では、体が持たないのだ。

要は燃費が悪すぎる。

このような事は、進化した私たちには起こらないはずなのだが、私のこの体は何かが違う。

急速に脳が活性化しているせいなのか、並列志向が使えるからなのか、このおなかのすき具合は異常だ!


私は厨房に忍び込み、マジックコンロでお湯を沸かし、カップヌードルを作った。

このカップヌードルは前の宇宙があった時には他銀河にも出荷していた大人気商品だ。

とても美味しくインスタント食品とは思えないぐらいの、完成品だ。


私はトコトコと何処かで隠れて食べようと歩いていると、ひっくり返ってっしまった。

ヌードルは床に散乱し私も火傷をしてしまう。


私を直ぐに支援システムのドローンが回復させる。私も慌てて治療を試みた。


大きな音がしたのでシスターが入ってきた。

泣きながら回復をしているところを見られてしまう。

青白い光が回復しているのは、この世界の回復魔法、ヒールと同じだった。」


「大丈夫!ミルフィー、貴女何していたの?ここは危ないから入っちゃダメと言っていたでしょ。」

「ごめんなさい!」

「火傷したの?見せてみなさい」

「治したから大丈夫」

「治した?あなたさっきの光は回復魔法なの?」


あっ!しまった。ばれてしまう、ごまかさないと!私のお馬鹿!


「お母さんがおまじないを教えてくれた」

「えっ!あなたのお母さん魔法使い?聖職者?」

「ちがうよ、お父さんが冒険者で怪我をよくして帰ってきていたから、冒険者仲間にお母さん教わっていたの」

「あらそうなのね、凄いわね、・・・・・・・そうじゃない!貴女お湯が掛かったところ見せてみなさい、

直ぐに水で冷やさないと、・・・・・あら大丈夫みたいね、よかったわ」


「うん痛くない、大丈夫ありがと。」


「それで、この出来立てと思われる食べ物は誰に貰ったの?」

「知らないお姉さん!」


「どこで貰ったの?」


ヤバイヤバイ、これ以上喋るとボロが出すぎる。


「わぁ~ん、ぐすぐす、わかんな~い、わ~ん」


「今回はしゃべらなくていいけれど、知らない人から貰っちゃだめよ!後片付けは私達でしておくから、あっちで遊んでなさい。もう厨房には入ったらだめだからね」


「すいませんでした。もうしません」


「ミルフィーそれと貴女のそのしゃべり方、変だからね、後で聞かせてもらうわよ」


しまった。動揺して普通にしゃべってしまった。私のお馬鹿!


お母さんに給湯器付きの支援ロボットに変えてもらおう。

それと電子レンジのお知らせ音のチィーンは切ってもらわなくちゃ、あれが鳴ると心臓が止まりそうになる。人に聞かれたらどうするのよ!


でも、必殺泣いてごまかしはとっても良い!これからも使っていこう。



3歳になり、教会のミサに訪れる人達の中には、私にお菓子を持ってきてくれる人もいる。

と言うかじじ、ばばの殆どの人々は私に会えることを楽しみに来てくれている。


私は教会がある街の住人の間では、教会の天使と呼ばれていた。


「ミルちゃんお菓子だよ、お仕事が終わったら食べなさい」

「お姉ちゃんありがと!」

「ミルちゃん、クッキーだよ、おやつの時間に食べるといいよ」

「ありがと~おじちゃん」


ミルが来てからミサに訪れてくれる人が多くなっている。


3歳になり、私の行動範囲は広がっている。

そのため、隠れて冷凍食品を食べることもできる。

私は教会の庭の木陰で美味しい料理を毎日食べていた。


ミルフィー少しこちらに来なさいとシスターに呼ばれる。

そして私は衝撃的な言葉を聞いた!

「貴女太ってない、丸まるしてきているわよ、お腹も出てきてるのじゃない?」


挿絵(By みてみん)



ガーン!私は最悪の言葉を聞いてしまう。やばいよヤバイ、美少女が肥満なんて最悪だ!

ジジババの持ってきてくれるお菓子と、冷凍食品、そりゃ肥えてしまう。

「さいあくだ~~」

次の日から私は、冷凍食品もカップヌードルも食べるのをやめ、頑張ってランニングをする事に決めた。

何とか痩せてきたが、この体、2才の時とそんなに背の高さが変わらない

やはり成長速度は遅いようである。


最近この教会でお祈りすると体が楽になると言う人が増えてきた。


もちろんその原因は私である。

私はお菓子を持ってきてくれる人たちに、お礼のつもりで聖水にナノマシンを投入しておいた。

治療ナノマシンは悪い個所を見つけて治療を行ってくれる。


1週間もすれば、体から排出される。

ミサに欠かさず来てくれる人々は継続して治療を受けられる。

そして体が元気になり、みんな神の祝福に感謝するのであった。


シスター達はここぞとばかりに布教活動に専念するのであった。





4歳になり、ミルも活発に動けるようになり、買い出しにブラザーについて行ったりもしている。

計算が早く、買い物の合計も、お釣りの金額も直ぐに答えてしまう。

そんなミルを見た商店の店主たちは、感心してしまう。


そしてミルフィーが町に買い物に付き合うと、両手いっぱいのお菓子を人々から貰っていた。

それを、シスター達と一緒に食べるのが、ミルフィーは何より楽しかった。


ミルフィーは最近礼拝堂の掃除を手伝うようになっていた。

4歳になって椅子の掃除位はお手伝いできる。

ミルフィーが必死で清掃をすると、次の日には見違えるように礼拝堂の椅子が輝いていた。

1ミリに満たない支援ドローンが傷まで修復してくれたのである。

支援システムもミルフィーには途轍もなく甘かった。


今では新築かと思わせるようになった礼拝堂であった。

神の奇跡が起こる教会はますますミサに訪れる人が増えて行った。


挿絵(By みてみん)


奇跡の教会を見るために他の町からも観光に訪れてきてくれる。

街は巡礼の為に訪れる人々の落とすお金で潤うのであった。


街の人々はあの子が来てからと思うのだが、誰もそのことには触れなかった。

触れてしまえば、あの子がいなくなるようで怖かった。


「ねぇ~お母さん!支援システム強力すぎない?町の人たちみんな奇跡だと騒いでいるのだけれど」

「魔法がある世界です。奇跡の一つや二つ何の問題もありません。何か言われたら、お前たちの方がよっぽど奇跡だわと言ってやればいいのです。」


「ならいいのだけれど、できるなら支援システムのレベルもう少し下げてほしい」

「できません!今のままで大丈夫です。」


「もぉ~わかったよ」


それからも、色々と教会が修復されていく。

支援システムやりたい放題である。


お金が教会に入ってくるようになり、ボロボロの私の私服も買ってもらえた。

服の様な高価な物は、庶民はみんな古着なのだが、それでも今来ている服より100倍ましだ。

体の成長が遅い私は、古着を着られる日が長い、だからあちこちすり減ってきているのだ。


シスター達が色々直してくれたりしてくれるのだが、それぞれの趣味に偏り、ちぐはぐな服になったりしている。そう!私はシスター達の着せ替え人形なのだ。


髪は何時も梳かしてくれる。同じ髪型なのはめったにない。

街をブラザーと買い出しで歩いていると、お姉さんが、花飾りを付けてくれたりもしてくれる。


可愛い私は、生きているだけで勝ち組だ!グハハハハ


4歳から、魔法の練習をすることになった。

聖属性を身に着け、祝福の日に備えるためだ。

私は回復に近いことはできるが、シスター達が使う魔法とは違う。

聖属性とか何?て感じだ。


この世界の魔法については全て学習済みだから、使えてもおかしくないはずなのだが、ちょっとも使えない


「お母さんどうなっているの?魔法使えないよ」

「おかしいですね、魔法因子の組み込みは成功しているのですが」

「お母さん!魔法を使うためのプログラムが必要なのじゃないの?」

「そうかもですね、ハードばかり考えて肝心のソフト面を考えていませんでした。」

「ダメじゃん、魔法と剣の世界に来て魔法使えないとか最悪だよ」

「最悪、ダメなら違う星を探しましょう。もう少しあがいてみてください」

「わかった。頑張るよ、私この星の人々大好きだから」



もうすぐミルフィーは5歳になる。

5歳になれば、神様から称号を授かる事ができる。

町中から5歳児が集まり、神様からの祝福を受けるのだ。


色々な称号を受けられ、称号と共にそれに相応しいスキルも付与される。

私も祝福の儀式を受けることになった。



「お母さん始まるわよ、準備はいいかしら?」

「こちら準備OK、宇宙空間にも惑星にも、教会にもセンサーを張り巡らせているわ」


挿絵(By みてみん)


彼女の体にも、ありとあらゆるセンサーが取り付けられている。


私たちはこの不思議現象を調査することにした。

上手くいけば、高次元生命体の痕跡をつかめるかもしれない。

コンタクトを取ることが出来れば、新たなる技術も手に入れることが出来るかもしれないのだ。


そして魔法因子の解明に繋がる手がかりを手に入れられるかもしれない。

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