神様の悩み事
絵本を想定して作りました。
ここは天界。
神々の住まう場所。
退屈で退屈で…なんにもやる気の起こらない
一人の神様がぼんやり下界を見下ろしていました。
すると一人の男に目が止まりました。
男は自分の意見をしっかり持っていました。
周りのみんながYESと言っても、
違うと思ったらNOと言える男でした。
しかし、男が住む世界では協調性を重んじていたので男は時々周囲から敵意を向けられていました。
彼は敵意には正面から立ち向かい闘いました。
神様は天界から黙って見ていました。
男は周りと同じ考えではダメだ。
他とは違う概念で今まで誰も思いつかなかったような奇抜な発想で、角度で、モノを見ないと新しいアイディアは出てこないんだ。と、いつも思っていました。
彼はきっと成功するでしょう。
でも…神様は心配しました。
『成功した時に周りに一緒に喜ぶ仲間はいるのだろうか?』
『周囲から敵意を向けられたからといって、こちらも敵意を剥き出しにする必要はあるのだろうか?』
それぞれの正義があって、それらがぶつかる時に争いは起こるのです。
『みんなが意見を言い合える。そしてお互いを認め合える環境は作れないものだろうか?』
神様はいまでも、悩み続けているのです。
ショートショートへの憧れがあります。なかなか難しいですね。